飛び立ち
翔写真館の翔からは蝶が自由に飛び回っているイメージがある。
実際、そのようないきいきした姿を写真にとどめたいと思う。
しかし蝶の種類によっては、ふだんは木の葉っぱに止まっていて、ときどきしか飛ばないものがある。
そういう種類の蝶が葉っぱに止まっているのを見つけたときは、つぎの飛び立ちを狙ってカメラを
構えることになる。
たとえば、(1)のような梢の先でテリトリーを
はっているコツバメの飛び立ちの写真を狙う時、
たぶん蝶が進むであろうと考える蝶の頭が向い
ている方向にカメラを向ける。(写真上の白丸
の方向) こうしておいて蝶が自発的に飛び立
つのを待ってシャッターを押すと、おおむね期待
するような絵になる事が多い。このようにして撮影したのが(2)、(3)の写
真で、おおむね期待するような場面をとらえら
れている。(1)
(2)
(3)
ところが、蝶が自発的になかなか飛び立たないとき、業を煮やして無理に震動を与えたりして飛び立
たせる事がある。 こういうときは上の例と同じように蝶の頭の方向にカメラを構えてシャッターを押と何
も写っていないことが多い。
(4)(5)のウラクロシジミの例の場合、驚かすとまず背面方向に飛び上がり、それから羽ばたいて飛ん
で遠くへ逃げようとする。従って、最初に向かう方向は蝶の頭の方向ではなく、とりあえず飛び上がる斜
め後方になる。当然といえば当然であるが、こういうことも飛翔写真を撮り始めるまで気がつかなかった。
(4)
(5)