苔鉢作り

女房は花が大好きで、いろいろな種類の(山)野草を育て/増やしている。 
鉢は市販の物も使うが、凝ってくると欲が出てくる。
苔鉢は風情があって山野草にはよく似合う。
お店に行けばいろいろとあるが、高価で家計を圧迫しかねない。
持ち前のアイデアで、陶芸用窯に使う多孔質耐火(シャモット)煉瓦を使おう。
道具も手近にある物や、材料で間に合わせる。
出来上がれば苔が定着し自生・繁殖する年月を待つのみである。


右の写真は「ヤマアジサイ:黒姫」を育てているもの。
まだ苔の緑は定着していない。  何れ美しい肌をお見せできると思う。

製作過程

材料:
多孔質耐火煉瓦。
 
透水性に優れており、天然の「軽石」にも勝るとも劣らない格好の材料である
道具:
煉瓦は、もろいが非常に堅い。
また、内側を削るにはちょっとした工具が欲しい。これはステンレス製のカーテンレールを使った。
鋸はすぐに磨り減るのでコンクリート用や、要らなくなった物を準備したい。
@ まずは材料のカットから始める。
作りたい鉢をイメージし、ザックリと切り取る。

ノコギリをせっかちに動かすと刃の減るのがメチャクチャに早い。
ゆっくりと煉瓦を崩す様に動かす。
A 同様にして何れは削り取る部分を大ざっぱに切り取る。
ヤスリ掛け柄区になるのとヤスリの摩耗を減らすことが出来る。
B <底の細工-1>  使うとき、底に虫が入ったり、変な風にカビが生えたりしないように少し浮かせるようにする。(足を付ける) C <底の細工-2> 鋸で細く切り込みを付けながら、その溝を欠く様にしてざっとした形にする。
D <底の細工-3>  Cで削った荒い底面をヤスリでならす。
ヤスリは建築用石膏ボードの成形用に使う物が都合良い。
E <内側の細工-1>切り取る部位分に沿ってコンクリートドリルで孔をあける。
振動式の方が刃を痛めないし、作業が容易である。
F <内側の細工-2> この穴の継ぎ目を皮スキで崩して行き、底の方から「パキッ」と折る。  大きなブロックが切り出せるので、非常に効率的である。  ドライバーなどでやっても良いが、刃先を完全にダメにしてしまう
G <内側の細工-3>くりぬいた所の段差を削り取る。
ステンレス製のカーテンレールは、丈夫な上に非常に堅いので永く使える格好の道具だ。
「突き彫り用」と「掻き取り用」を作った。
H <側面の仕上げ>角張ったところなどの形を好きなように整える。  角張った物が良ければそのようにすればよい。

完成品
早く苔を付けたいときには「ハ○○ネックス」の希釈液に浸し、木陰に置くと良いようだ。
番外
鉢を作るときに出た煉瓦のかけらや粉は大切に残しておき、篩い分けて「植え付けの時の底石の代わり」や「用土とのブレンド用」に使う。
粘りけが無い上に保水性が良く、重宝である。

要は「捨てるところは無い」