走りの無間地獄
走るのは気持ちいですね。
風を切る感覚がたまらない、と云う人もいるでしょう。
私ですか?ええ、人並みに。
でも、走り続けるというのはどうでしょう?
怖いような気がします。
私が小学生の時から、少し気になる事がある。
慣れれば大した事ではないのだろうが、どうも気になる。
それは…音だった。
そう、走る音だ。
隣の家と私の家はすぐ近くに位置しているのだが、隣の家の部屋の窓が見えるくらい近い。
窓の中はいつも暗い。
夜になっても明かり一つ見えない。
そのなかから変な音がするのだ。
どんどんどんどんどんどんどんどん
子供が走っているのか、その中からははしゃいで走る大きな音がよく聞こえていた。
それも毎日…いや、一日中。
どんどんどんどんどんどんどんどん
よほど気持ちがいいのか走る音は朝も昼も夜もその真っ暗な部屋からしている。
まるで無間地獄のように。
この音、止んだのはつい最近です。
それもその家の人が亡くなった日から。
あれは…何だったのか。
少し、気になる時があります。