1. 鈴鹿山脈/登山日記

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御在所岳・裏道登山道流失

1 新聞報道

平成20年9月2日~3日、三重県北部の山間部は豪雨となった。八風キャンプ場、朝明渓谷、湯ノ山ロッジ、田光川などの被害情報に続き、御在所岳・裏道登山道の状況が報道された。県山岳連盟などによる現地調査への同行取材とある記事(9月7日、中日新聞・三重県版)には、地盤を削り取られて中空に浮く日向小屋の写真が掲載された。裏道は土砂崩れで大部分が崩壊、藤内小屋は大破して室内には土砂が流れ込んだとのこと。

裏道は災害復旧で藤内小屋まで人が出入りしている状況で通行止。鈴鹿スカイラインも斜面の大規模崩落で全面通行止となった。以下は9月14日に中道登山道(御在所岳)、国見尾根(国見岳)から撮影した裏道(北谷)の写真である。

2 中道・立岩付近から

写真1

立岩から見る「ウサギの耳」~藤内小屋の北谷。樹間の裏道登山道は流失し、そこに出現した白い河原に唖然とさせられる。

写真2
写真3

「ウサギの耳」付近。上流側は随分削り取られている。下流側の「天狗の踊り場」は跡形もなく、写真からは以前の地形を想像できない。

写真4

藤内小屋~「四の渡し」。「四の渡し」では、鉄橋や石仏が流失した。その向こうに見える暗い溝は、日向小屋上流の北谷左岸の谷。割山から流れ落ちる小さな谷だったが、これも削り取られた。

写真5
写真6

藤内小屋。北谷本流と立石沢の間に辛うじて残った。発電機が置かれた物置は流失、一服亭は時計方向に90度回転して流され、ベンチ下に落ちて止まった。

写真7写真8

上の写真2枚は、同じく立岩から平成18年に撮影したもの。

写真9

キレット・北側の高い位置が崩壊して岩肌を見せている。立岩の下にも崩落があるらしいが、ここからは見えない。この位置から崩れ落ちた大量の岩石は、如何ほどの威力で北谷を破壊したものか。

3 国見岳から

写真14

国見岳・南峰から見る御在所岳の北面。中央下に崩落が発生している。どうやら、これが最上部の崩落で、裏道7合目の下辺りに落ちたものだろう。

4 国見尾根・ユルギ岩から

写真15

国見尾根・ユルギ岩から土石流の谷を見る。下流に見える砂防ダムが埋まる日が来ようとは思わなかった。

登山者の話や、裏道下山口に設置された説明図などから承知しているところでは、裏道は通行止め、ウサギの耳付近から国見尾根に登るルートは崩落、岳不動は無事だが不動滝の上は様子が一変した、藤内小屋からの国見尾根直登道は使えるといったところ。当分の間は、せめて復旧作業の邪魔にならぬように気を配るべきだろう。

5 追記

平成22年5月5日現在、裏道登山道は復旧され、登山道が確保されている。手作業によるもので、有り難く利用させていただく。なお、藤内小屋は一部再開、日向小屋は撤去されたが今後の予定を承知していない。その日向小屋の撤去跡では砂防堰堤の工事が進められており、現場には迂回路がある。

また、蒼滝遊歩道(東海自然歩道)は消失した。裏道から蒼滝へ往復できるが、蒼滝から下流の蒼滝駐車場まで通行不可能である。(ロープウエイ駅経由で蒼滝駐車場へ行けるが道案内されておらず分かり難い。または、ほとんど知られていない。)

鈴鹿スカイラインは閉鎖が続き、三重県側から自動車で入られるのは料金所跡まで。この復旧工事のため、表道、表道入口~武平峠間の旧道は通行止である。中道、一ノ谷新道は利用できる。

6 さらに追記

鈴鹿スカイラインは、平成23年11月に開通した。もちろん、冬季は積雪があり閉鎖されている。御在所岳周辺の一般登山道では、国見不動~国見尾根間、腰越峠~朝明渓谷間が通行止。東海自然歩道は蒼滝駐車場~蒼滝の蒼滝遊歩道が通行不可能である。

7 もうひとつ追記

平成26年5月現在、御在所岳の主要登山道は利用できる状態。近辺の通行止区間の内、腰越峠~朝明渓谷間は並行するハライド北尾根に新ルート開設済み。国見不動(岳不動)~国見尾根間、蒼滝駐車場~蒼滝は復旧の見込みなし。なお、御在所岳西側のコクイ谷登山道は水害以降、荒廃が激しく一般向けでなくなった。藤内小屋、日向小屋(旧所在地附近で移転)は営業中、鈴鹿スカイラインも問題ない。

この豪雨災害を契機に、蒼滝駐車場の上空には温泉街と鈴鹿スカイラインを接続する湯の山大橋(仮称)の架橋工事が始まろうとしている。

(作成 2008.09.16、改訂 2014.08.16)