マルチメディア入門

トップ > マルチメディア入門

■ 目次

■ ファイル形式

■ 昔よく使用されていた形式(昔の御三家)
◆ UNIX系(.au .snd)
UNIX でよく用いられていた形式です。音声用です。
◆ Windows系(.wav .avi)
Windows でよく用いられていた形式です。.wav は音声用、.avi は動画用です。
◆ Macintosh系(.aif .aiff .aifc)
Macintosh でよく用いられていた形式です。音声用です。

■ 現在よく使用されている形式(今の御三家)
◆ Microsoft系(.wm .wma .wax .wmv .wvx .asf .asx)
Microsoft の Windows Media Player で用いられる形式です。.wm は Windows Media の総称です。.wma は Audio、.wmv は Video、.asf は Active Streaming Format / Advanced Streaming Format を意味します。.wax, .wvx, .asx はこれらの再生方法を記述するテキスト形式のメタファイルです。
http://www.microsoft.com/japan/windows/mediaplayer
◆ RealNetworks系(.ra .rv .rm .ram .rpm)
RealNetworks社の RealPlayer で用いられる形式です。.ra(RealAudio)は音声用、.rv(RealVideo)は動画用ですが、現在は .rm(RealMedia)に統合されています。.ram(RealAudio Meta File)は .ra の時代の名前を引きずっていますが、.ra や .rv や .rm の再生方法を記述するテキスト形式のメタファイルです。プラグインとして動作させる場合には .rpm(RealMedia Plugin Meta File)を用います。他にも .rt(RealText)、.rp(RealPix)など、数多くの拡張子があります。
http://www.jp.real.com/
◆ Apple系(.mov .qt)
Apple社の QuickTime で用いられる形式です。動画ファイルの老舗であり、いちおう御三家の中に入れましたが、二強一弱の状態となっています。

■ その他の形式
◆ MP3ファイル(.mp3)
MPEG-1 Audio Layer 3 の略で、動画技術MPEGの音声部分のみを取り出した規格です。人間の耳には聞こえない帯域の音を省略する技術を用いることにより、WAV に比べて10分の1程度のファイルサイズに圧縮することができます。プラグインで聞くよりも、ダウンロードしてきて Winamp などのアプリケーションで聞くことが多いようです。
http://www.mpeg.org/
http://www.cdwavmp3.com/
◆ MIDIファイル(.mid .midi)
Musical Instrument Digital Interface の略で、波形ではなく音符ファイルなのでサイズは非常に小さくてすみます。規格としては世界共通の GM(General MIDI)、YAMAHA 社の XG、Roland 社の GS などがあり、データファイルフォーマットは SMF(Standard MIDI File)の Format 0、Format 1 などがあります。ウェブで扱う場合は、GM Level 1の SMF Format 0 を使用するのが無難なそうです。
http://www.midi.org/
◆ MPEG(.mpg .mpeg .mp2)
Moving Picture Experts Group という団体が標準化した同名の動画フォーマットです。ネットワークで画像を転送する形態に適しており、あるタイミングで1枚分の画像をすべて送り、それから暫らくはその画像との差分のみを送ります。ネットワークの混雑で差分画像が多少届かなくても大丈夫なようになっています。
◆ GIFファイル(.gif)
GIFファイルでも、アニメーションGIFという技術で簡単な動画を再生することが可能です。(→「とほほの画像入門」)
◆ Shockwave/Flashファイル(.dcr .dir .dxr)
Macromedia 社が開発した動画ファイル。Macromedia Director というソフトで作成した動画ファイルを Afterburnet というソフトで Shockwave ファイルに変換します。
◆ VRMLファイル(.wrl)
動画とはちょっと趣が異なるかもしれませんが、Virtual Reality Modeling Language の略で、ウェブ上に三次元のオブジェクトを表示し、自由に角度を変えて表示する機能です。再生には Live3D, Cosmo Player などのプラグインが必要です。

■ ファイルを用意するには

マルチメディア系のファイルを用意するには、それなりのツールが必要ですが、とりあえずは、ウェブ上にフリーの素材を公開しているサイトが多くありますから、そこからダウンロードするのが手っ取り早いでしょう。Windowsフォルダの下にも .wav .avi などのファイルが転がっている場合がありますので、検索で探してみましょう。変換ソフトを手に入れるには、Google などで「wav rm 変換」などと検索すれば、いろいろなソフトが見つかると思います。

■ ウェブページに貼り付けるには

マルチメディア系ファイルをウェブページに貼り付けるための手段を紹介します。

◆ <a href="...">を用いる(N2/e2)

この方法は、ブラウザのバージョンにあまり依存しませんし、聞きたくない/見たくない人には好感的です。単に、<a href="xxx.wav">xxx.wav</a> のようにマルチメディアファイルへのリンクを張っておしまいです。リンクをクリックすると、各種プラグインや外部のアプリケーションが起動されます。(→ <a>

<a href="xxx.wav">xxx.wav(16KB)</a>
◆ <embed src="...">を用いる(N2/e3)

今一番多く利用されているのはこのタグでしょう。Netscape Navigator 2.0で独自拡張されたタグですが、IE3.0でもサポートされました。様々なマルチメディアファイルを再生しますが、貼り付け方やオプションはプラグインによって異なります。再生回数の指定やコントロールの表示など様々なオプションがありますので、<embed> のリファレンスを参照してください。(→<embed>)

<embed src="xxx.wav">
◆ <bgsound src="...">を用いる(e2)

IE2.0で独自拡張された機能で、ページを表示した際に音声ファイルを自動再生します。.wav, .aif .au .mid に対応しています。(→ <bgsound>)

<bgsound src="xxx.wav">
◆ <img dynsrc="...">を用いる(e2)

IE2.0で独自拡張された機能で、AVIファイルやVRMLファイルを再生することができます。(→<img>)

<img dynsrc="xxx.avi">
◆ <object>を用いる(e3/N4)

HTML4.0 では、<embed> や <bgsound> は好ましくないタグとして、<object> を使用するように推奨していますが、プラグインに依存した記述になってしまうので、あまり利用されているケースは少なそうです。下記の例は、Creshendoというプラグインで MIDIファイルを再生する時の例です。(→<object>)

<object id=Crescendo
classid="clsid:0FC6BF2B-E16A-11CF-AB2E-0080AD08A326" 
height=55 width=200>
<param name="Song" value="xxx.mid">
</object>

■ IEとNetscape Navigator両方に対応するには

IEとNetscape Navigator両方に対応させるには、昔は次のように記述していました。今でもこうしなさいと説明されたウェブページも多いようです。

<embed src="xxx.wav">
<noembed>
<bgsound src="xxx.wav">
</noembed>

しかし、IE3.0 も <embed> に対応してしまったので、これだと、IE3.0 以降では二重に貼り付けてしまうことになります。JavaScript を用いて、以下のようにするのが無難なようです。

<script type="text/javascript">
<!--
if (navigator.appName == "Netscape") {
  document.write("<embed src='xxx.wav'>");
} else {
  document.write("<bgsound src='xxx.wav'>");
}
// -->
</script>

でも、最近はIE2.0の利用者も少なくなってきたので、単純に <embed> のみを使用するのがリーズナブルかもしれませんね。

■ マルチメディアファイルが再生されるまでの仕組み

ブラウザで再生可能なファイルは、プラグインやファイルタイプの設定によって異なります。ブラウザは、拡張子やMIMEコードによって、ウェブサーバーから受け取ったデータをどのアプリケーション(プラグイン)で再生するかを決めます。

Netscape Communicator 4.0の場合は[ヘルプ]-[Plug-Inについて]、IE4.0の場合はエクスプローラ(インターネットエクスプローラではない)の[表示]-[オプション]-[ファイルタイプ]で、拡張子とMIMEタイプとアプリケーション(プラグイン)の関係を見ることができます。例えば、私の環境では、WAVEファイルの拡張子は .wav で、MIMEタイプが audio/wav 、アプリケーション(プラグイン)が SNDREC32.EXE になっています。

■ MIMEタイプの設定

ウェブサーバ側で、今から送ろうとするデータがどういう形式であるかを示すためにMIMEタイプを設定する必要がある場合があります。MIMEタイプの設定方法はウェブサーバーアプリケーションによって異なりますが、例えば、NCSA httpdやApacheの場合は .htaccessに下記のように記述します。(最初の1行は、.wavという拡張子のファイルのMIMEタイプが audio/wav であることを意味します。)

AddType audio/wav .wav
AddType audio/aiff .aif .aiff .aifc
AddType audio/basic .au
AddType audio/x-pn-realaudio .ra .ram .rm
AddType audio/x-pn-realaudio-plugin .rpm
AddType audio/midi .mid .midi
AddType audio/x-mp3 .mp3
AddType audio/nspaudio .la .lma
AddType video/mpeg .mpg .mpeg .mp2
AddType video/x-msvideo .avi
AddType video/quicktime .mov .qt
AddType video/vdo .vdo
AddType application/x-director .dcr .dir .dxr
AddType x-world/x-veml .wrl

■ アプリケーションやプラグイン

マルチメディア関係でよく利用されるアプリケーションやプラグインについて説明します。(ABC順) プラグインの入手は、gooなどの検索で探すか、雑誌の付録のCD-ROMに収録されていたりします。

◆ サウンドレコーダー
Microsoft 社製。WAVファイルを録音、再生可能なアプリケーション。
◆ メディアプレーヤー
Microsoft 社製。.mov .qt .dat .mpg .mpa .mpv .avi .mid .rmi .wav など様々なマルチメディアファイルを再生可能なアプリケーション。
◆ ActiveMovie
.wav .aif .au .mid .avi を再生可能なプラグイン。
◆ CD2WAV32
音楽CDからWAVファイルを生成するアプリケーション。使用の際には著作権に注意すること。
http://homepage2.nifty.com/~maid/
◆ Cosmo Player
VRMLを再生するプラグイン。
◆ Crescendo!
LiveUpdate社が開発したMIDIを再生できるプラグイン。
http://www.liveupdate.com/
◆ Live3D Plugin DLL
VRMLファイル(.wrl)を再生するプラグイン。
◆ LiveAudio
Netscape Navigaotr 3.0から標準装備されたプラグイン。.wav .aif .au .mid を再生可能。
◆ MIDPLUG
MIDI再生に定評のあるYAMAHA社のプラグイン。
http://www.yamaha.co.jp/xg/midplug/top.html
◆ Netscape Media Player
Netscape の Streaming Audio Metafiles(.lam)を再生。
◆ NPAVI32 DLL
Video for Windows(.avi)を再生するプラグイン。
◆ Quicktime Plug-in
QuickTime(.mov)を再生。
◆ RealAudio LiveConnect-Enabled Plug-In
LiveConnect(JavaScriptなどで制御?)可能なサウンド(.rpm)を再生するプラグイン。
◆ RealAudio Player
Progressive Networks社。ReadAudioファイル(.ra .ram)を再生するプラグイン。
◆ Shockwave Flash
Shockwave Flashファイル(.swf)および、FutureSplashフィル(.spl)を再生するプラグイン。
◆ Shockwave for Director
Sockwaveファイル(.dcr .dir .dxr)を再生するプラグイン。
◆ VDOLive small plugin
VDOLiveファイル(.vdo)を再生するプラグイン。
◆ Winamp
MP3ファイルを再生する際に利用される、最も有名なアプリケーション。

■ マルチメディアファイル貼り付け時の注意

◆ プラグインがインストールされていない場合もある
必要なプラグインがインストールされていない場合、音などを貼り付けたページを表示する度に(多くの場合はトップページに戻る度に)、「プラグインを入手しますか?」というダイアログが表示され、鬱陶しく感じることが多々あります。
◆ プラグインが不具合を起こしていることもある
プラグインがインストールされていても、プラグイン/ブラウザ/OS/DLLのバージョンなどが不整合を起こしていることがよくあります。そのページを表示した瞬間にブラウザがアプリケーションエラーでダウンしてしまうことも多いようです。
◆ マルチメディアファイルは重い
正常にプラグインがインストールされていても、データダウンロードに時間がかかる、さんざん期待させてダウンロードしたあげく変哲も無いバックミュージックが始まるとがっかりする、などの感情を持たれてしまうことが多々あります。
◆ 著作権に注意
音や動画にも著作権があります。著作権保護された音楽用CDをファイルに変換して配布するなどの行為は違法→告訴→有罪→罰金となることもありますので注意してください。