なぜ結露するの?
土ってすばらしい!
結露は家の寿命を短くすると非常に問題になっています。私の家はまだ年月が経っていませんが今のところ大丈夫のようです。ここで結露に対する私の考えをお話します。
なぜ結露するかについては、今更お話しなくても皆さん十分ご承知の事と思いますので、ここでは省きますが、昔の住宅がなぜ結露しなかったのか、なぜ100年以上家がもっていたのでしょう。
昔の在来工法は、壁に土を塗っていました。柱の間に竹を組み、そこにわらと土をまぜたものを何層にも塗ると言う方法でた。1年から2年をかけて、乾かしては塗ると言った手間のかかるものでした。屋根にも多量の土を載せていました。土には吸湿性があり家全体が呼吸しています。加えて障子や襖は湿気を吸う、としわがより、乾燥するとピンと張ります。また土はとても熱を伝えにくいので寒さ熱さが家の中に入り込むのを防ぎます。(家自体が温度変化しにくい)。瓦もそうです。本瓦は湯のみと一緒で日差しから熱を家の中に入り込むのを防いでいます。蔵や寺院は夏でも涼しく、囲炉裏だけでも十分に冬暖かいのです。ワインセラーも同じ原理で湿度と温度の管理をしています。地下室は温度の変化があまり無く、周りの壁はレンガで覆われています。レンガは木材より透水性にすぐれています。水に漬けると10〜20パーセントも重量が増えます。アプローチ等にレンガを使用する時、張る前に水に浸すのはコンクリートのアクがレンガに吸収され表面にアクが出ないようにするためです。(これを白化と言う)これによって地下室の湿度を一定に保っているのです。
湿気は暖められた所から発生し寒いところで結露します。日本家屋と言うと、部屋を仕切って部屋ごとに暖房をする。結果、壁の外は冷えているので、その温度差で結露する。サッシの場合は内と外の温度差はもっと激しいのでガラスなどに水滴が付くというのが一般的です。日本家屋(土塀の家)も結露したでしょうか?大広間の真中に囲炉裏といった、仕切りの無い家、田作りと言う大広間を障子や襖で区切った家というのが私の日本家屋の印象です。細かく壁で仕切らないから結露もしない、さらに建具から上はすべて抜けている空間は、仕切ってあっても家が1つの空間。さらにサッシではなく木製の枠に木もしくわ襖紙、これが日本の風土に合った日本家屋(在来工法)だと考えています。今言われている結露は、昔ながらの日本家屋からほど遠い、洋風を中途半端に取り入れた文化住宅(ふるいな〜)の頃から始まった物では無いでしょうか?
間違いだらけの2X4
2X4は強度があり、気密性に優れています。しかし、家の中の湿気も同時に外に逃がしにくいのです。輸入住宅の営業マンやカーペンターに聞くと、
「セントラルヒーティングでないと輸入住宅(2X4)の性能が発揮出来ないどころか、部分的に暖めしまっては、結露の原因になる。気密性が高い=中の空気は外に漏れないんだから、湿気も冷たい所で結露する。」
と言うことでした。昔の家のように、家は呼吸していないのです。また構造に木材が使われていても、合板は水分を吸収すると、接着剤が剥がれてしまいます。さらにビニール製クロスで覆ってしまうので、屋内の湿気の逃げ場所がありません。裏を返すと、セントラルヒーティングの2X4は、結露はしないが家内の空気はよどんでしまうと言うことです。シックホームシンドローム(喘息やめまい)の原因は空気のよどみが原因で、資材や接着剤から出る有害なホルムアルデヒド(だったかな?)がいつまでも家の中にある事により引き起こされます。
そこで、最近出てきたのが熱交換換気扇による24時間換気システムです。これは、屋内の空気温度と屋外の空気温度を一緒にしてやって(一緒にはならないが)、熱の出入りを極力少なくして24時間新しい空気を屋内に入れてやると言うシステムです。私の建てた時にはこんな良いものは、ありませんでした。さらに今ではクロスも吸湿性のあるものが出ているようです。
また、そのカーペンターは
「家そのものは輸入してきても、組立に使う資材は日本の物を使っている事が多い。木材も日本の風土に合わない物もある。現地の家に見られないキノコやカビが日本の同じ家で発生する事もある。
一番の違いは基礎にある。輸入住宅はカーペンターが建てることが多いが基礎は日本人が日本式で打つことがほとんどだ。」
と言うのです。すべての輸入住宅がそうだとは思っていません。私が家を建てるときにカナディアン2X4を候補にしていた位ですから。しかし、考えると家は同じでも基礎は同じなのでしょうか?基礎は同じでも、地面の強度や湿気は同じでしょうか?そこまで詳しくは調べていないので何ともいえませんが、布基礎の上に2X4を建てたのでは、蒸し器に蓋をした状態と同じでは無いでしょうか?以前にもお話しましたが、古来の日本家屋は家が中に浮いていました。高床式住居のような作りです。(忍者はここから屋内に進入した?)これは、地面を乾燥させて屋内に湿気を上がらせない工夫です。しかし昨今の家は基礎で地面を覆ってしまいます。そこで通風口を設けていますが、それでも湿気を100パーセント逃がすことが出来ません。各社色々な工夫をしています。
・ベタ基礎による湿気が上がってくることの防止
・基礎と木材の間にパッキンを入れ周囲から風を通す
・通風口に換気扇を設け強制換気をする
・木炭を式湿気を吸収させる
などです。
2X4を建てるのなら(輸入住宅も含む)私なら、ベタ基礎に木炭でも引き詰めてセントラルヒーティングと24時間熱交換換気システムにします。これならまず間違い無いでしょう。
(私はお金がなくて出来ませんでしたが、、、、)
それは本当の在来工法じゃない!
それでは木造軸組工法ならば大丈夫でしょうか?
現在の在来工法と言われているものは、本当の日本在来の工法ではありません。理由は上に述べたように、土を塗っている家はほとんど無いからです。(私の家の周りには、未だにこの方法で家を建てているところが多いが)
現在の在来工法は、木造軸組で筋交と柱の間に土ではなく断熱材を入れ、外壁材の内側に防水シート、屋内側はコンパネか石膏ボードで仕上げにクロスといった、2X4と変わりのない作りになっています。柱で支えるか、面で支えるかの違いです。気密性についても、2X4よりは劣るでしょうが、かなり密閉されています。ただし、カナディアン2X4や、トステムから出ている内気圧を下げるとドアが開かなくなる様な物は別格ですが。したがって、当然結露もしてしまいます。しかし、屋内に襖や障子、ジュラクの塗り壁がある場合は結露も吸湿性があるので押さえられるでしょう。
これで完璧!!結露しない快適空間
それでは、結露しない家とはどんな家でしょう。
ズバリ予算が合えばですが
・サッシはペアガラスの内側が木製のもの
・24時間熱交換換気システム採用
・基礎はベタ基礎の木炭を基礎にひき、床下を換気扇で強制換気
・屋内はセントラルヒーティング(電気式)
・クロスはやめてすべてジュラクなどの繊維壁か木材
・構造は高気密・高断熱の2X4
・外壁は地中海風の塗り壁
完璧です!!!!!
しかし、これ全てを満たそうとするとハウスメーカーでは無理です。設計士と工務店さんに頼むしかありません。大手ハウスメーカーは自分の家の仕様は大幅に変更してくれませんから。
上のすべてが無理ならば、ペアガラスを使用して、基礎はベタ基礎、クロスもビニールはなるべくさけて木材を多く使うか吸湿性のあるものを使うことでしょう(ハウスメーカー側にその選択肢があればですが)。一番はまめな換気でしょうか?最近では2階の天井に1つ熱交換換気扇を付けて家の空気をゆっくり入れ替える物があります。
さんざん色々なことを書きました。私がここまで言ってしまっては、憤慨している方もいらっしゃるでしょうが、個人的な意見ですので、聞き流して下さい。
次のページで私はどんな家を選んだのかをお話します。
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