こんな間取りで良いの?

   よく見かけるこんな間取り
 皆さんは、夢のマイホームに向けて、色々思案していますよねー。建て売りや住宅展示場、それどころか、新しそうな民家等も気になって、街を歩いていても色んな所に目がいってしまいませんか?(私はそうでした)
 そこで、下の2枚の絵を見て下さい。切妻と寄せ棟の立派な家ですねー。(メーカーのパンフレットから拝借したのですからあたりまえか、、)
しかし!この間取り一見立派に見えますが、本当にこれで良いのでしょうか?皆さんは解りますか?この間取りの落とし穴が、、、、

 一見良さそうな、何処にでもある家にも、こんな落とし穴が、、、、、、

この間取りでオーナーさんは満足しているのでしょうか?

矢印があるので皆さんお解りですね。1階と2階の広さが違う家は見た目にどっしりと感じられ、落ち着きがありますが、この手の形には大きな欠点があります。下にこの手の形の家と間取りの大きな落とし穴とその解決法を書きます。

  建ててから解る大きな失敗をしないために

 実は皆さんも御存知の様に(知らないかも)、私の家も上の写真の様な外観です。これは、1階のLDKと客間をなるべく広くしたかったのと、2階の部屋数と資金、敷地の問題等でこの様な(どのような?)形になったのですが、この形と間取りではとても気に入らない部分が1つあったのです。下の絵が初めにメーカーから提案のあった外観図です。

左の図面をクリックすると大きな図面が開きます。右はタテドキで作成した2F間取り







それは、2階の2部屋に光があまり入らないと言う事でした。

 私の家は南が玄関ですので、問題の部屋(子供部屋)は東に面しています。上の図を見て皆さん気がつきましたか?2階の子供部屋の東側(矢印のある所)には肩の位置より上に小さい窓が有るだけです。

 これではおそらく、充分な採光は得られないでしょう。南北に面した部屋はまだ良いのですが、北東に面した子供部屋は昼間でも暗い部屋になってしまうのではないでしょうか。
 この図面にはまだ小さい窓が有るから良いのですが、一番上の2枚の絵の左側には、この部分に窓すら有りません。

 こんな光の入らない部屋で、子供が育つのかと思うと、せっかく注文住宅を建てたのに、悲しくなってしまいます。

そこで、私はこの位置にベランダを付ける事を考えました。

ベランダを付ける事で、採光は充分に取れるようになり、子供の布団や洗濯物を干すスペースとしても利用出来るのです。
 左の2枚は北東の子供部屋です。ベランダと吐き出し窓を付けた採光の取れた状態と、窓が無く採光の取れない状態を比較のため再現しました。
 比較のため、デジカメで撮ったデーターを補正無しで使用しています。

 上の写真はデジカメの癖が出て少々大げさに写っていますが、実際、窓が有ると無しではこんなに違ってしまいます。メーカーは
「暗くありませんから大丈夫ですよ。通常この位置に窓が来ます。」
と、言っていましたが、注文住宅なのですから、通常などと言う話は聞きたくないものです。
 肩より高い窓、景色も風も感じられない窓よりは、ベランダを付けて明るい開放感のある部屋にすることで、この部屋が活きるのです。子供ものびのびと明るく育ってくれるかもしれませんよ。

  良いことばかりではないですよ

  ベランダを付ければ、採光が取れ、部屋が明るくなることは解って頂けたと思います。しかし、これも良いことばかりではありません。このベランダは完全に追加工事になってしまいます。私の家の場合1.2mX3.6mの広さのベランダの追加工事で40万ほどかかってしまいました。これを高いと思うか安いと思うかは、皆さんにお任せしますが、このベランダは後から作ることが出来ない物です。いざ、この部屋を使う人が「暗い!」と思っても、電気をつける以外しょうがないのです。私はベランダを付けて良かったと思っています。

  次に困った事は、吐き出しの窓を付けると家具等が置きにくくなる事です。腰窓であれば、そこに机を置けば良いでしょうが、吐き出しではそんな訳にはいきません。そもそも吐き出し窓は、出入り出来る窓ですから、その前には何も置けなくなってしまうのです

 全般に言える事ですが、その部屋を、誰が、どんな風に使い、家具は何が必要かを考えながら窓を配置すると、すっきり収まり後々使いやすい家になります。また、長い間住んでいても、いつ、どんなサイズのどんな家具が必要かが解っていれば、事前に準備出来るので、あわてる事も無くなります。
 上の間取り図(外観図の右のタテドキで書いた2階の間取り図)を見て頂ければ解るように、この2部屋は子供部屋として考えています。ベッドの位置や机、本棚、クローゼットの位置も、間取りを考える時点で一緒に考えているのが解ると思います。実際に子供がこれを好むか否かは解りませんが、事前に考える事は、必要だと思います。

皆さんも、間取りを考える時には、それぞれの部屋の使い方や生活スタイル、そこに置く家具等もトータルで考えてみましょう。きっと住み始めてから、快適な生活が送れるとおもいますよ。