あなたが現場監督です!

   自分の家は自分で守る

 皆さんは現場監督と言うと、どんな仕事だと思いますか?
現場監督の役割は4つあります。

1、工事の進捗に合わせた資材の発注。(原価管理)
2、職人さんの手配と工事の進捗管理。(工程管理)
3、図面通り出来上がっているかチェック。(品質管理)
4、周辺住民とのコミュニケーションと作業の安全(安全管理)

 この内3と4については私達に直接関係するとても重要な事柄です。メーカーが周囲の住民に配慮をせずに工事を行った結果、隣から苦情が出て、工事をさせてもらえないなんて事が、ちょくちょくあるようです。皆さんも家を建設中に周辺への配慮を忘れないで下さい。私達から見れば、工事をしているのはメーカーですが、近隣の住人からすれば、家を建てているのは、施主のあなたなのですから。

 話しは飛びますが、家を作る上で品質をチェックするのは、施工管理者の仕事です。しかし、この管理者、あなたの家だけを担当して常時現場にいてくれれば良いのですが、2軒3軒と掛け持ちしていることが多いようです。私の家の担当現場監督も5軒の現場を掛け持ちしていたようです。これではしっかりとした現場の管理など出来るはずがありません。そこで私は、毎日仕事の帰りに現場をチェックするようにしたのです。当然この時期になると、設備の仕様やコンセントの位置等が、図面化され私の手元にありました。この図面と現場を照らし合わせて、現場監督の目の届かない所を私達施主が補うのです。というか、手抜き工事や施工ミスをチェックして施主本人が我が家を守るのです。

 左の図の様な筋交の隅や天井裏の断熱材のチェックは建築途中でしか出来ませんね。特に筋交の周辺は隅々まで断熱材が入っているかチェックしましょう。ひどい業者になると壁1枚断熱材が入っていないなんてことも有るようです。大工さんが作業している時にチェックをするのは、あまり良い気分ではありませんね〜。そんなときはちょっと早起きして朝見に行きましょう。そして、ミスを見つけたら担当者に電話!!
すぐ直してもらいましょう。

 左は風呂の下です。浴槽の下にブロックがあるのが見えるでしょうか?浴槽は基礎コンクリート(ベタ基礎の場合)から浮いています。しっかり4〜6箇所ブロックで支えられているかチェックです。これが無いと浴槽が落っこちます。布基礎の場合は下が土なのでたとえ支えがあっても、それが効いていない(しっかり浴槽を支えていない)場合が有りますので、ブロックを押して見ましょう。動くようならやばいですね〜。
また、配管がしっかり付いているか。シール(水漏れがしないようにするテープ)が施工してあるかチェック

 チェックしなければならないのは、構造や基礎ばかりではありません。コンセントの位置やスイッチの位置等もです。実際、私の家は
1、コンセントの位置 2箇所
2、トイレのタオルかけの位置 2箇所
3、階段窓の高さ 1箇所
4、クロス違い 3部屋
5、ベランダの風抜き窓の大きさと模様違い 2箇所

 以上の10箇所間違えて施工されてしまいました。この内、直してもらえたのがクロスとコンセント1箇所だけでした。それも、私が見つけてすぐにメーカーに苦情を言ったものです。クロスを張って最終段階で見つかったミスについては、ほとんど根本的な手直しはしてくれなかったように思います。これは私の建てたメーカーが悪いというより、担当の営業や施工管理者の人柄や姿勢によるものの様な気がします。

これはひどい、1階の床の部分です。1本、木浮いているのが解りますか?このままフローリングを張られてしまったら、そこはきっとギシギシ音がして重い家具を置いたら凹んでしまうのではないでしょうか。これは下にボルトが有るのでこうしたようですが、位置をずらせば良いのではないでしょうか?それとも1本位大丈夫なんでしょうか?大工さんに「1本位大丈夫だよ」と言われたとしても、な〜んか納得できないんですけど、、、

 これはさらにひどい!筋交が浮いてる!さらにむりやり金具に釘を打ってるので、下の木が割れてる!こんな事の積み重ねが、欠陥住宅になるんじゃ無いでしょうか?
筋交は、家がしっかり建っているためには必要不可欠なものです。その筋交がこんな状態では、どんな立派な木を使っても意味がありません。
 この筋交は、私が確認してから1ヶ月ほど放置して、監督が気付くのを待っていましたが、断熱剤が入り、この状態が外から確認できなくなっても直す気配がありませんでした。現場監督に電話して直してもらいましたが、気が付かなかったのか、見て見ぬふりをしていたのかは解りません。ひどい施工です。

 上の2枚の施工は実際に私の家で起こったものです。これを通常の施工(機能的に問題のない施工)と取るか、ずさんな手抜き工事と取るかは皆さんにおまかせします。が、私は非常に気になったので現場監督を呼び出して厳重注意をしました。
どんなに有名で評判の良いメーカーでも、人間が建てています。間違いはあります。しかし、間違いで我が家がつぶれてしまってはたまりません。通常メーカーの保証は構造体で10年〜20年です。逆に言えば20年間欠陥があっても保てば良いのです。
 メーカーにとっては、20年経てば保証の必要は無くなりますが、住んでいる私達にとっては30年、40年ともってもらわなければ困ります。人的ミスをチェックするためにも、自分の家の建設現場はまめに通って自分の目でチェックして下さいね。