2−2 Harnischia group  
                                                                return to 2 Cironominae

 Harnischia group は下記の点で Chironomini と区別される。

 

Harnischia group

Chironomini
 大顎   多くは先端歯は淡黄色
  背歯は欠く
  先端歯と側歯は黒褐色apical
   背面歯を有する
ST   単純 , rまれに数裂するものがある   plumose or comb shape羽根形または櫛形
SU   単純、太いもの細いものいろいろ、   羽根形または単純
下唇板   歯はわずかに凸、あるいは浅い凹型に  配列、色は様々。   歯は凸上に配列、黒褐色
触角   
  5〜8 節
  5節、まれに6節

  Harnischia  group

Chernovskiia     Cladopelma    Cryptochironomus    Cyphomella    Demicryptochironomus       Hanochironomus   Harnischia    Kloosia     Microchironomus     Paracladopelma     Parachironomus    Robackia      Saetheria   
      


Harnischia group is divided into four groups by form of mentum .

Robackia
group
・下唇板の歯は偶数
Robackia
Chernovskiia
group
・下唇板の歯は奇数、狭いV字型に配列
・側歯は浅いV字型に配列
Chernovskiia
Harnischia

Cryptochironomus
Demicryptochiropnomus
Kloosia
Cyphomella
group
・下唇板の歯は奇数
・側歯は凸形に配列
・中央歯は第1側歯の3倍
・中央歯は淡黄色
Cyphomella
Saetheria

Paracladopelma
Cladopelma
group


・下唇板の歯は奇数
・ 側歯は凸形に配列l
・中央歯は第1側歯の3倍より広くはない
・中央歯は褐色
Cladopelma
Microchironomus
Parachironomus
Saetheria
Hanochironomus

Robackia
幼虫は 8〜10mm, 尾剛毛は7本 . 木曽川、熊野川で採取された。
 頭部は細長く、頭比は0.6..眼点は2対、わずかに離れる。  肛門鰓は2対ともに細長い円錐形、後擬脚の1/2倍、 後擬脚は長く延びる。  下唇板の歯は12本、ほぼ等大。副下唇板は不規則な7〜8本が重なるように配列される。.

 触角は頭部の0.7倍, 7 節se、第6,7節は非常に短い。,第2節先端の副枝は第5節に達する。第3節先端に細く、短い突起があるが2本の、Lauterborn's器官はない。第5節先端の2節からなる突起は第6節と等長
 大顎の先端歯は長く、側歯は3.大顎指状突起は長く、第1側歯を超える。
 STは短く、, SUlは長い針状
上咽頭櫛歯は2つに分岐。前大顎は4歯と1つの突起。
1: 触角
2: 下唇板
3: 大顎
4:上唇部
5: maxillaly palp
6: 前擬脚の爪
7: 後擬脚の爪
8:尾剛毛台・尾剛毛
9: 頭部
10: 肛門鰓・後擬脚
  

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Chernovskiia グループ

     下唇板 副下唇板 触角 前大顎    
Chernovskiia 歯は浅い凹型に配列される。 a
下唇板全体が淡黄色。
扇形で下唇板の両側にある。 8節、全体が膜質 幼虫の前端と後端は細く、胸部、腹部は太い。
後擬脚は細く、後方に延びる
小顎鬚がよく発達
Harnischia 中央歯は広く、側歯より長い、褐色。 扇形で一部は下唇板と重なる。 5節、第2節中ほどから付属枝 5〜6  
Cryptochironomus 中央歯は広く、淡黄色、側歯より低い。側歯は黒褐色 扇形、外側の端は尖る。 5節、第4,5節はごく短い 5〜6  この両種は下唇板をはじめ、外形は類似するが、Cryptochironomus の副下唇板は より長く伸びる。
触角が5節と7節の違いがある。 
Demicryptochironomus 中央歯は広く、淡黄色、側歯より低い。側歯は黒褐色 扇形、外側の端は尖る。 7節、第3節上端に指状突起
Kloosia 中央歯は鋭い、側歯より大きい 楕円形で、下唇板の両側にある 6節、第4節は第5節より短い  副下唇板の形態に大きな特徴がある。 
Chernovskiia

本種は木曽川中流域の流れの緩やかな、水深2mの砂質底から採取したものである。下記Robackiaと同じ地点である。
 頭部はごく小さい。小顎髭は長く、触角のように見える。前擬脚はよく発達し、先端の鈎爪は太く、鋭い。  尾端部は細く、肛門鰓は後方に伸びる長い棒状で後擬脚の3/4.尾端部の剛毛は太く、長い。側鰓、血鰓は無い。後擬脚は細く、後方に伸び、鈎爪は小さい10本。
 下唇板は中央歯を中心に浅いV字型に配列された9  歯は角ばったブロック状、淡黄色。副下唇板は扇型で 上縁は10余のリング状に縁どられる。
 先端歯のみで側歯は無い。指状の突起は鋭い。 STは短い針状、SUは非常に太く長い  針状。上咽頭櫛歯は小さい4葉。前大顎は3本に分かれるが、内側の歯は幅広い 触角は節。全体が薄い膜質 関節間の区切りが不鮮明。基節ほぼ中央に微細な1本の毛。第3節上端近くに付属枝、第4節先端にLauterborn器官とみられる2つの小突起。第5節先端に長楕円形の袋状の突起。
体長:7〜8mm。頭部は小さく,体長の1/38〜
1/40.胸部第1節と第11体節は細く、腹部を中
心に太くて、全体が細長い紡錘形。各体節間の
くびれの幅が大きく、体節数が20に見える。
尾剛毛は8本、台は低く扁平。

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Harnischia
体長6〜7mm. 体節は淡橙色。頭部は淡黄色。尾剛毛は8本。本種は琵琶湖で採取したもの。1種のみ。
 下唇板の中央歯は広く、中央と両端にわずかな
 切れ込みがある。
 側歯は左右6歯。副下唇板は広い扇形で放射状
 の線は鮮明。
 上唇のSTは細く、短い針状、SUは太く、
 屈強な針状。前大顎は5〜6裂。
 触角は5節。第2節中ほどやや下から第4節先
 端に達する附属枝、第3節先端に指状の短い
 突起があるが、Lauterborn器官は無い。
 
    大顎の先端歯は尖り、2本の側歯は小さい。

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Cryptochironomus
淡橙色。各地の比較的多様な水域に生息する。4種確認。
下唇板の中央歯は半円形で淡黄色、側歯は5対、
浅いV字型に配列、第5側歯は先端が2裂。副下
唇板は外側に長く伸びた扇形。
大顎の先端歯は2側歯分の長さ、
側歯は2本。歯の部分のみ黒褐色。
触角は5節、第2節に長短2本の付属枝、Lauterborn
器官はない。
  
上唇部のSTは細く、長い針状。SUは太く長い針状。
上咽頭櫛歯は三角形で、細かい鋸歯を持つ。前大顎
は5〜6裂。(右図参照)
   肛門鰓は円錐形の2対。尾剛毛台は低く、尾剛毛は8本。

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Demicryptochironomus

体長は5〜8mm、淡橙色。各地の比較的清冽な水域に広く生息する。
 小顎鬚は発達。触角のように見える。  下唇板は広く透明な中央歯を中にV字形に並ぶ7側歯, 副下唇板は外側に細長く伸びた扇型。
 大顎は尖った先端歯と2側歯、背歯は無い。
 触角は7節、第3節上部に指状突起、第5節
 先端に小さいLauterborn器官。
 上唇部のSTはごく細く、短い針状、
 SUは極めて太く、長い針状。
 上咽頭櫛歯は三角形で、3歯。
 前大顎は大きな3歯。
肛門鰓は2対、円錐形。尾剛毛台は低く、尾剛毛は6〜8本。

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Kloosia
体長5〜6mm, 体節は淡橙色。各体節の径は小さく、全体が細長い。下の写真は石垣島の小河川の砂礫底で採取したものであるが、猪名川(大阪府)、
名張川(三重県)で採取したものでは下唇板の側歯がわずかに山なりに配列されているほか、前大顎の先端は2裂である。
下唇板の中央歯は大きく、尖る、側歯は6対で、
第6側歯は先で2裂しており、7対にも見える。
全体が、浅いV字型に配列される。副下唇板は
小さく、卵形で下唇板の側面下方に位置する。
 触角は6節。第2節の中ほどに触角の先端に
 達する付属枝、第3節に小さいLauterborn 
 器官がある。第4節は第5節より短い。
 先端歯と2側歯。指状突起は長く、
 第2側歯に達する。
 STは細い針状、SUは太く長い針状。   
 上唇膜は薄い三角形の2葉。前大顎の
 先端は小さく3裂。
上図はKloosia koreana 石垣島の底原ダムで
採取したもの。このほかに触角、上唇部の諸器官
に明らかな違いがみられる種を名張川、猪名川で
採取している。
  尾剛毛は8本。後擬脚は長く、肛門鰓の3倍。
 肛門鰓は長い紡錘形の2対。

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Cyphomella group

   下唇板 触角 大顎
Cyphomella 側歯は7対 5節、第3〜5節が短い 先端歯、側歯ともに特別な特徴はない
Saetheria(part) 側歯は7対 6節、第3節が長い 先端歯、側歯ともに特別な特徴はない
Paracladopelma 側歯は6対 5節、第2節の途中から付属枝が出る 先端歯は長く、細い。側歯も長い

Cyphomella
体長5mm。体節は淡橙色。美瑛川(北海道)の早瀬の石礫面の藻類の中から採取。
 下唇板の中央歯は側歯3本分の広さ、淡黄色。
 側歯は 7対。低い山形に配列。副下唇板は広
 い扇形、放射状 の線は不規則。
 5節。第3〜5節はごく短い。基節を除いて
 膜質。第2節先端に2本の指状突起。
 Lauterborn器官は無い。
 STは短い、SUは屈強な針状。上咽頭櫛歯は
 ハート形で先端は3裂。
 前大顎は4裂、基部は刺状の毛に覆われる。
   
Saetheria sp.
体長5〜6mm.頭部は淡黄褐色。体節は赤橙色。肛門鰓は2対ともに長円錐形。尾剛毛は7本。台は低い。
 下唇板の中央歯は側歯4本分の広さ、淡黄色。側歯は7対、
 低い山形に配列、 副下唇板は広い扇形、放射状の線は
 極めて鮮明。
触角は6節。第4〜6節は短い。
第2節中ほどから触角の先端を
越える長い付属枝。第3節先端
にあるLuterborn器官 は小さ
く、バルーン状の突起がある。
  STは短い。SUは長い屈強な針状。
  上咽頭櫛歯は山形の1葉。前大顎は
  4裂。

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Paracladopelma
体長5〜6mm。頭部は淡黄色、体節は淡橙色。(3種)
 下唇板の中央歯は淡黄色の円弧、左右6
 側歯は第1側歯をのぞいて褐色、第1
 側歯は淡黄色。副下唇板は広い扇形で
 上縁は粗い波形、放射状の約20条の線
 は鮮明。
 STはごく細い、短い針状。SUは長い針状。
 上咽頭櫛歯は小さい三角形の板状。前大顎は
 先端の深い2裂と内側に小さい2裂。
 大顎の先端歯は長く、尖る。
 側歯は2本。指状突起は細長い
 針状 。先端歯基部の鞭状の毛
 は1本の細い毛と鋸歯を持つ太
 い2本。
触角は5節。第2節の下2/3から出る付属枝
は触角の先端に達する。第3〜5節は短い。
Laterborn器官は無い。第2節先端の指状突
起は第5節を越える。
眼点は小さい2対。肛門鰓は長円錐形。尾剛毛は8本、台は低い。

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Cladopelma group

  下唇板 副下唇板 触角 上咽頭櫛歯 前大顎
Cladopelma 中央歯は小さく切れ込み、
側歯の外側3歯に特徴
普通の扇型 5節 三角形の3本 2裂
Microchironomus 中央歯は山型の3歯、
側歯の外側3歯に特徴
普通の扇型 三角形で両側に鋸歯 2裂
Parachironomus 中央歯を中心に順に小さい 狭い扇形、
上縁は粗大な波型
三角形で両側に粗大な鋸歯 2裂
Saetheria(hirta) 中央歯は第1側歯の2倍 大きな扇形 三角形で2葉 4〜5裂
Saetheria(tylus) 中央歯は第1側歯の4倍 大きな扇形 三角形の2葉 4裂
Hanochironomus 中央歯は山型の3歯 大きな扇形 6? 詳細不明 詳細不明
Cladopelma

体長5〜6mm、体節は淡橙色。頭部は黄褐色で腹面は黒褐色。幼虫は琵琶湖の泥底から得られたもののみ。個体数は少ない。
 下唇板は15歯。中央歯は先端でわずかに切れ込みがある。第1〜4側歯は等大、外側の3歯は1ブロックをつくり、中の歯が突する。全体は急な山形を形成。副下唇板は扇形で放射状の線は鮮明。  ST、SUともに太く、長い。上咽頭櫛歯は三角
 形の3本。副大顎は2裂。
 触角は5節、第2節先端のLauterborn 
 器官は小さい。第3〜5節はキチン化
 せず、膜質。
 
   大顎の先端歯は側歯2本分の長さ 、側歯は
先が平坦。 

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Microchironomus

体長は4〜5mm。頭部は黄褐色、体節は淡橙色。琵琶湖、長良川等の砂礫底で採取。
 下唇板は13歯。中央歯は3歯で山形。第1〜3側歯は等大、第4〜6側歯は1ブロックをなし山形を形成。下唇板全体でなだらかな山形になる。副下唇板は広い扇形で放射状の線は鮮明。  大顎の先端歯は側歯2本分の長さ。側歯 は2本、先端は平坦。指状突起は尖った ヘラ状。  ST、SUともに太い針状。上咽頭櫛歯は
 逆三角形で両側に鋸歯を持つ。前大顎は
 2裂、切れ込みは深い。(左下図参照)
肛門鰓は紡錘形の2対。尾剛毛は8本。台の高さは径と同じ。   

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Parachironomus
体長は5〜6mm。頭部は淡褐色、体節は赤色。琵琶湖の他数河川で採取。(2種)
 下唇板は15歯。中央歯は他の側歯より大きい。
 すべての歯が淡褐色で鋭く尖る。副下唇板は
 狭い扇形で、上縁は荒い波状、放射状の線は
 粗い。
 ST、SUともに太く、長い針状。上咽頭櫛歯は
 大きな逆三角形で左右に数本の粗大な鋸歯が
 ある。
 前大顎は先端で大きく2裂。(下図参照)
 触角は5節。Lauterborn 器官は
 小さい。 付属枝は触角の先端
 に達する。全体にキチン化している。
・眼点は3対、わずかに離れる。
・大顎は大きな先端歯と2側歯。指状突起は
 鋭く尖る。
・肛門鰓は長卵形の2対。尾剛毛は7本、
 台は低い。
 


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Saetheria
Saetheria (part) には次の図に示すように2つのタイプがある。

Saetheria hirta タイプ :体長6mm前後。頭部は細長く、淡黄褐色。体節は淡橙黄色。清冽な水域の平瀬、早瀬の砂礫底に生息する。

 下唇板は13歯、中央歯がもっとも大きく、6側
 歯のうち外側の1歯が小さいほかはほぼ等
 大。副下唇板は大きな扇形で上縁は細かい
 波形、放射状の線は鮮明。
大顎:先端歯は大きく、3側歯は小さい。指状突起
は鋭い針状。肛門鰓はやや長い円錐形、尾剛毛
は8本、台は低い。
 STは細く長い針状、SUは太く屈強
 な針状.。上咽頭櫛歯は2裂?前大
 顎は4〜5裂。
 
触角は6節、第4〜6節はごく短い。第2節は基節の2/5、先端やや下から第5節に達する付属枝、
副枝はこれの1/5.第3節には小さなLauterborn器官と第5節を越える太い指状の突起。
 

Saetheria tylus タイプ:体長4〜5mm.頭部は淡黄褐色、体節は赤橙色。琵琶湖、支笏湖の水深1〜2mの砂礫底より採取したほか、肱川(愛媛県)、
天降川(鹿児島県)の平瀬の砂礫底からも採取。
 下唇板の中央歯は第一側歯4本分の広さがあり、
 半円形。
 側歯は6対、第3,6側歯が小さい。副下唇板は扇型で、
 10数〜20条の放射状に分かれる。
 ST、SUともに太い針状。上咽頭櫛歯は三角形の
 2葉。
 前大顎は4裂。
 大顎の先端歯、3側歯ともに細く、
 淡褐色。
 指状突起は第2側歯に達する。
触角は5節、第3〜5節は短い。 第2節のLauterborn
器官はなく、長い指状突起がある。付属枝は第3節先
端まで。
肛門鰓は棒状。尾剛毛は7〜8本、台は低い。


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Hanochironomus

現在のところ、手元に詳細なデータはない

 

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