さがしにいこう


 いいなぁ。
 チエ ちゃんとカナちゃんはともだち。休みじかんはいつもいっしょだ。
 となりのユウキにいちゃんは、本やのタカシくんとともだち。うちのおかあさんは、ユウキにいちゃんのおかあさんとともだち。
 ねこのミルクはむかいのいえのトラとともだち。
 わたしは?

 なかよし、さがしにいこう。どこにいるだろう。 
えきにいった。おみせのおねえさんがわたしを見てニッコリした。
 うれしくなって、わたしはピョンピョンとびはねた。なんどもぐるぐるまわって、目をまわしてしりもちついた。
 ほんとうは目なんかまわってなかったけど、わざとやった。 
 かおをあげて見たら、おねえさんはほかのおきゃくにおつりをわたしていて、わたしのほうを見ていなかった。
 がっかり、おみせのおねえさんとなかよしにはなれない。
 ふみきりをとおろうとするとちょうどでん車がきて、しゃだんきがおりた。
 カンカンカン、というおとすき。ちょっとドキドキするから。まねしていってみる。

                                    一

 カンカンカンカン
 でん車がきて、いってしまった。わたしにじゃあねともいわずに音はやんで、しゃだんきがあがった。

 こうえんにきた。ハトがいる。クゥクゥとなきながらあしもとにやってきた。わたしがすきなの?
 一わがくるともう一わやってきて、あとからあとから、いっぱいあつまってきた。
 ハトにかこまれて、ちょっとこわくなった。 あっちにいって、といってみたけどじぶんたちでかってにしゃべっていてしらんかおだ。
「わーい、わーい」
 すなばのほうから小さな男の子がはしってきた。
 たくさんのハトがぜんぶとびたった。はねの音が、わたしのまわりでぐるぐるちらばった。
 小さな男の子は、わたしのまわりをなんどもまわって、わーいわーいといった。かわいい子。こんなおとうとがいるといいな。
「コ ウタ、ころぶよ。あぶない、とまって」
 うしろからきたのはこの子のおねえちゃん?  
 しってるよ、この人。わたしとおなじ一年生だ。 

                                    二

 なまえはしらないけど、きのう学校のくつばこのまえであった。
 ぶつかりそうになって、先にあの子がごめんねといった。
「ねぇ、いっしょにさがして」
 とその子がいった。
「なにを?」
 その子は先にはしっていくおとうとをゆびさした。
「あの子のくつ」
 見ると、小さなおとうとはかたほうしかくつをはいていなかっ た。
「すなばでなくしたの。くつをはかなきゃころぶよというと、あの子よけいによろこんでにげるの」
 その子はおとうとの手をしっかりにぎって、「わたし、ユリ。あなたは?」ときいた。
「わたし、チハル。いいよ、いっしょにさがそう」
 わたしとその子はいっしょにはし た。むねがワクワクおどった。
 見つけたのかな、わたしのともだち。

                                     三


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