GPSについて
(現在は地図表示のGPSが当たり前になり、以下の内容は古くなりました。昔の事としてお読みください 2017年追記)
GPSは米国の軍事衛星を利用して、自分の現在位置を把握する道具です。原理は車のカーナビと同じものです。しかし、カーナビのように詳しい地図は表示されないので正確な現在位置を知るには以下のものが必要となります。
写真は私の使っているGARMIN社のGPSU。アンテナは筐体と分離可能。現在はアンテナ内蔵機種が殆ど。単三電池四本使用。連続使用すると、すぐ電池が減るので現在充電式の電池を繰り返し使っている。
衛星を3個以上捉えると自動的に緯度経度を表示する画面に切り替わる。4個以上捕捉すると高度が表示されるとともに、本来の精度が得られる。
25000分の1地形図にはあらかじめ一分ごとに線を記入しておく。地図の枠に目印が付いているので、それを定規で結ぶ。
いままでは日本測地系(TOKYO)だったが、世界測地系(WGS84)に切り替わりつつある。2004年現在では併記されているが、やがて世界測地系に統一されるだろう。古い地図でもGPSの測地系をTOKYOにしておけば使える。
これがマップポインター。緯度によって間隔が違うので、地域に適合したものを選ぶ。鈴鹿ではS−36が適合する。
GPSのディスプレイに表示された「度」以下の「分、秒」の数字を読み取って地図の赤線にあてがう。すると右上の角が現在地となる。鉛筆の先でマーキングできるように丸い小さな穴が開いている。この作業は結構面倒で、藪の多い現場では苦労する。高価だがディスプレイ上に25000図をダウンロードして表示できる機種もある。その場合面倒な作業は必要なく、現在位置は一目瞭然である。
GPSがあってもやはりコンパスは必要。GPSに示された目的地への角度(西偏も入力できる)はコンパスで見る(普通のGPSでは方角は移動していなければ示されない)。
電子コンパス内蔵機種でもリング付きコンパスのほうが精度がよい。電池が要らず、いつでも何処でも役に立つコンパスの使い方は習熟しておくことが肝要。
パソコンと連動させる場合、通信ケーブル(右)が必要となる。ケーブルの端子は機種によって違うので、取説に従って準備する。GPSUの場合GPS側は4Pの丸い端子、パソコン側はRS−232Cである。USBしかない場合、アダプターが必要となる。
詳しいダウンロードの方法は「カシミール3D GPS応用編」 杉本智彦著 (実業之日本社) 参照。
左側のケーブルは外部アンテナ。GPS側はBNC接栓、アンテナ自体はカーナビのものを流用している。私の場合本体をポーチの中、アンテナを帽子またはザックの雨蓋にマジックテープで固定している。
左の図は歩いたコースをカシミール上に表示した一例である。サンプルはコンパクトに載せるため5万図に表示したが、25000図上に表示すれば更に詳細に軌跡が分かる。
(カシミール3Dはフリーソフト:ダン杉本氏製作)
2000年5月1日から米国防総省がSA(強制劣化信号)を外したため、より精度の高い(誤差15m)測定が可能になりました。以前に比べたらほぼピンポイントといえるでしょう。高度表示も目安程度に使えるようになりました。ただし、それは4個以上の衛星を捕捉できた場合です。頭上に枝葉が密集した場所や、深い谷底では1〜2個しか衛星の電波が捕捉できず、結果が表示されないことがあります。
私の経験では鈴鹿は樹木が多く、尾根筋でも測定できないことがときどきあります。谷の中は衛星の配置にもよりますがまずだめでしょう。GPSに頼りすぎず地形図、コンパスだけでも自分の位置がだいたい把握できるようにしておくべきでしょう。谷コースでは高度計が大変役に立ちます。
GPSにあらかじめ主要な山頂や峠の位置をインプットしておくと、測定位置からの距離や方位がすぐわかります。