林道からキララ峰 11.01.30
一月半ばに久々のまとまった雪が降り、自宅付近でも30cm強積もった。23日に行こうと思ったが高い山は到達できないかもと思い、前衛のキララ峰に行くことにした。ところが23日はパッとしない天気で気が乗らずやめた。翌週30日の予報も芳しくなかったが、体がなまるので出掛けることにした。間隔が開いているので楽な林道コースとして、できるだけ車で高度を稼ぐ。標高が上がるに従って林道はツルツルになる。以前に通った車の轍で圧雪されて凍っているのだ。ガードレールもない崖っぷちで緊張する。帰りの方がなお怖いだろう。なるべく山側を通るが、側溝が隠れているのでこれも油断できない。やがて吹きだまりでスタックした。バックしては勢いをつけ前進すること三回目に突破できた。しかしこの先二進も三進も行かなくなってからでは遅いと思い、切り返しできる場所で駐車した。標高500m。
車から下りるといきなり空気が変って厳しい風が肌を刺す。林道の写真でも撮っておこうとカメラを出すと電池不足で動かない。夏なら充電後一週間でも問題はないのだが、冬はやはりダメなようだ。GPS用の電池を使おうと思ったらGPSはカラだった・・・嗚呼。ボケが進行している。支度をして歩き始める。路面の様子ではもっと車で上がれたようだ。でも山登りに来たわけだから、まあいいか。トコトコと轍の上を歩く。右手はるか上に反射板が見えてきた。まだこんなに低い所に居るのかと思う。やがて登山道と林道が分岐するところで轍が乱れてなくなった。この先は流石に進めなかったようだ。
登山道取り付きは難儀しそうだったので楽な林道をそのまま進む。雪が深くなってきたので持参のワカンを履く。これはバービーの保護者に頂いた猟師用に開発されたプラスチック製のものである。一月は気温が低いままだったので雪はまだサラサラ。ワカンを履いて楽になったのかどうか定かでない。標高650mで再び登山道と林道が交差する。右へ行けば反射板だが、さすがにここは登山道でショートカットの方が早い。しかもトレースがある。キララなんか来る人もいるようだ。急勾配を喘ぎながら登ると、林道終点の広場に飛び出した。
左手にモノレールの終点があり、雲母林道終点駅と書かれた札がある。こんなの以前からあったかな?記憶がない。カメラの電池を体温で温めて写真を撮るが、2枚ほどでダメになる。ここでベンチの雪をどかして休憩する。あと150mくらい登れば稜線である。雪が深ければ林道散歩の足慣らしで帰ってもいいと思っていたが、どうも望外の登頂ができそうだ。しかも天気も予報を裏切って晴れてきた。さてカツを入れ直して登ろう。道としては植林の中のつまらないコースであるが、雪と格闘できる冬は面白い。トレースに乗ったり外したり、臨機応変に登る。しかしやがて、これって本当に楽しいのと自問自答するほどしんどくなってきた。しかしもう稜線は近い。
あと標高差20mほどというところで雪がごっそりと増え、股まで潜る。サラサラの雪が風で流れてトレースは完全に埋もれて消えていた。ここを必死でしのいでようやく稜線に出た。痛いほど冷たい風が容赦なく吹き付ける。右折すれば三角点山頂であるが展望はない。当然左折して東峰へ向かう。風向計や鯉のぼりが靡くピークに立つと、素晴らしい展望だ。南東眼下の伊勢平野の広がりと伊勢湾の眺望。しかし白眉は西の鎌ヶ岳。頂上付近の盛り上がりが神々しい。ヨーロッパアルプスさえ連想させる雄々しさである。写真写真! カメラから電池を取り出し、下着の中に入れて人肌に温める。ツメテー!しかし写真では崇高な感覚が現れず、ちと残念。やはり生で見るに限る。しばらくピークを歩きまわって展望を楽しんだ。前衛峰であるから樹氷がないのは仕方ない。
ここで昼食にしようとツェルトを張りかけたが風が強すぎてダメだ。帰りの尾根の途中にしよう。撤収していたら南から登山者がひとり。宮妻から登ってきたのだろう。おじさんとしばらく話して別れる。鞍部へ戻り三角点方面へ登る。登りきったところを右折して東尾根に入る。ここは登山道ではないが、植林作業で使われている尾根である。雪は深いが下りだから平気である。しかし雪の下に間伐された枝が隠れているので少々歩きにくい。適当なところで風下へ下りて杉にロープを渡し、ツェルトを吊るす。ペットのお茶やプラスティバの水はバリバリに凍っていた。ツェルトの中で湯を沸かすと、外の半分以下の時間で沸騰するので節約になる。時間は早いのでゆっくりくつろぐ。
このまま尾根を下りていくと予定通り反射板に着き、ここからは林道で帰った。望外の展望を得て、やはり来て良かったと思った。