倍上ヶ谷〜神懸〜杠葉谷

2004年1月6日 晴れ  今日は本当に久しぶりの山歩き。
余りにもいい天気なので仕事は後回しにして「さて、どこに行くか?」
殆ど歩かない毎日を過ごしているのでたくさんは歩けないだろう。
かと言って見慣れたところは歩く気がしないので奥村先生の絵地図、鈴鹿の山と谷や西内氏の本を引っ張り出して、
以前に登山口までは見ておいた所に入ってみることにした。  
(高度は参考程度としてください)
湯ノ山の「希望荘」の裏手、東海自然歩道の「大るり橋」の前に相棒を待たせて左手の林道を歩き始めた。(9:25)

左の林道は通行止めとなっているが歩行では全く問題なく入ることが出来る。

周囲の植林帯はよく手入れがされている。 この谷の対岸が東海自然歩道(井戸谷)で、そちらからもこの林道に上がって来られる。

林道から見る東方面:菰野富士など。
倍上谷道への入り口である。420m  ここまで林道を歩くこと約20分。(9:46)  入り口の正面に滝が見えるので良く分かる。 
少し近寄ってみる入口の滝。

道はこの手前を渡って樹林帯に取り付く。

登り道には特に目印は無いが、長年使われた踏み跡がしっかりしている。
それもその筈、490m辺りまで来ると長径が5mもある立派な窯跡がある。 (10:05)
沢沿いに更に上っていくが、歩きやすい道が続く。

昔の人々が歩いた上を、感慨深く・・
あちこちにシャーベット状の雪が残っている。
石積みの堰堤を見る。 水は殆ど無い。

雪解けの合間からはもう既に鮮やかな苔が育っている。
 随所に石組みが残っている。
簡易住居や水路の確保だろうか。
尾根近くになり、溝地らしきところに到達するが、草付き出ないと上れない。 しかし、これは間違っていた。 左に入りすぎてしまった。 660m (10:45)
暫くして右の小尾根を乗り越えて小沢に入った。
どうもこれが西内氏が書かれている二番目の堰堤かと思われる。
非常に小さいため堰堤とは言い難く「石の堰」

この辺で水が枯れた

明るくなり、稜線に近くなったのが分かる。

あちこちにブナの木がある。 大きいものでも直径30cm位ではあるが。 苔むした石組みに根を下ろす逞しい木があった。

稜線に出ると遠くに御在所が望まれた。
大きな松ノ木が結構たくさんあるが、半数近くは枯れている。 ここにまで松くい虫の被害が・・・
西内氏による「杉の木」にはお目に掛かれず。(捜しもしなかったが)
結局、峠よりも南に出てしまったようだ。神懸直下だった。680m (11:00)
頂上には標識板が掛けてあった。 のんびりと熱いお茶を飲んで休憩。 数年前からあることを切っ掛けに普通の山行きにはアルコールを持って行かなくなった。

頂上からの展望はあまりよくは無いが、
この時期は木の葉が少ないのでその間から
左より 「御在所岳」「鎌ヶ岳」「雲母峰」

帰路に着き、神懸を振向き見る。(11:20)

下り口には赤テープがしっかりと巻いてある。

御在所の61m鉄塔や行き交うゴンドラが良く見える。

稜線の道の南側はルンルン気分で降りて行きたくなる素晴らしい楽園に見える。
尾根道にはこの様な露岩が多く見られる。
西内氏の「大岩」がどれなのか分からずしまいだった。
どこから谷に降りるのか?
つい親切な赤テープに目を取られ、どんどんトレースしてしまった。
次回谷を詰めて見る楽しみが出来た。
この場所などの傾斜は結構急である。

540m (11:40)
そのお陰?で今まで見たことがなかった角度からの御在所の姿を楽しめた。
露岩に根を下ろす木は自然の造形美そのものだ。
露岩は見る角度によっては仏様か地蔵様か??
いつまで見ていてもあきが来ない。

490m
(11:50)

尾根道から北の方向を見る。 歩いた感じとは全く異なり、とてもゆったりした稜線が美しい。
木立の間に角が取れ、積み重なった大きな露岩が見える。
この左から降下が始まる。
相変わらず赤テープに導かれる。

間伐された植林帯を下る。
こんな急斜面での林業はさぞかし大変だろう。
赤テープが付いたまま切られた新しい幹や枝があるところを見るとテープは1年以内のものか?

谷に近くなるとピンクのテープ(営林か?)も出る。
歩きにくい林を降りきると「杠葉谷」に出た。

直ぐ右手に鉄の堰堤が見える。
堰堤左の高巻き道でやはり林の中を下る。 そのままテープに導かれ、林道に出る。
橋の上手約20mのところに赤テープがある。
行きに「これかな?」と思ってみて通り過ぎたものだ。

355m (12:27)

林道から見る「杠葉谷」
橋のたもとは土取り場なのか
山が泣いている。

お待たせしました!「相棒」
今日も楽しく無事に行ってきたよ!

ありがとう。
と、言うことで本当に久しぶりの山らしい環境に入らせて戴きました。
春の新緑を想像すると捨て難いルートでした。
登りはともかくとして、下りは赤テープのお陰で案内に無いルートを歩かせて頂けました。
始めは「こんなにこまめに付けなくてもいいのに」と思っていましたが、今回限りは「うーーん!!」でした。
テープが無くても最後の下り口までは決して谷に下りないようにすれば辿り着けます。
驚くほどしっかりした踏み跡があります。

次は杠葉谷で上って、尾根との分岐点を確認したくなりました。

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