2-3-2 Chironomus group
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Chironomus,    Dicrotendipes    Einfeldia    Glyptotendipes    Nilodorum 
 Goeldichironomus  

  下唇板 大顎側歯
指状突起
上咽頭櫛歯 上唇切片 前大顎 側鰓・
肛門鰓
Chironomus 中央歯は山型。
副下唇板は広い。
側歯は3
シンプル
10余本の櫛の歯状 正常(何もない) 先端は2岐 側鰓はある・無い
2対の血鰓
Dicrotendipes 中央歯はドーム型
副下唇板は狭い
側歯は4
平たいヘラ状
一連の大きな5歯 粟粒状の集りまたは
円形の紋様
先端は2岐 側鰓はない
血鰓はない
Einfeldia 中央歯は山型・ドーム型
副下唇板は広い。
側歯は3
シンプル
10余本の櫛の歯状
又は不規則な10余歯
円形の紋様
無い種もある
先端は2岐 側鰓はない
血鰓はある・無い
Glyptotendipes 中央歯は山型・ドーム型
副下唇板は広い。
側歯は3
平たいヘラ状
大小不規則な10余歯 円形の紋様
無い種もある
先端は2岐 側鰓はない
血鰓はない
Nilodorum 中央歯は山型・ドーム型
左右の副下唇板は接近
側歯は3
平たいヘラ状
大小不規則な約20歯 円形の紋様 先端は4〜5岐 側鰓はない
1対の血鰓
Goeldichironomus 中央歯は山型。
左右の副下唇板は接近
側歯は3
鎌状で鋸歯がある
大小不規則な20余歯 正常(何もない) 先端は2岐 側鰓はない
2対の血鰓、後方の鰓
は2分岐する
下唇板の山型:大きな中央歯と両脇の小さい歯または小さい切れ込みのあるもの  


Chironomus

体長は5mm〜30mm。 生体は赤〜深紅色。
Chironomus 属の大きな特徴は、第11体節の側面に2対の血鰓を有するものと、この血鰓のほかに 第10体節の後端側面に短い側鰓有するグループがる。
冨栄養化した水域、かなり有機汚濁のはげしい水域に生息するものがある。
  下唇板の中央歯は山形の 3本で、両脇の小さい歯は種によって大きさが異なる。側歯は6対、第1側歯より順に小さい。副下唇板は扇形で、放射状の線は明瞭。 側鰓を有する
上の写真はC..plumosus  のものであるが、
  C,kiiensis C.circumdatus , C.niponennsis など多くの種が知られている。  
上咽頭櫛歯は10余本の櫛の歯状。前大顎は大きく2裂。STは羽根形で内側の縁は細かい櫛歯状。SUは細長く周囲は毛で縁どられている。 上の写真ではST、Uとも詳細は判らない。 側鰓のない種の代表的なものがC.yoshimatsuiである。この種の血鰓は前方の1対が後方の一対に比べて短い。 

Chironomus の触角は5節。種によって触角比が
 異なるが、基節が他の節より極めて太く、長い。       Lauterborn器官は小さい。
・大顎:種による差異はほとんど区別できない。
・ ST、SU上唇膜、前大顎等上唇部の形態は種に
  よる区別はしがたい。
・血鰓、側鰓の長さ、形態は種により異なる。

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Dicrotendipes

体長3〜8mm。体節は淡紅色。頭部は淡黄色。眼点2対は径ほど離れる。肛門鰓は2対、円錐形。尾剛毛台は低く、尾剛毛は7本。
やや富栄養化した水域の石面の藻類に生息する。種類も多く、国内に広く分布する。

 下唇板歯は大きな中央歯と5〜6対の側歯。中央歯は両側にわずかな切れ込みがある。側歯は第1側歯から順に小さいが、形態的には種により異なる。副下唇板は扇形であるが、Chironomus や Einfeldia に比べればかなり狭い。 上咽頭櫛歯は1連の大きな5歯が本属の大きな特徴。前大顎は先端で2裂。繊毛に覆われる。STは羽根型
で縁は粗大な鋸歯状、SUは細い針状。
・触角は5節。触角比は0.8〜1.3、種によって多
 様。第2節のLauterborn器官は小さく、第4節が
 比較的長い。
・大顎の先端歯および側歯は黒褐色、背歯は褐
 色。指状突起は先端が広くヘラ状。
・頭部の上唇節片1,2が存在し、前頭片の先端
 近くに粟粒状の紋様か、大きな円形の紋様が
 ある
Dicrotendipes pulsus グループ・・・・・ 粟粒状の   紋様を有する
Dicrotendipes notatus  グループ・・・・大きな円   形の紋様を有する

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Einfeldia
体長5〜10mm。体節は赤色。頭部は褐色で腹面は濃褐色。触角は5節。第3節が4節より短い。Einfeldia の多くは第11体節の後部両側に1対の血鰓がある。
長さは種によって異なる。緩やかな流れの淀みの植物帯や砂泥底に生息。種類が多く、各地に分布する。

下唇板の中央歯は上図のようにドーム型のものと山形のものがある。副下唇板は扇形で放射状の線は明瞭。   Einfeldia の多くは第11体節に1対の血鰓をもつが、中には血鰓を有しないものもある。

 上咽頭櫛歯には上の写真のように不規則な
 細かい鋸歯状のもと左の図ような3つのタイ
 プがある。
 大顎の基部に数条の放射状に広がる線が
 ある。
 ChironomusEinfeldia にも見られる特徴
 である。
 

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Glyptotendipes

体長は5〜10mm。淡紅色〜濃赤色。止水,平瀬の砂泥、砂礫底に生息。国内では数種見られる。広く分布する。

中央歯はドーム型、両脇に小さい歯をもつ種もある。側歯は6対。
副下唇板は広い扇型で、上縁は細かい波状。放射状の線は明瞭。
背歯は淡褐色、先端歯と3側歯は黒褐色。指状の突起は
先端の広いヘラ状。触角は5節、触角比は0.8〜1.2。
第3,4節が比較的長い。Lauterborn器官は小さい。
 STは羽根型で縁は鋸歯を有する。、SUは太く長い針状。
上咽頭櫛歯は不規則な一連の20余歯。前大顎は大きく2裂。
側鰓、血鰓ともにない。肛門鰓は円錐形〜紡錘形の2対。
尾剛毛は8本、台は低い。

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Nilodorum

体長は10mm前後。赤橙色。眼点は大きな2対、わずかに接する。頭部腹面は濃褐色。富栄養化した水域の泥, 残渣の中に生息。
この個体は佐野川(大阪府)下流にて採取した。

中央歯は山形で両脇の歯はごく小さい。側歯は6対、
第2側歯は第1側歯に添うように位置する。副下唇
板は扇形で、上縁は細かい波形。
STは長く、粗大な針状に縁取られる。
SUは太く長い針状。
上唇切片1,2が存在し、頭殻の前端にpit .がある。
・大顎の側歯下部の指状突起は広い
 ヘラ状で先端は細かい鋸歯。
・上唇膜は大きな傘状で、下端の縁は
 長い櫛の歯状。
・上咽頭櫛歯は不規則な約20本の
 一連の歯。
・触角は5節。第2節先端に小さい
 Lauterborn 器官と、小突起。
・前大顎は6裂、基部は繊毛に覆われる。
第11体節の後端、両側に1対の
 腹鰓(血鰓)がある。
 

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Goeldichironomus

体長7〜8mm。体節は淡紅色。頭殻1,2が分離。眼点は2対、わずかに離れる。
本種はアメリカ アリゾナ州ツーソンの砂漠にある休憩所の排水池で採取したものでる

背歯は小さく、淡黄色。先端はおよび3側歯は黒褐色。
指状の突起は大きく、第1側歯に達する。粗い数個の
鋸歯をもつ。
下部の放射状の線はない。
中央歯は両脇にわずかな切れ込みがある。側歯は6対、
順に小さいが、第2側歯は第1側歯に添うように位置する。
副下唇板は扇形で内側が長く伸びる。
・触角は5節:Lauterborn器官はごく小さい。 基節の下
 1/4にring organ。.付属枝は第4節の半ばまで。
・上唇部:STは羽根型で、細かい櫛の歯状。SUは太く、
 長い針状。上唇膜は傘形で先は細かい櫛の歯。
 前大顎の先端は2裂
・上咽頭櫛歯は1連の不規則な20数歯。
・肛門鰓は2対ともに棒状。尾剛毛は7本。台は低い。
第11体節に2対の血鰓がある。前方の1対は中ほどで2岐
する。第10体節の側鰓はない。

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