4 Diamesinae
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Diamesinae は次の3族に分けられる

4-1  Boreoheptagyiini ・・・・ 頭部に角状突起(無い種もある)、体節背面に網状につながる糸状突起、後擬脚の鈎爪は幾重の馬蹄形状。                                                       Boreoheptagyia 1属  数種あるとみられる。

4-2 Protanypodini・・・・・・・・頭部に多数の細い毛がある。後頭縁側面に円形部分がある。
                            Protanypus 1属のみ

4-3  Diamesini ・・・・・・・・・頭部の毛は目立つほどではない。後頭縁の円形部分は無い・
              i            Diamesa ,   Pagastia ,  Potthastia ,   Pseudodiamesa ,   Syndiamesa , Sasayusurika

    Diamesinae Genus DA

4−1 Boreoheptagyiini


Boreoheptagyia

体長は3〜6mm。濃緑褐色〜黒褐色。
本属の特徴である頭部の角状突起は、角状のものからわずかな膨らみ程度のものまでさまざま。国内には幼虫の形態から見て、少なくとも数種いるものと考えられる。清流、早瀬の石面に生息する。山間部に広く分布する。

幼虫の全形  頭部は黒褐色。触角の後部に角状の1対の突起がある。  角状の突起は基部は太く、多数のしわがある。
 触角は5節、触角比は1.4〜1.8。第3節にはラセ
 ン紋がある。
 下唇板歯は14〜16。台形で、上辺に6歯が並
 び4〜5歯が両辺に位置する。
  角状の突起は短い。角状の突起はなく、わずかな
  膨らみだけの種もある。
 ST、SUともに針状。上咽頭櫛歯は屈強な
 5葉。前大顎は7〜10指の掌状、背面の突
 起は針状,2叉、櫛状など多様。
先端歯と4側歯は等大、種によっては先端歯が
淡黄色のものがある。
体節の背面は星型の毛様の突起が網状に広がる。 後擬脚の鈎爪は3〜5重の馬蹄形、爪の数は種によって異なる。
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      尾剛毛は短い6本。台はごく低い。

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4-2  Protanypodini
 
Protanypus

体長11〜12mm。 淡褐色で背面にまだら模様。 田沢湖、猪苗代湖など東北地方の湖沼の水深50〜150m、深度の大きい湖底に生息する。これらの湖沼の酸性度は比較的高い。
生息場所によって形態的に若干の差異がみられる。

 後頭縁の両側に黒褐色の円形の突起が
 ある。
下唇板の中央歯は広く、凹凸のある淡褐色。側歯は
4対、第1側歯は凹凸のある広い黄褐色。第2〜4側
歯は鋭く、黒褐色。副下唇板はない。
 4節。頭長の1/6。触角比
 1.9〜2.0。
 基節下端近くにring organ。
 基節が太く、第2〜4節は
 細い。
   STは太く短い、S Uは細く、短い針状。
上唇膜は1列に並ぶウロコ状。下咽頭櫛歯は長方形の
3葉。前大顎は細長く、先端で尖り、内側に2本の鋸歯
がある。 (下図参照) 
1・触角
2:下唇板
3:頭部には多数の細い毛が
 ある。眼点は大きく、1対。
4:後頭縁の円形突起
5:上唇部
6;下咽頭のM appendage
7:大顎
8:小顎鬚
9:前擬脚の先端には12列、
  それぞれ長短10数本の鈎爪
10:前擬脚の鈎爪
11:後擬脚の鈎爪
12:尾端部・肛門鰓は2対と
  もに短い円錐形
13:尾剛毛・台の高さは径
  の2.5倍。尾剛毛は6本。

 長い先端歯は側歯5本分は
 ある。

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4-3  Diamesini


  下唇板 触角 上咽頭櫛歯
ST
前大顎 その他の特徴
Diamesa 下唇板の中央歯の大きさは多様、
側歯は8〜11対。
副下唇板は細い
5節、第3節は
第2節より短い
屈強な5葉
STは太い針状
7指の掌状 尾剛毛台はなく、尾剛毛は短い4本
Pagastia 中央歯は広く、先端はギザギザ
側歯は6〜9対。
副下唇板は大きく、側歯全体と重なる
5節、第3節は
第2節より短い
長い3葉
STは太い針状
6〜8指の掌状 か
2〜3歯のヘラ状
尾剛毛は7〜8本
大顎の側歯は4本が鋸歯状のものと
4本が1体となるものとがある
Potthastia (gaedii) 中央歯は非常に広く、淡黄色
側歯は7対
副下唇板は細い
5節、第3節は
第2節より短い
触角比は1.0以上
屈強な3葉
STは笹の葉状
単純なヘラ型  
Potthastia(longimana) 下唇板歯はなく、全体が低い山型 5節、第3節は
第2節と等長
触角比は0.5〜!.0
ない?
細い針状
10数本の鋸歯状 大顎は鋭い先端 歯と、尖った3本の
小さい側歯
ドーム型の肛門鰓の先端付近に粟粒
状の突起、鰓の先ははわずかにる尖る
Pseudodiamesa 中央歯は3歯、中の歯は両側より幾分小さい。
側歯は5〜6対、外から2番目の歯が大きく
突出する
副下唇板は側歯と重なる
5節、第3〜5節は
短い
屈強な5葉
STは笹の葉状
8〜10指の掌状 肛門鰓は1対は肛門の左右に、
1対は上下に位置する
Syndiamesa 中央歯は第1側歯より広い。側歯は10対
副下唇板は細い
5節、第3節は
第2節とほぼ等長
屈強な5葉
STは広く、長い
6〜7指の掌状 尾剛毛は6本
頭部の腹面は黒褐色
Sasayusurika
中央歯は第1側歯4本分の広さ
側歯は6対
副下唇板は大きい
第3節は第2節より
長くらせん紋は明瞭

触角比は1.0前後
屈強な5葉
STは太い針状
単純なヘラ型 肛門鰓は肛門を挟んで左右に2対と、
下に1本
Diamesinae Genus DA
(Sympotthastia?)

中央歯は下唇板全体の1/3を占める。側歯は11対,等大。 第2節歯第3〜5節と等長 ハート型の1葉
STは太い針状
単純なヘラ型 後擬脚の鈎爪は濃褐色の
細く、鋭い15本

Diamesa

平瀬、早瀬の石、岩面に生息。種類は多く(20数種)、国内各地の河川に生息する。種類が多いので形態的な差異の範囲は広い。

    Diamea 幼虫の全形
体長は5〜9mm.。体節は黄褐色の濃淡まだら模様。頭部は黒褐色のものが多く、後頭縁は多くは非常に太い。
尾剛毛台はごく低く(無く)、尾剛毛は短い4本
下唇板は中央歯と8〜11対の側歯。中央歯はやや広いものからかなり広いものまで多様。
    
大顎は全体が黒褐色。側歯は4本。 STは太く長い針状、SUは細く短い針状。上咽頭櫛歯は屈強な5葉。前大顎は7指の掌状。背面の突起は単純なものから櫛の歯状のものまでさまざま。
   
    触角は5節。第3節にはラセン状紋。触角比
は0.8〜1.8。第3〜5節は短い。
   

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Pagastia

体長6〜10mmの大型。黄褐色〜緑褐色。平瀬の石礫底に生息し、種が多く(20数種)、国内に広く分布する。種類が多いので形態的な差異の範囲は広い。

 下唇板の中央歯は広く、先はギザギザ。
 側歯は6〜9対、副下唇板は側歯と重な
 っているので確認しがたい。
  触角は5節。触角比、付属枝など
  触角の形態は種によってまちまち。
  第3節のラセン紋は明瞭。
  STはやや幅の広い長い針状、SUは細く
  長い針。上咽頭櫛歯は長い3葉。上唇膜は
  種によって形態は異なるが存在する。
    大顎の形態は、上の写真のように2タイプがみられる。特に側歯の違いが大きい。  前大顎は上の写真のように6〜8指の掌状
 のものと、右上の写真のように2〜3のわず
 かな凹凸のあるへら状の2タイプがある。

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Potthastia

Potthastia には P. gaedii  type P. longimana  typeの2つがある。もっとも大きな相違点は下唇板に見られる他下表のような
相違点がある

下唇板 触角比 大顎 前大顎
P.gaedii
中央歯は広く、淡黄色
7対の側歯は黒褐色
1.5〜2.0 普通の形態 単純なヘラ状
P.longimana 中央歯、側歯はなく、全体が低い
山形に盛り上がった薄い膜状
0.5〜0.7 大きな尖った先端歯と
小さい3側歯
10数本の鋸歯をもつ

Potthastia gaedii type
体長は3〜6mm。
淡褐色のまだら模様。後頭縁は太く黒褐色。種類は多く、国内には広く分布する。平瀬、早瀬の石、岩面の藻類の中に生息する。
 

  眼点は大きな1対。 下唇板の1/3を占める中央歯は淡黄色透明。
側歯は7対。副下唇板は小さく、側歯と重なる。
5節。触角比は1.5〜2.0のものが多いが、
中には1.0以下のものもある。
・STは幅広い笹の葉上、SUは細く、長い針状
・上咽頭櫛歯は屈強な3葉、前大顎は単純なヘラ状。
・肛門鰓は2対ともに紡錘形。
・尾剛毛台は低く、尾剛毛は7本。
 
    先端歯は側歯2本分、側歯は小さい4本。    

Potthastia longimana
type
体長は4〜6mm。体節は淡黄色〜乳白色。頭部は小さく、体長の1/20。眼点は大きな1対。触角比、前大顎の形態から数種が区別される。
国内に広く生息する。
   下唇板
 1:触角〜触角比は0.5〜0.7.。第3節のラセン状紋が明瞭。 
 2:下唇板〜歯は無く、薄い膜状。
 3:ST、SUともに細い針状。 
 4:前大顎〜10数本〜20余本の鋸歯。  
 5:大顎〜鋭い先端 歯と、尖った3本の側歯。 
 6:小顎 
 7:肛門 鰓〜ドーム型の先端は小さく凹み、そのまわりにごく小さい数個の突起がある。 
 8:尾剛毛台は長いドーム型、尾剛毛は上側面にある。7本。
 9:前擬脚の鈎爪。  
 10:後擬脚の鈎爪〜内側に細かい鋸歯がある。
  大顎と触角  

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Pseudodiamesa

10〜12mmの大型の幼虫。国内から3種、カムチャツカから1種を得ているが、いずれも低水温の水域に生息する。

中央歯は3歯、中の歯は両側より幾分小さい。側歯は5〜6対、外から2番目の歯が大きく突出する。中央歯と側歯の部分は別々のプレート。副下唇板は側歯と重なり確認しがたい。 前大顎は8〜10指の掌状。背面にある突起は単純な
1本。
STは幅の広い笹の葉状、SUは細い針状、長さは
種によってまちまち。 
 触角は5節。大顎の1/2,第3〜5節は短く、第3節のラセン状紋は見えにくい。やや大きな先端歯と、等大の4側歯。指状突起は小さい。大顎房毛は基部から10数本、扇形に広がる

・体長は10〜12mmの大形の幼虫。体節は褐色の
 まだら模様。
・頭部は褐色。後頭縁は太く、黒褐色。眼点は小さ
 い1対。
・肛門鰓は円錐形の2対、1対は肛門を挟んで左右
 に位置するが、他の1対は肛門の上下に位置する。
・尾剛毛台の側面に小さいコブ状のふくらみをもつ
 種がある 尾剛毛は7〜8本。

  

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Syndiamesa

体長8〜10mm。体節は淡緑褐色。
山間渓流の岩面の藻類の中に生息。広く分布している。(2種)

下唇板の中央歯は第1側歯より広い。側歯は10対、
順に小さい。下唇板全体が黒褐色。
上咽頭櫛歯は太い屈強な5葉。
前大顎は6〜7裂、背面に1本の突起。
 5節。頭長の1/6..。触角比は
 2.0〜2.3.,下端近くにring organ。
 第3節にはラセン模様が鮮明。

1:触角
2:下唇板
3:上唇部・上唇膜は10余本の櫛の歯状。STは
  広く長い、SUは細い針状。
4:大顎・全体が黒褐色、側歯は4本。指状突起は
  短い刺状
5:頭部は濃褐色。頭部の腹面は広く黒褐色。
6:前擬脚の鈎爪には鋸歯がある
7:肛門鰓は短い円錐形
8:後擬脚の鈎爪は濃褐色
9:尾剛毛台は低い山型、尾剛毛は6本。
 

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Sasayusurika aenigmata  
本種は耳川(宮崎県)椎葉村で採取したもの。早瀬の石礫面に生息。国内ではこの地点でのみ確認。

中央歯は第1側歯4本分の広さ、黄褐色。
側歯は6対、順に小さい、濃褐色。副下唇板は
側歯の両下端にあり、大きい。
 STはやや幅のある針状、SUは細く、長い針状。
上唇膜はない。上咽頭櫛歯は長い5葉。
前大顎はへら型の1葉。
 側歯は4本、全体が赤褐色、
 
 5節、触角比は0.9〜1.0。第3節は長く、第2節
 の1.8倍。10数巻きのラセン状環紋がある。
 付属枝は第3節の先端まで。
・頭部腹面の基部は黒褐色
・肛門鰓は肛門を挟んで左右に2対と、下に1本
・尾剛毛台は低い山形。尾剛毛は8本
 

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Diamesinae Genus DA  (Sympotthastia?)
北海道・朱鞠内川(ウツナイ川)にて採取。早瀬の石礫面に生息

Diamesinae Genus DA (Sympotthastia ?)
触角は5節、触角比は1.6。第3節にはらせん状紋
Lauterborn器官はない
STはやや幅のある針状、SUは細く、短い針状。
上唇膜は薄い膜状。
上咽頭歯はハート型の1葉。前大顎はヘラ状の1葉。
下唇板の中央歯は全体の1/3を占め、先は細かい凹凸。
側歯は11対,等大。

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