(1)実施クラス:総合学科2年生5組
(2)実施科目:地理歴史科・世界史A
(3)授業単元:オーストラリアの歴史と少数民族アボリジニー
(4)授業の概要:下村先生が学生時代以来何度も訪れて個人的に研究を続けておられるオーストラリアの歴史と少数民族アボリジニーについて、豊富な写真や音楽などの視聴覚教材、実物教材を駆使した1時間の授業。特に後半では、生徒たちのあまり知らない少数民族アボリジニに焦点を当てて、さまざまな角度からオーストラリアについて解説した。
まず「国旗」を使用した導入。昨年度の大藪先生の「国旗の授業」を思い出しました。
続いて取り出した北と南の逆転した世界地図。この手の地図はあくまでも観光用で、オーストラリアでも公用の地図はわれわれの使っているものと同じで、北が上、南が下のものを使用しているそうです。
資料提示装置で、写真を液晶プロジェクターから前のスクリーンに映写しての説明。
右の写真は、シドニー五輪のマスコット。
写真を引き伸ばしたり、ポスター等を利用した自作の教材。
コアラの赤ちゃんは離乳食として親の「うんち」を食べて育つ、とか、夕暮れのエアーズロックは大地も赤、岩も赤、空も夕焼けの赤で、360度真っ赤赤の幻想的な風景、といったエピソードや旅行談で生徒の興味をひきつけていく。
年に数回しか雨の降らないエアーズロック周辺の荒涼とした大地にも尊い生命が。セミよりもカゲロウよりもはかない命。
話は後半の「アボリジニー」に突入。
アボリジニー、第4の人種、オーストラロイド。
左の諸民族の写真では、下段の右から二つ目がアボリジニ。
アボリジニーの道具としてあまりにも有名な「ブーメラン」。ブーメランは、狩猟の道具というよりも、むしろ子供の玩具だそう。
投げ方の説明。最初は難しいが、少し練習するとちゃんと手元に戻ってくるようになるらしい。
左の写真は、アボリジニーの民族楽器「ディジュリド」。ユーカリの木でできている。中は空洞になっているがこれはくりぬいたものでなくシロアリ(?)がくりぬいて、自然に空洞になったものを楽器として利用しているそうだ。吹き方はトランペットと同様に唇の振動によって音を鳴らす。
下村先生の実演。授業後に私も吹かせてもらったが、うまく吹けなかった。
下村先生の次々と取り出す「ホンモノ」の「モノ教材」が生徒の興味をひきつける。
アテネの世界陸上選手権女子400メートルの優勝者キャシー・フリーマン選手がオーストラリアの国旗とともに掲げてウイニングランをした事で知られる「アボリジニーの民族旗」。シドニー五輪では、正式な使用が認められるようだ。黒は「アボリジニーの肌の色」、赤は「オーストラリアの大地の色」、黄色の円は「太陽」を示す。
その後、授業は、アボリジニーの弾圧の歴史や公民権獲得の運動などに展開し、まとめとして、現在のアボリジニーの生活は、二極化がすすんでいること、すなわち、特別居住区で伝統的な生活を守って暮らすものと都市に出て現代的な生活を送るものに分かれてきている、ということを説明して、1時間の授業が終了した。
【授業中の生徒の様子】