ロクロ谷から鎌尾根       00.7.30

 天気予報が外れて空はどんより、山は全く見えない。まあ、照らなくて暑さがないからいいかと出掛ける。コンビニで食料を仕入れていたら雨が降ってきた。まあ沢登りだからよかろう。

 スカイラインの裏道の取り付きは満車である。雨具を着けて出発する人がいる。皆さん元気やねえ。ますますガスが出てスモールランプを点灯。滋賀県側も同じ天気。ガレ止め工事が何箇所かあって待たされる。

 稲が谷の登山口の少し下に駐車して準備する。渓流シューズにネオプレンソックス、ズボンはボロジャージ、上はダクロンQDMAXの長袖、落石の多い谷なのでヘルメット着用。小雨やまず。

 取り付きは河原キャンパーがクーラーボックスを持ち込んで水遊びをするところである。堰堤があるのでしばらく右岸の道を歩く。

 堰堤の上から川に入り水の中を歩く。流芯にはヒルはいない。この谷はいないと思うが稲が谷の下部ではさんざんに食われたので油断はできない。ニゴリ谷分岐まで30分、平凡な河原である。分岐に東芝山岳会の標識がある。右がロクロ谷。しばらく平凡。やがて2mくらいの段になった滝が数個。そのあと8mほどのきれいな三筋の滝が現れた(写真左)。左の滝を直登。

 谷自体はガレた花崗岩や流木が散乱し、あまり美しくない。天気も悪く昼尚暗い。当然人などいる訳がない。雨は降ったり止んだり。どうせびしょ濡れで水しぶき等怖くない。しばらく行くと垂直の15m滝に突き当たり直登不可。左の支流に入ってあとで戻るしかない。ガレの急登であるきにくい。腐った100円ライターが落ちていたのでこれでいいのだろう。

 本流に戻ると今度は滑り台状の上が見えないくらいの長い滝が現れた。ツルツルに磨かれて登れたものではない。巻けるような所もなく、長考の末右の崖に取り付き、そこからシャクナゲの枝を掴んでよじ登る。垂直とも思えるほどの勾配であるが、木があるだけましである。そして薮をトラバースして滝上に出た。

 難所はここまでで、ツメは急ではあるがやぶこぎ無しで鎌尾根に飛び出した。衝立岩のすぐ南である。「鈴鹿の山と谷」にはゴーロばかりで出合から30分で鎌尾根に着くと書いてあるが、本流を忠実に詰めると1時間30分はかかるし、立派な滝もある。私が特別遅いのか?

 鎌尾根を岳峠に向かうと菰野菊らしいものがあったので写真を撮る。

雨は止まず岩峰が煙っている。途中で派手な色のカッパを着た男性二人組に会った。この天気に鎌尾根を歩くとは物好きな人もいたものだ。笹が深くて足元が見えなかった。鎌山頂には男性が二人いた。三ツ口谷の降り口を聞かれた。名古屋からだそうだ。

帰りは山頂から北西に派生する尾根(西鎌尾根)に入った。ここには細々ながら道がある(写真左)。そのうち道が怪しくなり右の谷へ降りる。松山谷に入るつもりが早く降りすぎて水量谷に入ってしまった。どっちでもいいのだが少し遠回りになる。下るには滝がなくてちょうど良いと思ったら下流で7m滝に会った。(写真右)けっこう高度感があるが岩角がしっかりしているので難なく降りる。左の斜面から大きなネコのようなものが降りてきて驚いた。狸だった。雨が激しかったので写真は撮れず。

河原あるきにうんざりしてきたので、頭上に橋が出会ったところからスカイラインに這い上がった。雨の中雨具もつけず車道をトボトボ歩いているのを対向車はなんと思っただろう。稲ヶ谷出合まで長かった。

 車に着くと河原で泳いでいた人達が上がってきたところだった。若い女の子が道路で平気で水着から着替えていてドッキリ。何考えてんだか。(写真はありませんよ)


MEMO

 鎌ヶ岳西面の谷は皆崩壊が激しく、瓦礫で埋まっていてあまり美しくない。しかし個性的な滝はある。大げさなようだが、一応ヘルメット着用が望ましい。晴れればニゴリ谷などで北面と違った迫力ある鎌ヶ岳の姿が見られる。