御池岳雪中泊     01.02.11-12

同行者 山本 安藤 垣内 河内 中川 山野内

 貴重な一泊となればアルプスに使いたいが、鈴鹿なら泊まって朝帰るという手も有りで、しかも雪中野営なら面白そうなので会山行に参加した。

 この前から306のゲートは閉まってはいるが、鍵が無くなった。ありがたく通過させてもらう。スタッドレスを履いてない車も有るので、人間と物資の搬送、共同装備の振り分けなどごたついて10時に駐車場発。駐車場は上も下も満車で、冬の御池岳の人気がうかがえる。女性陣もがんばってます

 コグルミ谷は踏み固まって、全く潜らず只同然。夏より歩きやすい。12月の死に物狂いのラッセルはなんだったのか?私のように新雪期から行くのは、お馬鹿なんですね。荷物は個人装備と共同装備で重いが、何ら疲労することなく長名水へ着く。雪に埋まっていたので掘り出して、3リッター補給。背中は更にずっしり。雪中泊ともなると他のメンバーも山のような装備。

 水は雪を溶かせば現場で得られるが、燃料と時間の節約には水がよろしい。飲んでみたが暖かい。50代の会長と40代の私がすいすい登っていくのに、20代の連中が遅い。彼らはしこたまビールや焼酎を背負っているから無理も無い。そこまでして酒を飲みたいのかね(私はやらない)。

 冬道である谷の直登も全く苦にならない。今日は快調だ。時折立ち止まって後続を待つ。酒飲みさん頑張れ! 最近暖かいせいか、丸山手前まで樹氷は無かったが、上部はさすがに見事だ。トレースはどんどん左へそれている。丸山へ直行するトレースは無かった。冬は最初に歩いた人のものが道になってしまう。稜線を右に折れて山頂へ着き記念撮影。標柱埋まってます

 会長がテント場にいい所があるというので、丸山から北西に斜面を下る。埋もれているのでよく分からないが、だいたい山西池のあたりである。ここまで約3時間かかっている。誰もいなくて気持ちがいい。青空がのぞきだして樹氷とのコントラストが映える。撮影後、皆でスクラムを組んで場均し。しかし踏みまくっても雪質のせいでなかなか固まらない。いい加減な所でテント設営。公称8人用の大型だ。

 荷物の整理、トイレ設営、雪の袋詰、食事の準備と散歩している暇もない。さて準備も終わり、昼、夜兼用の鍋宴会に突入する。骨付きかしわ、白菜、コウイカのゲソ、葛きり、エビ、鱈、何でも入れてしまえの大鍋で、外は雪模様になってきたがテントの中はホカホカ。内張りのあるテントは暖かい。この前御在所岳で骨折したO女史に携帯をかけて、御池岳生中継を伝える。「すごい樹氷だよ、鍋おいしいよ」交代で電話に出て自慢する。今雪山シーズン復帰は無理なO女史は悔しがることしきり。みんな性格悪いなあ。

 夜の一枚しかしどう贔屓目に見てもこの中で7人が寝られるとは思えない。今夜の凄絶な展開が予想される。徐々にあたりは暗くなり、ランタンと蝋燭に点火。気分が出てくる。雪の粒がちりちりとフライシートを叩いている。酒飲みはすっかり出来上がっている。一時休息の後、ご飯をぶち込んで雑炊でフィニッシュ。

 寝る前に樹氷鑑賞会を催す。カッパを着て吹雪の外に飛び出して、全員のヘッドランプを樹氷の木の下に集めてライトアップする。うひゃー、きれい。でも寒い。きれい寒い、きれい寒いで早々とテントに逃げ込む。

  ザックは外のツェルトに収納したが、あとのこまごました道具を周囲に押しやり、シュラフを出してもぐり込む。やはり6人で満杯。最後の一人が強引に割って入る。ドヒャー、この時点で今宵の安眠は諦める。しかし人の温みで暖かい。むしろ暑い。寝返りもままならず、一度横向きになると再び仰向けになることができない程でこれは悲惨だ。奥の人がトイレに立つと、全員足で踏みつけられる。

 私は午前2時ごろまで、バタバタ、チリチリと吹雪がテントを叩く音を聞いていた。窮屈で背中が痛い。こんな状態で轟然とイビキをかいているやつがいる。いい根性してるなあ。うるさい奴ほど早く寝ると言う法則は今宵も健在だ。N君、キミのことだよ。木も寒そう

 どうやら私も明け方には熟睡していたようだ。7時前に目覚めてテントの吹流しを開けると、外気が霧になって入ってくる。冷蔵庫の扉を開けたみたいだ。外に出ると乳白色の幻想的な風景が展開されている。木々は樹氷を纏ってまだ眠っていた。輝く朝日は出なかったが、こういうのもいい。それにしても体の節々が痛い。写真を撮っていると指先がしびれて痛くなってくる。マイナス8度位だ。細かい雪だったのでさほど積もっていなかった。

 朝食の湯気がテントに立ち込めてまた暖かくなる。さて私は仕事のため、一人先に下山の準備をする。今日皆は池の平方面の散策予定である。悔しいなあ。でも仕方ない。

 朝の重い体を引きずって写真を撮りながらヨタヨタと丸山へ登る。体が温まり、後は一気に下山。トレースが無いのでコンパスでめぼしをつけて一直線に真の谷へ。この辺りたくさん積もっている。やはり場所によって量が違う。

 コグルミ谷源頭は尻セードで一気降り。しかし、あとは昨夜の積雪ですべりが悪くて無理だった。山頂から登山口まで45分で下山。冬の下りは楽ちんだ。途中朝一のパーティーと出会った。