読者投稿    山帰来(ボケ老人&Barbie)様 


本歌   かささぎの 渡せる橋に おく霜の  白きを見れば 夜ぞ更けにける   (中納言家持)

     しらいしの 渡せる橋に おく足の  震えを見れば 余ぞ老けにける  (ボケ老人)

バービー語訳

げ、最新の2.5万図にも無い橋が!白石工業が架けたこの橋を、つい先日、たぬちゃんが元気に渡ったのね。ほら、見て!見て!ボケ爺の足が
あんなにブルブル震えてるわ。やっぱ歳だわね〜。

管理人解説

のっけからハイレベルの作品。特に「余ぞ老けにける」は見事。同じ読みで全く違う意味に転換する見事さ!これぞ管理人の求めるレベルである。橋−足−震え−老け と流れもよく、廃屋徘徊の実体験が生きている。ボケ老人恐るべし。ほんとにボケてまんのか?

ところで狸さんとボケ老人は白石の工場跡でつながっているようだ。何ゆえあんな所を好むか分からないが、変人は変人を知るということだろう。

 


本歌   小倉山 峰のもみぢ葉 心あらば  今ひとたびの みゆきまたなむ   (貞信公)

      烏帽子岳 尾根の電柱 心あらば  いま山旅の 狸またなむ (Barbie)

バービー語訳

烏帽子岳の尾根のどっかにまだ立ってる筈の白石工業電柱さん、
心あるなら今エレキロードの山旅に向かう秋狸さんを優しく迎えてちょうだいませね〜♪

管理人解説

数年前、同じ本歌で管理人はこう詠んだ

      御池山  峰の紅葉に 衣あらば 今ひとたびの 深雪ありなん     葉里麻呂

  御池のオオイタヤメイゲツよ。もしお前に暖かい衣(ころも)があるならば、寒いと言わずもう一度雪を降らせておくれ。

 原作のみゆきとは行幸、つまり天皇のお出ましである。これを深雪に置き換えて雪山を惜しんだワシの歌は、何という格調の高さ・・・高すぎてメマイがしてきたぞよ。そしてモミジの木を人に見立てた歌である。同じくBarbieの歌は電柱を人に見立てている。これを擬人法というが、もともと本人自体が擬人であるからややこしい。
 それはともかく 峰→尾根、ひとたび→山旅などよく考えられている。「尾根の電柱」 「狸またなむ」 に何とも言えぬおかしみもあって、パロディーとして一級の歌であると言えよう。しかし電柱に心なんかありまんのか?
 狸氏は実際電線伝いにエレキテルロードに行かれたようである。このような奇行を電線病と言ふ。

そして同じ本歌で故御池杣人さんはこう詠んだ

      御池岳 尾根の小径は そぞろゆかば いかにも秋の ミルキー あんぱん    御池杣人

この下の句の意味不明さはどうだ。ワシは大いに恐れ入って、秋の同人吟行を 「ミルキーあんぱん」 と名付けたのであった。
つくづく惜しい人をなくしたものだ。


本歌    陸奥の しのぶもぢずり 誰故に  乱れそめにし 我ならなくに (河原左大臣)

       道の駅 忍び駆けいる トイレット  ちびり初めにし われ墓無くに (ボケ老人)

バービー語訳

あ〜!様子がおかしいと思ってたらボケ爺、運転中にとうとう・・・。
いいのよ、そんなに落ち込まなくても。歳とると誰でもゆる〜くなるんだから。Xマスに紙おむつ上げるから元気出して〜♪
でも、ぼちぼちお墓は手配しといたほうがいいかも。
(やだ!小便爺ぃなんか絶対やだ!来年は次のホームスティ先探そ♪)

管理人解説

墓ない歌だのう。そのなかでは「ちびり初めにし」がインパクト強し。ちびりでもなんでも「初もの」はめでたい。立派な老人の仲間入りだ。

よく似た題材で管理人が詠んだ歌がある。ご参考まで

本歌  かくとだに えやはいぶきの さしも草 さしもしらじな もゆる思ひを  (藤原実方朝臣)

    格闘だに もはや吹雪の 釈迦ヶ岳 さても知らじな 漏るる思ひを

現代語訳  もはや吹雪となり登攀は格闘になってきましたよ。あなたは私がおしっこを我慢してラッセルしているとはよもやご存知無いでしょうね。


本歌    陸奥の しのぶもぢずり 誰故に  乱れそめにし 我ならなくに (河原左大臣)

      道沿いの 朱色文字刷り マルKで  乱れそめにし 我が髪梳かす (Barbie)

バービー語訳

山麓に点在するコンビニは、お山の行き帰りには欠かせない。山乙女は山からの帰り、トイレやお化粧直しにも使うのよ。
ボケ爺は「なんも買わずにトイレ借りれん」とガマンしたのが運のつき・・・いえ、ウンじゃなくって幸いでしたわ。
わたしは米国生まれの○Kを愛用しています。

管理人解説

ボケ老人の「ちびり初めにし」に対するバービーの返歌とみる。下の句だけ見ると、何やら興奮するようなツヤっぽい歌である。
しのぶもぢずりを文字刷りとしたのはポイント高し。原文が意味不明(和歌のよいところ)なので何でもありである。

しかし雲谷斎うえに小便くさいときてはバービーも逃げ出したくなります罠。
語訳に、ボケ爺は「なんも買わずにトイレ借りれん」とガマン・・・とある。律儀で慎み深きは日本人の美徳。
例えちびったとしても責められないのである。ちびったのおでんは、チビ太のおでんは、サークルK♪

あ、おでん買えばよかったね。