読者投稿    琵琶法師様 


本歌    秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ  わが衣手は 露にぬれつつ  (天智天皇)

      あーきのうだのー カリフォルニアの 芋を洗い  わがもろ手とも かゆくてたまらん

琶呆師語訳

何でこんなに痒いんや? ああ、昨日だったなあ、茶屋川のテン泊で小芋を洗ったからやわ…。輸入芋のせいかも?

管理人解説

これは山と関係ない歌だが、強引に茶屋川のテン泊としている。だがこれを責められない。管理人はかつて同じ本歌で

     あじとたら かぼちゃといもと とまと洗い わが子どもらの 汁(つゆ)は煮えつつ

という歌を作ったからである。あとで山と関係ないなと思い、「神崎川河原にて」という苦しいこじつけをしたのである。
しかしこの食品発想のお馬鹿ぶりはそっくりではないか。ちょっと驚き。

残念ながら第五句が本歌と全く対応していないが、かりほの庵→カリフォルニアは絶賛!
おたんちん度のレベルは相当高いとみた。天智天皇もびっくり。

 


本歌    春過ぎて  夏来にけらし  白妙の  衣ほすてふ  天の香具山   (持統天皇)

      暑過ぎて 冬くるかしら? うろたえて  衣も捨てぬ 天邪鬼やなー

琵琶呆師語訳

今年はいつになったら雪になるんかいな? 
期待してるくせに、古い冬服を捨ててしまうなんて、ほんに天邪鬼だこと…

管理人解説

上の句は温暖化という環境問題をさりげなく提示して優秀。白妙→うろたえの置き換えもセンスがうかがえる。
しかし歌全体として意味を求めると、もう少し推敲の余地があるとみる。

 


本歌    あしひきの  山鳥の尾の  しだり尾の  ながながし夜を  ひとりかも寝む  (柿本人麿)

       悪しき人 山取りノーと  したり顔  仲良くしようと ひとりカマスねん

琵琶呆師語訳

悪い人やわ! 「独り占めしたらあかんよ、みんなで分けようねー」なんて言っときながら…ズルイ!

管理人解説

語訳を見てもいまいちよう分からん歌?であるが、あしひきの→悪しき人は卓抜。せっかく山取りと続いたなら
現在問題になっている貴重な山野草の盗掘を風刺できなかったかと思うと惜しい。

今後の希望として、山行中の実体験を詠んでいただくと、戯れ歌ながらも鈴鹿百人一首の意義も出てくると思う。

 


 

            雪の千種街道は向山鉱山跡にて詠める

本歌    奥山に 紅葉ふみわけ 鳴く鹿の  声きく時ぞ秋はかなしき    (猿丸大夫)

       向山に雪を踏みつけ敷くテント  冷え効くときぞ夜は悲しき

現代語訳

何とかたどり着いた鉱山跡だ。ここでテントを張って往年の鉱夫のみなさんと飲み明かしたいなあ…なんて思ってたけれど、冷えるよなー!(泣) 寒さが身にしみて、山鳥の、しだり尾の長い夜が悲しいことよ…

管理人解説

実体験に基づく歌にはやはり説得力がある。雪を踏みつけがよい。雪山テント泊にこの儀式は欠かせない。
下の句はまるちゃんに出てくる丸尾くんの言葉を借りれば 「ズバリそうでしょう!」 である。
雪の上に寝たものにしか詠めない歌である。家に帰れば暖かい住居と寝具があるのに、
何ゆえ厳冬期に路上生活者のマネをするのか。登山者は不可解なり。