東 雲
冬木立 ぽっかり洞穴 木和田庵
注釈:別荘を建てるにも先立つものがない庶民には丁度良い物件だ。
冬枯れの 木和田に響く 猟の音
注釈:冬枯れの木和田尾をしみじみわいわい登っていると一発の銃声で心臓が縮まる思いだ。
オモト紅く 丸尾ダイラを 散策す
注釈:地形図で想像するよりは変化のある丸尾のダイラには沢山の炭焼き釜跡があり杣人の生活思い浮かばされる。杣人も冬枯れを彩るオモトを眺めていたんだろうか。
散り残る タカノツメの下 試食会
注釈:すっかり落葉したと思っていたらまだ丸尾の下部にはタカノツメがしっかりと黄葉していた。その下では天麩羅にすると美味しいと香りを嗅いだり、生で食べたり。やっぱり元気の元は風情より食欲かな。
当日の出来事を俳句で簡潔にまとめていただきました。特に第二句はありありと情景が浮かびます。ダァ〜ンと尾を引いてこだまする銃声。首がすくみますね。英国では狐狩りが禁止されたようですが、日本も何とかならんでしょうか。
そういえば俳句には季語が必要らしいですが、この場合どれがそれにあたるか考えるのも面白い。そういう硬いコーナーではありませんが、考えてみましょう。一度この穴で一泊してみたいものです。
葉里麻呂
・東雲氏は五七五の制限をつけ今回4句を出品された。
・「木和田庵」−いいネーミングだ。これから僕はあの穴を「木和田庵」と呼ぼうっと。
今回密かに心配していたのは、ハンターたちが入っていて、事故にあわないかということであった。まあ、ようけの人がガヤガヤ歩けば大丈夫だろうと、葉里麻呂氏とうちあわせはした。しかし、下山時の冷川谷出合いはむごかった。
・第3句−あのテンポよく気持ちいい山行きのリズムが内容とともに伝わって来る。サクサクと落ち葉を踏みしめる感触も。オモトの紅をめぐってアーダコーダと談笑しているさまも。
・自注釈が僕みたいにくどくなく、簡潔で句と調和している。東雲氏の新たな境地かもしれぬ。
御池杣人