岩 魚 土
蛭や薮彼にとってはノープロブレム 激戦語る膝のツギあと
晩秋の霰に打たれてミスミソウ 春の御池で君に逢いたし
焼餅に特製ラーメンリンゴ菓子 里より山は豊かなりけり
第一首は言うまでもなく破地輪駆氏のことである。今回は丸に「カ」の字が入った新しい継ぎ当てが加わっていた。やがて元の生地と面積において逆転するだろう。すべて置き換わったらどういうことになるのだろう。ところでヒルもヤブも怖れない破地氏も、奥さんにだけは頭が上がらないようだ。
そういえばミスミソウの葉があった。これから3ヵ月間冷たく重い雪の下敷きになりながらも、春には美しい花を咲かせるのだ。自然の生命力の素晴らしさよ。
アラレを「病」、ミスミソウを「御池杣人氏」に見立てた意味が隠されているとしたら、作者岩魚土氏もなかなかのものである。しかし可憐なミスミソウとあのおじちゃんが結びつかないので、思い過ごしかもしれない。
第三首は同感。山で名産や手の込んだ料理を頂くのは、こういう機会しかない。
葉里麻呂
1、ひざやぶる カミさんも聞かず 立つた山 カラフルな衣に やぶくぐる某は
ノープロブレムなのじゃ。某のあのひざのつぎあと。今年も健在か。鈴鹿の山を信じられぬ早朝(夜中)から、ドドドドーと徘徊しまくっているさまをユーモラスに物語る。しかもあのツギツギをカミさんが愛をこめて(多分?)しているところなどたまらん。世の中にはこんな夫婦合作もあるかと、いとをかし。
2、見よ、この岩魚土の歌を。霰に打たれているミスミソウへの思い。春の御池で出会うであろうミスミソウにも冬にはこんな厳しい物語があるのだと。そこから宇治金時を思い浮かべるか、春の穏やかな陽に揺れるミスミソウを思い浮かべるか。
3、余もミルキーあんぱん吟行のひそかな楽しみは、あんぱん以外の豪華な昼食のご相伴にあずかること。焼餅、特製ラーメン、リンゴ菓子、うらやましい。里でも食べようとすれば食べられるけれど、@御池岳で、A人様のを、この2点が重要。来春には食べてみたいよ。
御池杣人