巴 菜 女

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     病気だと 知らされ集まる 御池庵  奥の平に 友情の輪

 

     右岸尾根 喘いで登り 走り餅  友への想い 共に分け合う

   

     右岸尾根 落ち葉に転がる オニグルミ 友と味わう ほろ苦さかな

 

     紅葉の 尾根に広がる レインウエア  色あざやかな ミルキーあんぱん  

 

     来春は きっと元気な 顔見せて 思い思いに 杣人の石


 短時間に五首を詠んでいただいた作者には歌人の才能ありと見る。57577のリズムも良い。友という字が多いのはいつも仲間と賑やかに登る作者らしい。
 レインウエアは人工的な色なのだが、不思議と山の中で映える。特にミルキーあんぱんでは相性がいいようだ。「尾根に広がる」は団体ではあっても、それぞれの興味において微妙に違う場所を歩いている様子が出ている。そしてレインウエアの色にも個性があり、それゆえに美しい。
 第五首は泣かせる。まごころがこもった歌だ。こうした歌が詠まれるのも杣人氏の人徳だろう。

葉里麻呂


芦生の山行きを、点から線だけでなく、いよいよ面へと本格的に。その尋常ならざるのめり込みぶりの見事さ。ちゃらちゃらとした手抜き・半端の山行きではない。本気ではじけて山に遊んでもらっている。その姿がうらやましくてまぶしくてならぬ。

その巴菜女の歌。

晩秋のミルキーあんぱん吟行はなぜかレインウエアーに身をかためることが多い。黄葉紅葉の中、そのカラフルなご一行の歩き戯れる姿はさながら一幅の絵となる。同人みなの表情がおだやかで豊かだからだろうか。

来春、残雪の中、フクジュソウの咲く頃には、みなと歩きたい。養生してせめて木和田尾根を歩けるよう力をつけておくよ。

かく歌ってもらえてありがたし。

御池杣人