読者投稿       とっちゃん 

                      挿絵 管理人の次女 


落日に すすきの染まる 温かき  その色抱いて 秋を見送る



かやの原 分け入り 風に振り向けば 穂にふる秋の陽 胸に染みいる



獣道 笹の葉さわさわ 踏み行けば   しだいしだいに うきたつ心



ほろほろと つたう涙の 鍋の味   幾重かさねし 山なみ遙か



落ち葉踏み なごりの秋の 尾根いけば   飛び立つアトリ 数へもきれず



谷渡る 群れ飛ぶ翼 波となり   よせてはかえす はだか木の海



のんのんと 流るる時よ 奥の畑   天の黄衣 青空の蒼



キャンバスに はじける黄色 抱く青   木漏れ日踊る 秋の楽曲 


 

都津茶女の歌に寄せる                        御池杣人

 

のんのんと 流るる時よ 奥の畑 天の黄衣 青空の蒼

 

キャンパスに はじける黄色 抱く青 木漏れ日踊る 秋の楽曲

 

 澄みきった秋空の下の奥の畑の風情。風通りゆき、心の奥まで浄化されるかのよう。僕は御池岳奥の平を思い浮かべる。まさにこの瞬間だ。オオイタヤメイゲツの黄、澄んだ透明の蒼。そこに抱かれているかけがえのない「とき」はのんのんと流れていく。この「のんのん」がいい。