雨水貯蓄システム
密集市街地での内水・都市河川の氾濫対策は、用地確
保の問題、堤防の嵩上げ、道路橋や鉄橋の架け替え等、
莫大な事業費と長い歳月が必要になる。従って、対策は遅
れがちになり社会問題に発展する。そのために都市におけ
る治水対策として、流域内で雨水流出を抑制して河川の負
担を軽減する方法と、氾濫をうまく管理して洪水被害を少な
くする方法がある。
流出抑制策の雨水貯留施設は、雨が川へ流出する前に
流域内に一時的に貯留して流出するタイミングを遅らせ、川
への雨水の集中を緩和させる。ビルの屋上などに貯留する
屋上貯留、家庭に貯留する各戸貯留(雨水タンク)、地下に
貯留する地下貯留、校庭・公園・駐車場に貯留する方法が
ある。しかし、特に有効なのは流域内に適当な場所に窪地を
確保しておき、豪雨時の排水河川が危険水位を超えた時に、
雨水を流し込み下流側の洪水を防止軽減する多目的遊水
池である。この遊水池は雨が降らない時には、公園、運動
場などに活用できる。
一方、浸透施設は、浸透性舗装、側溝、枡、トレンチなどを
用いて雨水を地中に浸透させ流出を減少させるものである。
都市化によって劣化した浸透能を回復して、地下水流出を
再生するとともに都市化によって断ち切られた自然の水循
環を部分的に復元する効果もある。
*日時 平成14年9月14日(土) 13:30〜16:30
*場所 京エコロジーセンター
*講師 京都大学防災研究所教授 岡 太郎氏
(雨水利用を進める市民の会ホームページ)
http://www.rain-water.org/index_j.html
雨水利用システムの例
岸和田市の「ため池」の分布状況
*日時 平成14年6月29日(土) 13:30〜16:00
*場所 京エコロジーセンター
*講師 雨水利用を進める市民の会副会長
徳永 暢男
関西雨水利用を進める市民の会
田中 良二
私達は毎日の生活の中で、多くの水を消費している。
それらの水の殆どが「市営水道」であり、その90%以上
がはるかに遠い「琵琶湖」の水に依存している。
岸和田を含む泉州地域には、かつて多くの「ため池」
が存在した。この地域は年間の降雨量が少なく、多くの
人々の創意と工夫、組織的な努力で維持してきた。
しかし、岸和田の「ため池」は昭和30年代1700個所あ
ったが、平成の現在では地域の発展の影響もあり、600
個所まで激減している。
しかしながら、私達はこのため池の歴史的な教訓と遺
産を忘れてはならない。自己水源が乏しい中で、年々増
加する都市用水や生活用水確保のため、自然の恵みで
ある「雨水」は貴重な水源であり、これをいかに有効に活
用するかは今後の都市の重要な課題である。
学校、公民館、コミュニティセンターなどの公共施設は、
非常時にはその地域の避難所として重要な位置付けが
ある。これらの避難所に自然の恵みである雨水を貯蓄し
平常時はその施設のトイレ洗浄水や植栽の散水に、非
常時は防火用水に、また水処理を施すことにより初期飲
料水として利用可能となる雨水利用システムの導入は、
まさに、先人達の創意工夫で産まれた「ため池」の知恵を
受け継ぐものであると言えよう。
こちらは、大阪弁でみんなが納得するまでゆっくりと話
されていました。
「水は極めて大切な資源なのに、雨水を下水に流して
捨ててしまうのはもったいない。みんなが雨水を貯めて
使えば、どれだけ貴重な水を有効に使うことができるの
か。」と言う動機から、雨水と格闘することになった。
そして、しだいに雨水を利用することは、水資源の有効
利用だけでなく、防災や都市型洪水の防止にも役立つこ
とが分かってきた。特に、大震災の発生を考えると、電気
がきれ、水道が破壊されたとき、街角にに水源があること
は防災上大きな強みになります。
また、雨水と付き合う中で、だれでも手軽に雨水利用が
出来る装置がないかと考えたのが、「天水尊」です。これは、
ドラム缶タイプの雨水タンクで雨樋と繋げることで、手軽に
だれでも雨水利用ができます。
生粋の江戸っ子弁で、テンポよく話されたのが印象的
でした。
*セミナーの後、エコロジーセンターの見学会が
実施された
*嘉田由紀子先生 講演会
水循環システム
江戸時代 使い回し文化
現代 使い捨て文化
*日時 平成14年6月1日(土) 13:30〜16:30
*場所 京エコロジーセンター
*講師 京都精華大学教授 嘉田由紀子氏
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