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 *雨水利用連続セミナー@「くらしと雨水利用」 2002年6月1日(土)
 *雨水利用連続セミナーA「活動事例」 2002年6月29日(土)
 *雨水利用連続セミナーC「都市での雨水利用」 2002年9月14日(土)

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雨水貯蓄システム

 密集市街地での内水・都市河川の氾濫対策は、用地確
保の問題、堤防の嵩上げ、道路橋や鉄橋の架け替え等、
莫大な事業費と長い歳月が必要になる。従って、対策は遅
れがちになり社会問題に発展する。そのために都市におけ
る治水対策として、流域内で雨水流出を抑制して河川の負
担を軽減する方法と、氾濫をうまく管理して洪水被害を少な
くする方法がある。
 流出抑制策の雨水貯留施設は、雨が川へ流出する前に
流域内に一時的に貯留して流出するタイミングを遅らせ、川
への雨水の集中を緩和させる。ビルの屋上などに貯留する
屋上貯留、家庭に貯留する各戸貯留(雨水タンク)、地下に
貯留する地下貯留、校庭・公園・駐車場に貯留する方法が
ある。しかし、特に有効なのは流域内に適当な場所に窪地を
確保しておき、豪雨時の排水河川が危険水位を超えた時に、
雨水を流し込み下流側の洪水を防止軽減する多目的遊水
池である。この遊水池は雨が降らない時には、公園、運動
場などに活用できる。
 一方、浸透施設は、浸透性舗装、側溝、枡、トレンチなどを
用いて雨水を地中に浸透させ流出を減少させるものである。
都市化によって劣化した浸透能を回復して、地下水流出を
再生するとともに都市化によって断ち切られた自然の水循
環を部分的に復元する効果もある。

<総合治水対策>

 京都大学教授の岡太郎氏が「都市での雨水利用」をテー
マに@水害形態の移り変わり、A都市化と雨水流出の変
化をある地域をモデルにして雨水の浸透性の解析を説明。
 特に、自然丘陵地が都市化されると、雨水のほぼ全量
が表面流となって流出し、浸透量は極めて低くなるために
人口が密集している所では大災害となる危険性が大きい。
 対策としては、治水と利水(水環境)を一体で考えること
が必要と話されていた。

*日時 平成14年9月14日(土)   13:30〜16:30
*場所 京エコロジーセンター
*講師 京都大学防災研究所教授  岡 太郎氏

☆ 都市での雨水利用 ☆

<2002年9月14>

(雨水利用を進める市民の会ホームページ)
  http://www.rain-water.org/index_j.html

雨水利用システムの例

岸和田市の「ため池」の分布状況

田中 良二

徳永 暢男

*日時 平成14年6月29日(土)  13:30〜16:00
*場所 京エコロジーセンター
*講師 雨水利用を進める市民の会副会長
     徳永 暢男
    関西雨水利用を進める市民の会
     田中 良二
     

 私達は毎日の生活の中で、多くの水を消費している。
それらの水の殆どが「市営水道」であり、その90%以上
がはるかに遠い「琵琶湖」の水に依存している。
 岸和田を含む泉州地域には、かつて多くの「ため池
が存在した。この地域は年間の降雨量が少なく、多くの
人々の創意と工夫、組織的な努力で維持してきた。
 しかし、岸和田の「ため池」は昭和30年代1700個所あ
ったが、平成の現在では地域の発展の影響もあり、600
個所まで激減している。
 しかしながら、私達はこのため池の歴史的な教訓と遺
産を忘れてはならない。自己水源が乏しい中で、年々増
加する都市用水や生活用水確保のため、自然の恵みで
ある「雨水」は貴重な水源であり、これをいかに有効に活
用するかは今後の都市の重要な課題である。
 学校、公民館、コミュニティセンターなどの公共施設は、
非常時にはその地域の避難所として重要な位置付けが
ある。これらの避難所に自然の恵みである雨水を貯蓄し
平常時はその施設のトイレ洗浄水や植栽の散水に、非
常時は防火用水に、また水処理を施すことにより初期飲
料水として利用可能となる雨水利用システムの導入は、
まさに、先人達の創意工夫で産まれた「ため池」の知恵を
受け継ぐものであると言えよう。
 こちらは、大阪弁でみんなが納得するまでゆっくりと話
されていました。

 「水は極めて大切な資源なのに、雨水を下水に流して
捨ててしまうのはもったいない。みんなが雨水を貯めて
使えば、どれだけ貴重な水を有効に使うことができるの
か。」と言う動機から、雨水と格闘することになった。
 そして、しだいに雨水を利用することは、水資源の有効
利用だけでなく、防災都市型洪水の防止にも役立つこ
とが分かってきた。特に、大震災の発生を考えると、電気
がきれ、水道が破壊されたとき、街角にに水源があること
は防災上大きな強みになります。
 また、雨水と付き合う中で、だれでも手軽に雨水利用が
出来る装置がないかと考えたのが、「天水尊」です。これは、
ドラム缶タイプの雨水タンクで雨樋と繋げることで、手軽に
だれでも雨水利用ができます。
 生粋の江戸っ子弁で、テンポよく話されたのが印象的
でした。

<大阪・岸和田市の事例>

<東京・墨田区の事例>

☆ 活動事例 ☆

<2002年6月29日>

*セミナーの後、エコロジーセンターの見学会が
 実施された

 私達は雨水を貯蓄することにより町のミニダ
ムを造り都市型洪水を防止し、併せてライフラ
インではなく、分散型のライフポイントとして、
平時は水資源の有効利用と、水道水利用に
伴うエネルギーの節約による地球温暖化防止
に役立て、また災害時には、非常用のストック
として利用する事が必要。
 昔、江戸時代から
井戸水・わき水を利用して
いた時は、家庭、地域社会が水供給単位と
なり水、排水の自己管理(溝掃除の義務化)が
徹底されていた。また、住民の自己管理が用
水の清浄さと合理的循環を促している。
 現代の高度経済成長期から、日本全体で
河川、水道の行政管理、中央集権化により各
種の水資源開発(ダム開発)が進みより遠い水
に依存、近い水の井戸、わき水、河川、ため池
などの伝統的水利用を無視してきた。
 雨水は邪魔もの、できるだけ早く流し去ると
いう治水工事が優先され、水汚染に繋がった。

☆くらしと雨水利用  遠い水、近い水☆

*嘉田由紀子先生 講演会
  水循環システム
    江戸時代  使い回し文化
    現代     使い捨て文化

*日時  平成14年6月1日(土) 13:30〜16:30
*場所  京エコロジーセンター
*講師  京都精華大学教授  嘉田由紀子氏

<遠い水・近い水>

 宇宙から地球をみると、液体としての青い海・
湖・川、気体状の白い雲、固体状の極地の県
が見える。海や川や雲を見ていると水が地球を
循環していることが想像できます。地球は水を
貯えることの出来た奇跡的な惑星で「水の惑星」
と言われています。
 しかし、人間は温暖化を始めとして水循環を
狂わし、汚染しています。世界では信じられない
ぐらい水問題は深刻です。
 琵琶湖の水に依存している私達は、便利な水
生活の代償に琵琶湖に環境負荷をかけ、エネル
ギーも消費しています。また、使った水を下流の
人々や生物が利用します。下流のことも考えた
ライフスタイルが必要です。そのような中で、雨水
をキーワードにセミナーが開催されました。

<2002年6月1日>

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