万古焼の中で


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45年程前 四日市に初めて陶磁器デザイナーとして赴任し 初めて地場産業の万古焼にふれました。

当時万古焼というものはPR不足で 全国的にはその作品の数々は知られていませんでした。

この地に来て初めて280年余りの歴史ある万古焼を目の当たりにした私は 日本にこのような焼き物の世界があったことに強烈な衝撃を受けたことを今でも覚えています。

金沢美大で陶芸を専攻していた頃から 多くの伝統陶芸を見てきましたが この万古の古い作品には六古窯やその他の産地にはないある種異様な興味が湧きました。

なんとまあ 素直で気取りのない おおらかな形や絵付け、ユーモアに溢れた作品など 作り手の心のゆとりがはっきり伝わってくるものでした。

豪商が豊かな資金をもとに 思う存分の世界観を焼き物を通して楽しむことを実現してきました。これは他産地の作陶の意図とはかけ離れたものだったと思います.

情報通の彼らは時代の先取りと世界へのあこがれや夢を表現した沢山の作品を残しています。見たこともないトラを伝え聞いた猫の様と表現し あの大きな像が手のひらに乗る急須に描かれていることは何と面白い仕事でしょうか。


私の美大卒業作品のテーマ「豊かな精神生活のために」とまさに一致するスタイルがこの地の沼波弄山の古万古や森有節万古に見出すことができました。

私にとってはまさにこの理想世界、陶芸を自ら楽しみ心豊かに生涯を送りたい、そして自らの作品が多くの人々に喜んで受け入れられたらという大望が 四日市に赴任して以来 年ごとに膨らむことを自分自身抑えることはできませんでした。

33
歳の誕生日を期に独立以来 自らが楽しむ陶芸活動を理想とし あらゆる創作に興味を忘れずもうすぐ35年を迎えようとしています。

作陶家自らが多いに楽しみながら創作し 作品に想いを乗せ ストーリーを創ること、それは作品を見てくださる方達に必ずしや伝わるものと信じて 今後の創作に向かいたいと思っています。

平成28年年61日 冬柴文廣


装飾的な陶芸の到達点としての一表現  「現代陶人名鑑」編集部

まだ金沢美工大に在学中の青年時代から、冬柴文廣氏は地元・石川県で開催された工芸展やコンペに入選・受賞歴を重ねていて、作家としての早熟ぶりがうかがえます。長崎に生まれ、金沢に学び、やがて陶芸家としての独立・成長の地は、三重県四日市市を選びました。  四日市といえば、江戸時代に開窯した萬古焼の故郷として知られ、昨今では、朱泥の急須ばかりがなにかと目立ちますが、萬古のやきものの伝統のひとつに赤絵があります。  皿や壺など、赤絵を窓枠のように配してぐるりと囲んで構図を決めて、中央には素地土の素材感そのままを巧みに見せながら、釉描彩 という技法で立体的に植物の姿を映した作品が、冬柴氏の代表作です。アトリエの近くや、鈴鹿山脈に自生する野の花々がモチーフに選ばれ、リアルな自然が、生き生きと陶のうえに再現されています。  萬古焼の伝統技術や文様、野の花の感動的な美しさ、さらに自らの創意が加わり一体となって結実したのが、冬柴陶芸の成果 です。そこには、技術的巧者としての創造性が遺憾なく発揮され、装飾的な陶芸のひとつの到達点として表現されています。

露光窯の”いわれ”をお客さまや雑誌、新聞の取材等でよく問われます。 33才の時独立、陶芸家としてのプロの道を歩き始めるに際し、ガス窯を築窯した訳ですが その際、窯名を自分一人で考えました。6人兄弟の次男坊が 勝手に好みの仕事を選び始めた陶芸の 仕事。もちろん我が父母も兄弟も陶芸等とは縁もゆかりも無い世界でした。美大で陶芸を4年間 専門として学びましたが 陶芸で家族を養い生活を成すことがどんなものか恐さ知らずの スタートでした。そんな中 窯が出来上がった時 イメージが湧きました。 九州から出て来た一人の人間が陶芸家と成り 良くも悪くも作品を世の中に残す事になる。 そして 世に残した作品が願わくば世間から認められ キラリと輝くころ 陶芸家冬柴の露光窯は 消え去るのかもしれない。それでいい。私一人の露光窯で終わるのも。 そんなロマンを 緑の上の朝露が 陽が登ると同時に丸く宝石のように輝き、やがて消え去る 様子と重ね見る事が 33の私のスタートでした。




冬柴の生まれは長崎県で、金沢美術工芸大学で工芸デザインを学び、卒業後は四日市の洋陶 メーカーのデザイン部に就職している。そしてそのまま現在に至るまで四日市に住み続けることになるのだが、それは三重の萬古焼の意匠世界が彼の美的感性にびったりとハマッたからである。それはまるで現代萬古焼の創生のために彼はこの世に生を受けたのではと思わせるほどだ。

 冬柴萬古の一見したところの特徴を表すならば、萬古赤絵をベースに、彼自らが開発した「釉描彩」という技法による絵画的な表現性を有する絵付け、ということになる。しかしより本質的には、洋陶のデザインを日本人の感覚に合わせて編曲したという、ある種逆輸入的な着想と、それを伝統との融合において芸術的な情趣にまで高めた冬柴の作陶技術にこそ独自性が認められるべきである。

 伝統萬古の赤絵と、ハイカラな釉描彩と、錆色がかった素地の侘びた風味、その得も言えぬハーモニーこそ冬柴萬古の持ち味である。そこには多国籍的な情趣が発露しているという意味ではまさしく土着的であって国際的であり、伝統的であって現代的な表現である。誠に異能な作家と言うほかない。        笹山央 (工芸評論家) 評陶芸雑誌「TAIKI」より

Welcome to the world of Fumihiro FUYUSHIBA. I work in Yokkaichi, JAPAN (southeast of Kyoto). I was born in Nagasaki and grew up playing baseball in harvestd rice paddy fields, making secret dens in the mountains, and walking in the mountains with my dog. From the top of the mountain I could look down upon Nagasaki Bay which used to be one of the main entry routes into Japan, and the opportunity to travel has always intrigued me. I had a chance to see a great variety of foreign ceramics in America and Canada while working 11 years as a ceramic designer for MIYAWO Company Limited. On my 33rd birthday, I resigned from my designing job to have a more hands-on apprroach to clay in my own workshop. Since then I have been making pottery without restrictions. My wife, two chilldren and I love to travel. We have been to lots of places in Europe, the United States, Australia, New Zealand and various countries throughout Asia. After experiencing these other cultures, it is always good to return home to make more works. My workshop looks out over a beautiful park and I find much inspiration from the wonderful surrounding nature. I hope you have the chance to visit my workshop someday.

CV


1948
Born in Nagasaki, Japan  
1971 Graduated from Kanazawa University of Fine Arts and Crafts  
Began study under Japanese renowned potter Chouzaemon Ohi  
1971〜1982 Worked as ceramic designer for dinnerware maker Mikasa  
1973 Traveled throughout the United States to see foreign ceramics  
1979 Awarded  3 times at the Chunichi International Ceramic Art Exhibition  
Awarded at Asahi International Ceramic Art Exhibition  
Awarded  4 times at Mie Prefecture Art Exhibition  
Awarded  9 times at theJapanese Contemporary Art Exhibition  
1982 Resigned from Mikasa and became independent potter  
1987 Displayed work at exhibitions in Philadelphia. PA and Long Beach, CA  
1989 Awarded at Exhibition of Banko Ceramic Art  
Resigned from Japanese Contemporary Art Association to pursue original way  
2000〜2004 Judge of the Yokkaichi Art Exhibition  
2001〜2002 Exhibited at POTFEST in the Park and Penrith Pot Festival, England  
2003  Organized Japan and England Pots Festival in Yokkaichi, Japan  
2004,6〜9  Exhibited at POTFEST in the Park and Penrith Pot Festival, England  
Exhibited at POTFEST South West, England and Keramisto, Holland   
20062016 Exhibited at Pottery Festival in the Park and Penrith Pot Festival, England.   
2009 Accepted for Chu-bu Japan Traditional Craft Art Exhibition  
 
 
 
Personal Exhibitions 

TOBU-depertment store in Tokyo (18times from 1983) 
DAIMARU-depertment store(7times in Hakata, 5times in Shimonoseki)   
Kintetsu-depertment store 10times from 1983)  
Tamagawa TAKASHIMAYA-depertment store
Shinjuku-MASUDAYA
Hamamatsu-ENTETSU-depertment store
TSU-Matsubishi-depertment store
KURA in Izumo (3times) ISE-Yakichi (3Times) Shimonoseki-Seigadou 
Shizuoka-center Kuwana-Kagura(3times)
Kochuan in Anjou YAMAHA-Nemunosato(Twice)  Yamagarou in Yokkaichi
Hanamidou in Yokkaichi(3times)  Enju-Gallery in Tottori (3times) 
Biyu in Himeji  Craft Yu in Gifu Gallery Tudoi in Tu(twice) Gallery UST 1in Tu, Gallery Artist Space in GINZA Tokyo

Nihonnbashi TAKASHIMAYA

 

1948    長崎市生まれ
1971   金沢美術工芸大学卒業 大樋長左衛門氏 原田実氏に師事
1971.4〜1982.7   ミヤオカンパニー ミカサ(宮尾陶器) 専属デザイナー
1973  洋陶デザイン研修のため 米国6都市カナダ視察
1979 日本現代工芸美術展初出品入選 以後9回(会友
中日国際陶芸展初出品入選 以後3回
朝日陶芸展初出品入選
三重県美術展初出品2席受賞 以後4回入選
1982 独立 露光窯開窯 (四日市市生桑町)
1987  フィラデルフィア ロングビーチ萬古陶芸出品渡米
1989  萬古焼総合コンペテイション最高賞受賞
日本現代工芸美術家協会退会(無所属 以後個展にて作品発表)
1997 露光窯移築 (四日市市西坂部町)
2000  埼玉県庄和町外郭放水路記念陶壁制作(石飛博光先生書)
200〜02003  四日市美術展覧会審査員
2001  渡英作陶 Japan fair;Potfest in the Park, Potfest in Penrith出品
2002 渡英出品 Potfest in the Park UK出品
2003  日英陶芸祭in四日市主宰
四日市万古陶芸協会退会
2004 渡英作陶 Potfest in the Park, Potfest in Penrith, Potfest South West,
KERAMISTO in Hollands出品,渡蘭
2006〜2016 渡英出品 Potfest in the Park UK出品
2009 東海伝統工芸展入選

個展

池袋東武百貨店 1983より18回  
日本橋高島屋2回、新宿高島屋、
大丸百貨店 (博多7回 下関5回)   
四日市中部近鉄百貨店 1983より10回   
玉川高島屋 新宿益田屋 浜松遠鉄百貨店 津松菱百貨店
出雲蔵3回 伊勢弥吉3回 下関清雅堂 静岡センター
桑名神楽3回 安城壺中庵 ヤマハ合歓の郷2回 津ギャラリー集8回 
四日市山画廊 四日市華御堂3回 鳥取ギャラリー槐5回 
姫路美有 岐阜クラフト遊 東京恵比寿-器ルクール 津ギャラリーUST1
,
東京銀座ギャラリーアーチストスペース、菰野町ローズガーデン、ならまちギャラリーたちばな2回

 

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