文芸同人誌 弦の会にようこそ
       ―― 弦の作品はあなたを魅了します
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    ● いつも創刊号のつもりで                 代表 中村賢三                                                  
 

 東京オリンピックの翌年、1965年に「新樹」と「草」という同人誌が合併して「弦」を創設した。指導者の曽田文子は芥川賞候補にのぼったこともある名古屋では新進気鋭の作家で、テレビドラマの作品なども手がけていた。明るく解放的で小さなことに拘らない性格は人の心を捉えるものがあった。
 そのころから「弦」は閉鎖的にならず、外に窓を開いて志のある人々を受け入れて一緒になってやってきた。曽田は1983年に病魔に倒れたが、遺志はその後30年も続いているのである。
 同人誌の中には自分らの書いた作品を合評するだけに集まるという会があると聞いて驚いたことがある。また、ある詩を中心とする会では自作を朗読するのが主で、批評は一切なしと聞いてさらに驚いた。活発な合評は視点を広げるのに役立つし、何よりも自己陶酔に鉄槌を下す神のような存在であると思っているからだ。
 われわれ「弦」は毎月欠かさずに読書会を続けて五十年に及んでいる。古今東西の小説から現代の話題の小説まで、作品を決めて読んできて感想を話し合うというそれだけのことだが、各々の浄化作用とも活力源ともいうべき効用がある。同人が分け隔てなく意見を述べ合い、耳を傾ける。時代の風潮に流されない文学のテーマが見えてくる。 俗にまみれない自分の文体で表現してみたい。自分史であれ、私小説であれ、とことん自分と向き合ってみたい。社会や環境のテーマであれば真実がどこにあるのかを見極めたい。
 小説を書くことはたとえ虚構の世界であっても、真実を超える力もあると信じたいのだ。同人は全員が書き手である。メンバーは少しずつ変わってはきたが、この精神は受け継いでいきたい。
 文学は耕して耕して自分を創って行くものであり、自分がいくら愚鈍であろうとも、それでも書かないではおられない。まさに「初心忘るべからず」と、いつも創刊号を出す気概でいたいのである。
 わが弦の同人は文字通り、上下関係のない人の集まりであり、男女、老若の意識もなく、ときには厳しく、ときにはなごやかに、伸び伸びと意見を交わしている。文学を愛する人に常に門戸を開いている。一人でも多くの方が、心おきなく参加されることを願っている。