オリジナル短歌
草深き 廃村跡の 石垣に ころがりおれり 風呂釜ひとつ
伏流の 涸れ谷行かば 忽然と 玉散る滝に 山葵群れ咲く
目印の ひとつだに無き 侘び谷で 汗を拭えり 窯跡のうえ
稜線に 降りし雨粒 旅先は 琵琶湖伊勢湾 運命分かつ
空は鉛 治田峠に ちらちらと 絞るがごとく 初雪の舞う
落石に 驚き崖を 見あぐれば おらが陣地と 猿が石投ぐ
幾年の 浮世の哀楽 見守りて きょうも聳える ふる里の山
石井明子氏寸評
短歌について、七首を拝見して山を愛するお心がにじみ出たよきお歌ばかりと思いました。
情景がよくわかり、実際に山を歩く人にしか作ることが出来ない力強い作品で、一首ごとにあの山のあのあたりかと想像しながらたのしませて頂きました。
添削をとのことですが、率直な親しみを感じさせる黒田様のお歌はご立派なもので、このままで結構と存じます。
短歌は一人一派と申します。表現のしかたは色々ですが、作者の心が伝わればそれはすばらしいお歌といえるでしょう。
掲示板より転載
柳澤郎女様
葉里麻呂の 侘び錆びの世界 新境地 高き極みか 思うところとは
伊勢近江 視界を閉ざし 降る雨の 行く先分ける 稜線を行く
私も第四首と同じ情景を詠んでいました
とっちゃん
短歌(うた)詠みし 君の投げたる 一石に
ひたりひたりと 嬉しき波紋
継続と 言う名の精進 積みゆきて 君らしき君 探して歩く
panaちゃん
とても素晴らしいです。 歌を読んでいて、山に対する愛を感じました。
これからも宗家として、いい歌を詠んでくださいね。
最近山では食気ばかりで、歌なんぞ出てけーへん(泣)
御池杣人様 ここをクリック
作者 黒田部連葉里麻呂(くろたべのむらじはりまろ)より
パロディーというヤクザな世界から更正し、まっとうな短歌を作らんと発願し、数首の試作をしてみました。短歌のルールもよく分からない素人なので、図々しくも「山の歌人」石井明子様に添削を依頼したところ上記のような寸評を頂きました。添削については「一人一派」と軽くいなされましたが、短歌を作る心構えとして皆様の参考になるのではないでしょうか。
一人一派なら自分も葉里麻呂流宗家じゃ、何の遠慮があらんとばかり歌の良し悪しも分からず全部載せてしまいました。しかしヤクザな世界とは言え、まだパロディーにも未練があり、そちらも性格的にやはり続けると思います。
郎女様、ほんとに同じテーマでしたね。やっぱ郎女様の歌の方がいい感じ。とっちゃん身に余るお歌ありがとう。panaちゃんも巴菜女流作品お待ちしております。