悦 女

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ミルキーアンパン山行

雨の御池岳、淡いミルク色の樹林に笑い声が広がって急にビューッと風が走り赤や黄
の落ち葉と遊んでいます。

ブルーの実をキラキラ小枝に付けたサワフタギの木や紅梅のようなマユミの木々、梢
に絡んだツルマサキがバラのように胸をうちます。

丸池で輪になってお弁当を食べていると雲が流れて青い空がちょっと顔を見せまし
た。

夕日のテラスは白い白い雲海の上でした。

帰路立ち寄った小竜の洞窟には地底湖の謎が秘められているのでしょうか。

急なタテ谷を下りまどろみの尾根で一休み、まるで10人のコロボックルが深山で遊
んでいるような心に残る秋の日でした。  


 晩秋の深山。その大きな大きな懐に抱かれて、コロボックルが遊んでいる。その周辺だけが、白い霧の中にあっても、ほのかに明かりがともっていたよ。その明かりは時折歓声をこだまさせつつ、ゆるやかに動いていった。悦女のおだやかな語り口そのものの、おだやかな文体で、しずかにあの日を語ってくれている。

                                                 御池杣人


 あの深く白い霧もミルキーアンパンのミルキーに通じていたのですね。悦女さんがビューッと風が走ったことを冒頭に持ってきたのはさすが「鈴鹿の山のトトロ」のメンバーです。私はべつにアニメオタクではありませんがトトロだけはVHS、S-VHS、LD、DVDとメディアが変わるたびに手に入れてきました。あの作品は子供も楽しめるけど、大人はもっと楽しめますね。昭和30年代に子供だった人たちの心に触れる仕掛けが満載です。話がそれましたが、宮崎アニメは「風」が共通のテーマになっています。さつきが風呂の薪を取りに外へ出た時に突風が吹いて、何もかも巻き上げたシーンを思い出しました。

 よく知りませんがコロボックルというのは小人なんでしょうか。信州車山にそんな名前の山小屋がありました。

                                               葉里麻呂