破地輪駆

前頁   次頁


 本歌   あきかぜに たなびくくもの たえまより  もれいずるつきの かげのさやけさ     左京大夫顕輔

       あきさめに たなびくガスの たえまより  もれいずる天狗堂の  かげのさやけさ
 

現代語訳

 夕日のテラスにたたずんでいると、秋雨のそぼ降るなか、ガスの絶え間から垣間見える天狗堂の雄姿は、
メッチャ美しくて、すばらしいことよ

 

御池杣人

破地氏がこの技法に挑戦された。うれしいことじゃ。

夕日のテラスの名場面。そうか、天狗堂がもれいずっておったなあ。下みれば御池橋も。作品は氏の山行きと通じていて、「メッチャ」一直線なところうれしい。変にいじくりまわさんでよろしい。

 

DVDありがとう。早速見せてもらいました。吟行のハイライトシーンが動きと音声まで

ついて。病院の日々、写真とともに何度も見るよ。感謝。

 

管理人解説

さしも知らじな コメントする 思ひを・・・作者のズボンのように破天荒な歌である。

第四句は意図的なのか、天然なのか・・・メッチャ面白い表現であることよ。

しかし、たなびくガスの合間から天狗堂がチラチラ見えていたイメージはよく描写されている。

教育者は「変にいじくりまわさんでよろしい」と申される。なるほど長所や個性を重んじることは大切。

しかし管理人としては「今ひと言のひねりをもがな」と思ってしまう。

作者の山歩きは常人離れしていて、コースも一ひねりあるのだから。

写真の腕も構図が緻密。掲示板の北池写真は出色。でも歌は破天荒。破地氏は不思議なお方です。