湯の山温泉
2020.09.27 三嶽寺から入山できない
9時前に到着の鈴鹿スカイラインは自動車が満杯。蒼滝公共駐車場へ移動したが、時間に余裕がないので登山を諦めた。駐車場から階段道を登り、「湯の山かもしか大橋」の中央へ行けば蒼滝が見えるが遠い。御在所ロープウエイは強風で運転できず、9時過ぎに終日運休の場内放送があった。


三嶽寺まで歩けば木魚の音がある。この三嶽寺に「境内ニ内務省保存木『花の木』あり」と書いた昭和初期の観光パンフレットがある。140年程以前のことだ。現在の大木がそれらしいと思いながら眺めていると、寺務所の窓が開いて女性から声が掛かった。山へ入れないとのこと。馬ノ背尾根のことかと思い「観音山は?」と問えば「入れません」との回答。仕方ないので引き返した。
まさかの松茸山で入山禁止かと思ったが、検索(Google)すると何かあったらしい。現状では、三嶽寺境内を通過して馬ノ背尾根経由での鎌ヶ岳登山が出来ない。登山者が寺へ迷惑を掛けた結果だろうか。


涙橋の湯の山温泉協会の下手に「フーテンの寅さんロケ地資料館」が七月に開館した。以前は「木工体験ひろば」だった建屋で出入り自由だ。四日市の海岸で「庶民の生活は貧しいな~」と一言があり、近鉄電車で湯の山温泉に来た寅さんを憶えている。
菰野富士北側の新設駐車場に自動車で移動し、鈴鹿スカイラインを歩いて東海自然歩道を経由して菰野富士へ登った。家族連れから腰が曲がりかけたおばちゃんまでハイカー多数に出合った。
何故か山頂に花壇がある。名札によればマツバボタンやら、南アフリカ原産のアメリカンブルーやら。第2種特別地域なので地権者が了解していれば問題ないのだろう。下山は北面の登山道を新設駐車場へ。ヤマヒルは見なかった。
2016年12月3日 蛙石、湯元、観音山


御在所ロープウエイの有料駐車場を出発して三慶園前を通り、蛙石と大黒天を見て階段を下る。通販サイトで見た古い絵葉書の蛙石は冬枯れの斜面から飛び出した大岩だった。同じポジションからの撮影を試みるが、現在の蛙石は樹木に埋もれて判然としない。
中之島公園に行くと残った紅葉がきれいだ。営業中の翠明館を右に見て階段を上がり三嶽寺に入る。観音山の西国三十三観音は時計方向に廻るので、標識に従って左側の歩道から入る。前回に歩いたのは2001年6月17日、15年前のことだ。




少し歩くと湯の山温泉の湯元が現れる。続いて一番の観音像、直ぐに小さなブロック製建屋。これも泉源のようだが、水溜まりがあって衛生的でない。その下には平地が造成されて古い街路灯一基が倒れている。この雰囲気は昭和四十年代か。南へ回り込むと瓦などが散らばる平地があり、一段下にも竹林と平地が残る。「裏湯」の跡だろうか。なお、黒いパイプが通過しているので南にも泉源がありそうだ。
戻って観音像を見ながら遊歩道を登る。樹木は伐採され、十八番の観音像以降は展望が開ける。最高所の二十三番は展望台で、地蔵岩が強調された姿で御在所岳が良く見える。東は菰野富士と工事中の湯の山大橋。南アルプスが白い。何かあるようにも思えるが富士山は微妙だ。


古い絵葉書「伊勢菰野湯の山名所」(東北芸術工科大学東北文化研究センターアーカイブス:活動休止)の背景は観音山だが、付近の山肌が露出しているように見える。湯の山温泉は泉源温度が低いので加熱されているが、割木を得るために樹木を伐採して山が荒れたのか。蛙石の見え方の違いも納得してしまう。
遊歩道は三嶽寺の弁天堂に下りる。引き返して翠明館で昼食とした。気軽に食事できる貴重な場所だ。にぎわいが欠落した温泉街は歩いても楽しくはない。心霊スポット扱いされるような廃屋からの落下物も懸念される。増える空き地は駐車場として提供されない。折鶴伝説でもカップルは来ない。一度は入ってみたかったラブホはペット連れ旅館に模様替え。週末には多くの登山者が湯の山温泉をザルのように素通りして行く。
湯の山温泉協会のサイトには温泉そのものの情報が見当たらない。泉源や湧出量の情報を探したが、次の資料しか見つけられなかった。- 湯の山温泉の泉源について 温泉化学 P68 1959
- 湯ノ山温泉連続モニタリングによる温泉水の地下挙動と湧出モデルの考察 2006
- 鹿の湯ホテル 温泉水分析書:裏湯(鹿の湯)
- 鹿の湯ホテル 温泉水分析書:宏説湯(紅葉湯)

御在所ロープウエイの有料駐車場から。今年は暖かいので、まだ紅葉が残っているのかも知れない。