鈴鹿:湯ノ山温泉散策
梅雨の合間に、蒼滝と馬ノ背不動を訪れる目的で湯ノ山温泉を散策した。
- 登山日
- 2001年6月17日日曜日
- ルート
- 蒼滝駐車場-蒼滝遊歩道-蛙石-三岳寺-馬ノ背不動-大石-長石-蒼滝駐車場
記録


湯の山温泉駅から清気橋、栃谷を通り過ぎ、三之瀬バス停で自動車を停めた。いつもなら通り過ぎるところだ。(写真1)
ここには山神の小さな石碑があり、水が吹き出している。コンクリートの水槽があるので、流水を集めているものか。手を洗っていると同じように自動車が止まって親子連れがポリタンクに水を汲んでいった。
ここから東へ登る小道がある。登れば墓地だが樹木に囲まれて展望が効かない。付近はサクラの名所だったらしいが、その季節に訪れた記憶がない。
蒼滝口バス停で右折して橋を渡り、終点の蒼滝駐車場へ自動車を停めた。ここは無料。駐車場の奥(南側)に小道があり、これを登るとロープウエイ駅に続く車道に出る。
「ホテル湯の本」の前では、北側の有料駐車場の奥に遊歩道の入口が見えた。木が茂っており車道からは目立たない。付近には「蒼滝遊歩道」の標識があるが、いままでまったく気付かなかった。
アスファルト舗装の遊歩道だが人の気配はない。利用されていないようだ。ほどなく終点に着くと前方に蒼滝が見えた。(写真2)立派な姿である。いつもは下から見上げるばかりだが、ずいぶんと違う姿に見える。ほぼ正面から滝を見ており、背後には鈴鹿スカイラインの蒼滝橋が見える。
ロープウエイ駐車場から南へ歩道を下り、旅館「三慶園」の脇にある「蛙石」に立ち寄る。巨岩である。しかし、周辺に樹木があって目立たない。なぜ蛙石と呼ばれるのか知らない。小道をそのまま下って涙橋の東へ降りる。橋を渡って車道を歩き、階段道を登って三岳寺へ着いた。付近にはイワギボウシの花が多い。
境内の新しい案内板には、「観音山」や「馬ノ背」尾根からの鎌ヶ岳登山道が記載されている。広告用に「折り鶴伝説」と書かれたピンク色の旗が目を引く。最近は、さかんと観光パンフレットに引用されている。



観音山のコースへ入ると、すぐに「湯元」に着く。最初の石像が現れると登り道になった。観音山には西国三十三カ所を模して観音菩薩の小さな石像33体が置かれている。(写真3)現在は木製の階段もあり、良く整備されている。二十三番の石像がこのコースの最高点であり、ここから馬ノ背を経由して鎌ヶ岳へ践み跡が続いている。
イワカガミの多い尾根をしばらく登ると、岩上に温泉街を見下ろすようにして不動の石像が置かれている。(写真4)温泉街をはさんで、蒼滝不動と向かい合う形だ。以前は周辺に「馬ノ背不動」の幡がたくさんあったのだが、今日は見当たらない。温泉街は樹木が邪魔をして、思ったようには見えなかった。
三岳寺から三滝川の大石橋に出た。文字通りの丸い巨岩「大石」がある。この付近の川は、いまでも夏季は渓流プールになるようだ。子どもの頃、母親に連れられて一日遊び、近くの浴場に入った記憶がある。どこの浴場だったのか見当も付かないが、薄暗い風呂場で明るいガラス窓を見上げていたことばかりが記憶に残っている。無くなってしまった大衆浴場だったのだろうか。
ここから三滝川沿いに車道を歩くと、水源施設のところで大きく右にカーブする。ここの左手に「長石」がある。ここは、大石橋から三滝川左岸に設けられた遊歩道の終点でもある。川へ降りれば、巨岩の左手の岩間から蒼い淵へと水が流れ込んでいる。(写真5)昭和初期のものと思われる旅館「寿亭」のパンフレットには、次のように紹介されていた。
「温泉場より西六丁にして大牛の飛瀑を飲まんとするが如き大奇石にして長き事四十尺余。この上流を布引谷と称す。」
最近のパンフレットを見ると、横になった長い石が描かれているだけ。地元からも忘れられているのかと思ったりもする。
大石へ帰り、橋を渡って東海自然歩道を蒼滝不動まで帰る。ここから蒼滝へ降りようとすると土砂崩壊があったとのことで、蒼滝へ下る階段が通行禁止にされていた。仕方なくロープウエイ乗り場に廻って往路を駐車場へ帰った。午後4時頃に駐車場を出発して、約2時間20分の散策だった。
追記 2012年11月24日
帰路に利用するつもりだった蒼滝~蒼滝駐車場間の東海自然歩道(蒼滝遊歩道)は土石流に流された。災害対策の巨大堰堤に塞がれてしまい利用不可。