鈴鹿:霊仙山
鈴鹿北部、霊仙山西麓の上丹生集落から山頂に至るふたつの一般登山道をゆっくりと周回した。帰路に通過した廃村・槫ヶ畑では、こんなところにも人の生活があったのかと驚かされる。青空の下、紅葉の樹林をめぐる心地よい一日だった。
- 登山日
- 2003年11月8日土曜日
- ルート
- 上丹生-谷山谷-霊仙山-汗ふき峠-上丹生
谷山谷




醒ヶ井駅から南進して上丹生集落に入り、二分する道を右の醒ヶ井養鱒場方面へ入る。民家が途絶えるところで右側に10台分余りの駐車場があるので自動車を置いた。ここには、「天皇陛下御製の碑」なるものが北端にある。駐車場の表示はないが、四丁横崖で見た西出商店の案内板には「県無料P」と書かれていたので、そういうものなのだろう。到着したときには、意外なことに自動車は停められていなかった。
分岐まで引き返して集落の狭い道を谷山谷の川沿いに登る。この道は整備された林道に変わり、駐車地から20分余りで登山口の足良(あしら)谷無料駐車場に着いた。(写真1)30台近く置けそうだが、駐車しているのは1台だけ。「熊出没注意 滋賀県」の小さな看板があったが本当か。
なおも林道は続くが、左に屏風岩を見送ると山道に変わって伏流の谷を登る。この谷には標識が多くて道は明瞭だが、足下に石灰岩が転がっており、あまり歩きやすくはない。
こうもり穴の前で足を止めると、雨音のようにバラバラと音をたてて枯れ葉が落ちてくる。やがて暗い植林帯から日差しに輝く水辺の道となり、くぐり岩を経て漆ヶ滝の標識にたどり着いた。滝へ行くと小さな石地蔵。手を合わせる。オン、カカカ。
南向きに変わった谷を登ると水が消えた。ここは日が差し込むのでとても明るい。樹がザワザワするので見上げると、頭上で数頭のサルが枝を渡って行く。
井戸ヶ洞の標識(写真3)を経て県境の四丁横崖に登り着くと、樹林はほとんど葉を落としていた。
霊仙山山頂


ササ原に変わった道を登れば展望が広がる。下界は雲に隠され、その上に伊吹山の巨体が見える。再建された避難小屋(写真4)を通過し、赤いマユミの実に目を引かれながら経塚山へ到着した。前方には、逆光のなかに三角点峰が横たわり、斜面を一団の登山者が登って行く。
展望の良い山頂は吹きさらし。(写真5)たいがいの登山者はわずかな風を避けて東斜面に座り込んでいる。三角点にタッチして、おにぎり1個。周辺の山々や登山者の往来を見ながら、ゆっくりと過ごす。
経塚山へ引き返すと、東のソノドへ続く尾根がバッサリとやられているのが見えた。来年はソノドまでとどいているかも知れない。遠からず、手前のナガオのように植林の尾根になってしまうのだろう。
経塚山から汗ふき峠への道へ降る。アクビが出そうなゆったりしたササ原を歩いてお虎ヶ池へ到着。(写真6)獣道に首を突っ込んだりしながら、尾根道を降り始める。
汗ふき峠・槫ヶ畑



尾根道は陽当たりが良く展望も良い。また、道も歩きやすい。今度は、大きなマユミの木を見つけた。陽光を受けて鮮やかだ。(写真7)
明るい落葉樹の樹林帯へ入ると、なんとも良い気持ちになる。(写真8)すこしばかり周辺が伐採された5合目の見晴し台を通過。相変わらず歩きよい道が続いている。
汗ふき峠へ降り立ち、植林帯を廃村・槫ヶ畑へと降りる。すぐに「カナヤ」の建物に到着した。下手には倒れゆく民家が一軒。(写真9)左右には沢山の石組みを見る。そこには、家や畑があったのだろうが、いまはヌタ場と化していたりする。
石組みを抜けると、間もなく休憩所が建つ登山口の林道へ出た。ここで、霊仙クリーンロードクラブ名義の貼り紙を見つける。内容は、平成14年10月付けで、南西尾根などでクマが目撃されたというもの。周辺の駐車スペースはなんとか15台分ほど。まだ8台の自動車が残されていた。
良く整備された林道を歩いて、約50分で醒ヶ井養鱒場に到着。バスを待つ登山者の姿がある。
ここから上丹生へ戻る仕事帰りの老人と話をしながら駐車地へ帰った。クマの話を聞いてみるが、シカやイノシシはいるが... とのことで、よくわからないらしい。
行程表
8:28 | 上丹生・駐車地 |
8:52 | 谷山谷登山口・足良谷無料駐車場 |
10:21 | 漆ヶ滝標識(10:21-10:39) |
11:33 | 県境・四丁横崖 |
12:12 | 霊仙山・山頂三角点(12:12-12:44) |
13:35 | お虎ヶ池 |
14:57 | 汗ふき峠 |
15:19 | 登山口(15:19-15:43) |
16:32 | 醒ヶ井養鱒場 |
16:45 | 駐車地 |