鈴鹿:鳩ヶ峰
鈴鹿南部・野登山から東へ伸びる尾根上に隆起する鳩ヶ峰(710m)に、野登山の参道のひとつ、上野道から登った。植林におおわれた上野道はかなり曖昧で、今年1月に登った中山道に比べると残された道型もハッキリしない。何だか迷ってしまいそうな道だ。
- 登山日
- 2003年12月7日日曜日
- ルート
- 上野-上野道-鳩ヶ峰-一ノ谷-上野
上野道登山口
鈴鹿市東庄内町で国道306号線を離れて北西へ進む。南畑集落の北側を通過して上野集落へ向かうと、まっすぐな道路の前方に鳩ヶ峰がすっきりと見えた。その南面と北面にはそれぞれ鉱山がある。(写真1 右:鳩ヶ峰 左奥:野登山)


今日は前方の白い鉄塔付近を通って、地形図に破線で書き込まれている上野道へ取り付くつもり。この道は鳩ヶ峰の南側を通過し、小岐須渓谷からの一ノ谷登山道を併せて野登山の山頂へ続いている。
上野集落を通り抜けると集落の西端付近に「山の神広場」(写真2)を見つけたので、ここに自動車を置いた。地形図の標高160mのあたりだ。
地形図では分からないが、ここで道は4つに分岐する。ちょうど薬指を折り曲げた右手のようで、人差し指が小岐須へ続く県道11号線、中指が山の神への道だ。
上野道の登山口は上野集落の北側を流れる八島川の標高250m付近であり、ここを東海自然歩道が通過している。地形図に書かれた上野集落の西から西北西へ登るまっすぐな道、あるいはその南側の東海自然歩道になっている道を登れば良いので、山の神広場から南に行く「右手の小指」へ出発した。
民家の間をグニャグニャと歩き、貯水池からまっすぐな道を見上げる。コンクリート舗装された狭い道だが面白くないので南の東海自然歩道へ回る。すぐに指導標があり、自然歩道を歩くおばちゃんグループとすれ違う。石水渓方面へ行くとのこと。鉄塔の左側を通過し、自然歩道の指導標があるところから植林帯へ入った。
自然歩道を歩いていると、左50mの植林中で山側を向いて座っている人を見つけた。ハンターのようだ。待ち伏せでもしているのか。
上野道



自然歩道は、八島川の右岸で東から来る「まっすぐな道」と合流して対岸へ渡る。私はそのまま右岸の林道を登るが、左前方に枝を踏む音がする。仕方なく独り言を言いながら歩いていると、もう一人のハンターが現れて「コンニチハ」。
すぐに堰堤があり林道は終点になる。(標高約300m)堰堤の奥へ入ると植林作業の踏み跡はあるが薄い。
地形図の上野道からは離れてしまったが、登山口付近は猟場になっているので引き返したくない。仕方なく堰堤から右岸の尾根を南に越すと、雑木におおわれた斜面から堰堤が並ぶ意外と深い谷を見下ろすことになった。地形図の上野道は対岸だが、このまま登れば合流できる。
再び植林帯に入って、次第に浅くなる左の谷を見下ろしながら登る。道はあるがハッキリしたものではない。(写真3)
浅くなった谷へ降りて対岸の斜面を登る。植林作業の踏み跡が交錯するが、上野道というほどのものは見当たらない。そのうち、標高500mで紫色のヒモを見つけた。南側が明るいが、おそらく鉱山だろう。そして、標高540mの右折ポイントで道を見つけた。ここから薄い道を追って登るが、突然に左折したりする。
鳩ヶ峰から東南東に伸びる尾根に乗ってから、薄い踏み跡を拾い植林帯の斜面を西へ横断する。今度は鳩ヶ峰から西南西へ延びる尾根に乗った。赤いプラスチック杭がある。ここから鳩ヶ峰への登ることにした。
尾根を登ると雑木に変わり、西のマドから直接に登ってくるものか、黄色いテープマークが現れる。山頂は落葉した雑木林で伊勢湾を望めた。下の方には北面の鉱山(砕石工場)が一部見えている。(写真4,5)
プラスチック杭に戻り、ほぼ水平にマドを目指して歩く。最後に倒木が多い斜面を横断して野登山との鞍部であるマドに到着。一ノ谷の登山道に出会った。
結局、あまり確信のないままに登ってきてしまった。坂本道や中山道のように、石仏と出会うこともなかった。引き返して、再度トレースしたいところだが、ハンターがいるところへは行きたくないので一ノ谷の登山道を降ることにした。
下山

谷は広く、背後から差す陽で明るい。谷の出口付近に危険箇所があるが、これさえなければ落葉期は良い登山道に違いない。
寄り道をしてから小岐須渓谷の山の家へ到着。小岐須へ降って、東海自然歩道(県道11号線)を自動車の回収に向った。最後に立ち寄った山の神は、植林の中に切り残された木々とともに、端然と立ち並んでいた。
行程表
10:04 | 山の神広場 |
10:36 | 林道終点の堰堤 |
12:15 | 鳩ヶ峰(12:15-12:23) |
12:40 | マド(12:40-12:59) |
14:51 | 小岐須渓谷・山の家 |
15:51 | 山の神広場 |