パーキンソン病(PD)
a. 特定疾患・・・
原因が不明で治療方法が確立していない難病のうち、症例が少ないことから全国規模での研究が必要とされる疾患のこと。厚生労働省の難病対策要綱で、現在121の難病が特定疾患に指定されていて、45疾患については公費負担の対象となっています。特定疾患医療受給者証の交付を受けることで、治療に要した費用の自己負担分に対して国から助成があります。
2006年(平成18年)末から2007年(平成19年)初めにかけて、この助成制度が大きく揺れました。政府の公費削減方針を受け、厚生労働省は、特定疾患対策懇談会に助成対象患者の絞込みを諮問してきていましたが、2006年12月11日、同懇談会は、パーキンソン病と潰瘍性大腸炎について「希少性を満たさなくなった」として、軽症患者への助成打ち切りを提言しました。これを受け、厚労省は、2007年度から対象としないとの方針を打ち出しました。
これに、両疾患の患者団体が猛反発。自民党、公明党の国会議員にも働きかけ、12月15日、両党は与党として、厚生労働大臣あてに特定疾患治療研究事業の見直しに関する申し入れを行いました。
結果、2007年1月9日、厚労省は見直し方針を撤回し、これまでどおり助成が継続するとの方針を固めたとのニュースが流れました。(この経緯については、リンク「5.最新情報を知りたいときは」で紹介している患者団体のサイトが詳しい。)
ちなみに、その12月11日の特定疾患対策懇談会での配布資料によると、特定疾患治療研究事業の対象となるための4つの要件とは、(1)症例が比較的が少ないために全国規模で研究を行わないと対策が進まない(希少性)、(2)原因不明、(3)効果的な治療、(4)生活面での長期にわたる支障、だそうで、患者数が5万人を超えているパーキンソン病と潰瘍性大腸炎は、(1)の希少性を満たしているとはいえないとの結論に至ったとのこと。患者が不安なのは(2)〜(4)なのにね。
もう一つニュースが・・・
2007年1月6日、ダンス&ボーカルユニット EXILE のメンバーの一人が、特定疾患に指定されているベーチェット病に罹っていることをテレビ番組の中で明かし、「同じでなくても病気と闘っている人に勇気や希望を持って頑張ってほしい」とコメントしたことにより、特定疾患ということばが若い人たちの間にも広まりました。
特定疾患治療研究事業の制度のしくみ、申請手続き方法などについては、リンク集7で紹介した難病情報センターのサイトの「難病とは」のページで詳しく紹介されています。
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