滋賀県管下近江国六郡物産図説
- 発行:滋賀県
- 1873 (M06)
この図説は、明治6年のウィーン万国博覧会出品のための全国調査において「各郡内の特産物について地元の庄屋が調査し、滋賀県に提出した報告書(リンク切れ)」であり、彩色した絵図を含む。六郡とは当時の滋賀県を構成する滋賀・栗太・野洲・甲賀・蒲生・神崎の六郡のこと。
信楽焼、茶、蚊帳など物産の説明があるが、鉱山に関しては次のとおり。(書籍名は省略)
- 1/滋賀郡・栗太郡/近江国栗太郡荒張村銅山絵図/[写真複製版]
- 1/滋賀郡・栗太郡/近江国栗太郡富川村銀山絵図/[写真複製版]
- 2/甲賀郡上/石部石灰/石灰山・器械全図
- 2/甲賀郡上/石部石灰/石灰製法・器械書上
- 2/甲賀郡上/石部石灰/製灰課程・価・納税表
- 2/甲賀郡上/石部村銅山/取調書
- 2/甲賀郡上/石部村銅山/銅山・器械執行図
- 3/甲賀郡下/土山黒滝/鉱山之素図
- 3/甲賀郡下/土山大河原火打石・石灰・鉱山産出之素図
- 4/野洲郡・蒲生郡/近江国蒲生郡甲津畑村銅山絵図
また、上記の各資料から抜粋して、解説を付したのがある。
滋賀県立図書館の近江デジタル歴史街道が改変されてリンク切れになったので、残存していた資料を id から探し出した。国立国会図書館にあったリンクは切れたままだったが、今回確認すると消滅している。資料が行方不明になるような滋賀県図書館のやり方はどうかと思う。(作成 2016-06-07、更新 2025-05-02)
鉱物類産地図
- 発行:三重県
- 書誌
- 三重県立図書館デジタルライブラリー
三重県内鉱山の産地略図集。三巻構成らしい。発行時期不明。
良く解らないモノクロ風景画が多数。こうなると産地の所在地名に興味が移る。鈴鹿山脈周辺では、
- 第壱巻/員弁郡新町村:方解石
- 第壱巻/員弁郡西野尻村:方解石
- 第壱巻/三重郡水澤村字キララ谷:礦石岩腐石膏石燐等
- 第壱巻/桑名郡古野村:イハキ
- 第壱巻/員弁郡新町村:イハキ
- 第壱巻/員弁郡鼎村:イハキ
- 第壱巻/員弁郡大貝戸村:イシバイイシ
- 第壱巻/員弁郡石榑北村:イシバイイシ
- 第壱巻/員弁郡石榑南村字スナガウ谷:蛍砂
- 第弐ノ一巻/朝明郡杉谷村字観音谷:ラン石
- 第弐ノ一巻/員弁郡新町村:ツラライシ
- 第弐ノ一巻/員弁郡篠立村:ツラライシ(篠立風穴か)
- 第弐ノ一巻/員弁郡治田山字コガハ谷:水石及木葉石
- 第弐ノ一巻/員弁郡治田山字城ヶ谷:テツノヒ
- 第弐ノ一巻/員弁郡治田新町村三光谷:銀鑛
- 第弐ノ一巻/員弁郡石榑南村字コハガ谷:銅鑛
- 第弐ノ一巻/三重郡水澤村字宮鈴:銅鑛
- 第弐ノ一巻/員弁郡大貝戸村字樋ノ谷:銅礦
- 第弐ノ一巻/員弁郡治田新町村多志田山:礦石
- 第弐ノ一巻/員弁郡石榑山字コワカ谷:ザクロイシ
- 第弐ノ一巻/員弁郡治田新町村字檜谷:銀鉛鑛山
- 第三巻/員弁郡治田新町村字戸ノ谷:銀鉛鑛山
- 第三巻/員弁郡石榑山字丸淵:雲母
- 第三巻/員弁郡字南河内:ギチ土
- 第三巻/三重郡水澤村字中谷:汞鑛
- 第三巻/員弁郡石榑南村字コワガ谷:ミヅアゲイシ
- 第三巻/員弁郡石榑南村字小タカ谷:ミヅアゲイシ
- 第三巻/朝明郡田光村字切畑:御影石砥石
- 第三巻/員弁郡治田山字三光谷:燧石
- 第三巻/三重郡菰野村字石山:セキカウイシ
- 第三巻/員弁郡水澤村字湯ノ谷:セキカウイシ
- 第三巻/員弁郡治田字多志田山:紫石
- 第三巻/員弁郡石榑南村字水晶ヶ谷:鳥石英
- 第三巻/員弁郡石榑南村字清見ヶ岳(?)
- 第三巻/三重郡水沢村字中谷:スイシャウ
員弁郡篠立村のツラライシの右側は篠立風穴か。員弁郡石榑南村字コハガ谷の銅鑛には鉱員らしい姿がある。三重郡水沢村字中谷のスイシャウは右に八風谷、左に水晶谷なので、水沢村ではなくて八風峠のように見える。そして鉱物名が解らない。「イハキ」は石炭か。また「ミズアゲイシ」は『広報こもの・雲母峰とキララ石』に説明があるものか。(参考:『理科教科書類にみる鉱物基本語彙の推移』)
三重県立図書館デジタルライブラリーにて閲覧した。(作成 2016-06-23、更新 2025-05-02)
三重県地学のガイド
- 編者:磯部 克
- 発行:コロナ社
- 1979 (S54) 249p B6 書誌
- 国立国会図書館・送信資料
県別に出版されている地学のガイドの一冊。「三重県の地学めぐり」20編のうち、鈴鹿山脈に関するものは次の4編。
- 目 次(抜粋)
- 一 三重県の地質
- 二 三重県の地学めぐり
- 5 御池岳・藤原岳周辺
- 6 多志田渓谷と青川渓谷
- 7 宇賀渓谷・朝明渓谷周辺
- 8 小岐須渓谷・宮妻峡・マンボ
- 三 地学資料
当時、1600円も出して購入したのだが、読んだのは鈴鹿の部分だけだったりする。現在は国立国会図書館デジタルコレクションにて個人送信されている。(作成 2001-11-10、更新 2025-05-02)
御在所山地域の地質 地域地質研究報告11 第30号
- 発行:地質調査所
- 1989 (H01) 145p 書誌
鈴鹿山脈を始め、全国のデータへは地質調査総合センターからアクセスできる。(作成 2016-06-07)
伊勢治田銀銅山の今昔
- 著者:黒川静夫
- 1992(H04) 182p A5 書誌
治田峠の伊勢側で稼動していた治田鉱山の歴史と鉱山跡の調査研究書。出版時点での中間報告と位置づけられている。記述内容は、最古の添水銀山や檜谷・山光・多志田の主要3地区の状況のほか、著者の研究テーマであった排水技術などにも及んでいる。
治田鉱山は、1600年頃には稼動しており、江戸時代には新町に代官所が置かれて銅を産出した。しかし、その後は産出量が減り、大正時代の再開発のかいもなく、昭和49年には鉱業権が消失して閉鎖されたとのこと。古図、年表、抗跡などの所在地図、坑道内調査図、地名調査図など豊富な資料が掲載されている。
- 目次
- 一章 鉱山の概要
- 二章 鉱山稼業のありさま
- 三章 添水銀山
- 四章 檜谷銅山
- 五章 山光鉱山
- 六章 多志田鉱山
- 七章 他地区の銀銅山
- 八章 多田・生野・佐渡の金銀銅山との関わり
- 九章 銀銅の精錬
- 十章 水との戦い
- 十一章 明治・大正の再開発
- 十二章 地質と鉱石
- 十三章 鉱山余話
- 十四章 遺跡と遺物
四日市市立図書館にて閲覧した。(作成 2001-11-24)
近江鈴鹿の鉱山の歴史
- 著者:中島伸男
- 出版:サンライズ印刷
- 1995(H07) 247p A5 書誌
人の気配の無い山中で、石垣や鉄輪、一升瓶や散らばる陶器片を見つければ、誰しもここに何があったのかと怪しむのではないか。本書は、このような向山鉱山の様子を見た著者が、主に近江側の鉱山の歴史を調べたもの。
取り上げられている主な鉱山は次のとおり。この他に、詳細が判らないものや亜炭鉱山についても記載されている。
- 政所蓬谷鉱山
- 君ヶ畑東椋鉱山
- 蛇谷鉱山
- 水沢鉱山
- 甲津畑の鉱山(御池鉱山、高昌鉱山、国位鉱山、向山鉱山、大蔵鉱山、大平鉱山)
- 扇子野鉱山
- 綿向鉱山
- 弥栄鉱山
四日市市立図書館にて閲覧した。平成18年に『新版・近江鈴鹿の鉱山の歴史』としてサンライズ出版から再刊された。早速入手して再読したのはいうまでもない。(作成 2002-03-09、更新 2006-06-29)