1. 鈴鹿山脈/登山日記
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  • 鈴鹿峠

  • 著者:吉川 延
  • 発行:近代文芸社
  • 1928 (S03) 418p B5

関の小萬(小万)の仇討ち物語。大衆文学。

何の本だか解らず、図書館の書庫から出してもらうと「女人復讐 鈴鹿峠」とある。ギョッとして読み始めると、女が松の陰に隠れている場面からスタート。最後は目的を果たしたようで、その女が髪をおろすところ。「関の小万」でした。

検索してみると「女人復讐 関の小万」という映画(1929)が原作・吉川莚で撮影されている。未読。三重県立図書館にて。(作成 2002-05-11)

国立国会図書館デジタルコレクションを「湯の山温泉」で検索すると、いきなり怪しいのが出た。長篇小説「0号婦人」とある。内容は妻子持ちなどの助平親父たちが、アルサロの女子学生・今日子に翻弄されるというものらしい。

湯の山温泉」と次節では、寿亭の芳山閣で戦争未亡人と一夜を明かした助平親父が今日子に乗り換えるため、翌日に涙橋で女を棄てるという碌でもないもの。湯の山温泉の様子が書かれてはいる。拾い読みした範囲では妖しい案件の描写はなし。

国立国会図書館デジタルコレクションにて個人送信されている。(作成 2022-08-05)

三重交通の社史。三重鉄道(四日市鉄道)北勢電気鉄道御在所ロープウェイの完成(施設概要に「世界一」が5回書かれている)、関係会社として御在所ロープウェイなどの記事がある。「御在所ロープウエイ」の名称を間違えており、大丈夫なのかと思う社史ではある。

国立国会図書館デジタルコレクションにて個人送信されている。(作成 2022-07-22)

湯の山温泉の特集がある。御在所ロープウエイが開通して13年、鈴鹿スカイラインの開通直前の時期のこと。活況を呈していた湯の山温泉の様子がある。

口絵にロープウェイ5号塔の写真など。(1)湯の山温泉今昔(歴史イラスト、2P)、(2)堀木鎌三「湯の山温泉と私」、(3)丹羽文雄「湯の山」、(4)山口虚子「湯の山の宿」、(5)今日の湯の山温泉(12人による座談会、8P)、(6)僧兵まつりの由来、(7)湯の山温泉の旅館三行案内(地図あり)、(8)湯の山紀行(渡辺公平、3P)、(9)湯の山の味覚、(10)御在所岳とロープウェイ、(11)湯の山温泉と東海自然歩道、(12)鈴鹿博物誌(市橋甫、4P)、(13)湯の山温泉からゆく周辺の観光地、そして裏表紙に(14)温泉地図(彩色)がある。

(2)には「なまって"いなもり"という」が湯の森谷、戦前まで旅館は六軒(文月館、寿亭、杉屋、湯の山ホテル、香雪軒(近鉄観光ホテル)、紅葉館)、「夏、四日市はカンカン照り…こっちはダーツと雨」、「いままでの共同浴場(鹿の湯)が博物館になる…観音山…湯の峯の一部」など。(8)の囲み記事の三岳寺に天然記念物「花の木」、自然博物館ともある。(10)には、料金は大人往復600円。山上公園案内図に観覧車。(12)では「稲森谷(湯守谷)」。囲み記事に温泉芸者七〇名、あんま四〇名、ヌード劇場一軒、バー三軒。みやげに「蘭の花の塩漬け」とあるが見たことない。

なお、御在所ロープウエイの往復料金は、昭和36年(1961)の関西からの1泊旅行に250円、昭和41年の観光カラーガイドシリーズ 第10に「世界一を誇るだけに往復四〇〇円とチト高い」とある。令和4年(2022)の料金は2,450円だ。

他に、昭和42年4月号に座談会「湯の山温泉 御在所岳」があり、共同浴場と湯女の話。囲み記事の「一つ鐘の伝説」にタコチノコバ、「甚田池の伝説」では米相場で儲けたとか。「なで医者」の話はなし。昭和44年3月号に下卑た作文。読まされるこちらが恥ずかしい。昭和44年5月号に文。昭和45年1月号の口絵に「湯の山温泉の雪まつり」として山頂の雪像と背後遠方に観覧車の写真。昭和51年12月号に観光ガイド(9P、イラスト地図、僧兵まつりを含む)。昭和52年11月号によみもの(紺絣の娘、9P)を見つけた。

国立国会図書館デジタルコレクションにて個人送信されている。(作成 2022-08-07)

  • 御在所ロープウエイ 20年のあゆみ

  • 編集・発行:御在所ロープウエイ株式会社
  • 1979 (S54) 136p B5 書誌

御在所ロープウエイの開通20周年記念誌。同社20年のあゆみ編纂委員会による。

ロープウェイや観光施設、湯の山温泉、鈴鹿国定公園について記載がある。発行時点で廃止されていた三角点の観覧車の記載もあり、ロープウェイ関係施設や湯の山温泉の歴史については詳細な内容。御池鉱山や武平峠(昭和4)、バスガイドのようにゴンドラに乗車していた多数の女性達の集合写真など、収録写真は多数。巻末に建設関係者の対談がある。

なお、30周年誌もあるが絵本のような内容であり、あまり見るものがない。

菰野町図書館にて閲覧した。(作成 2019-10-05)

  • 御在所ゆうゆう

  • 著者:宇佐美正徳
  • 発行:中日新聞社
  • 2001(H13) 95p B6

「御在所ロープウエイ企画宣伝部長の宇佐美正徳さんが、本紙に掲載された写真や記事などを一冊の本にまとめ、中日新聞社から自費出版した」(平成12年5月29日付けの中日新聞)との新聞記事を見て、週末の山行をハライドに決めた。帰路、御在所ロープウエイの売店へ立ち寄るためだ。

内容は、風景や花の写真のほか、随想、登山道・湯の山温泉・歴史こばなしの道・御在所ロープウエイ・カモシカセンターの紹介など。(作成 2002-02-08)

  • 伊藤冠峰緑竹園詩集訓解

  • 著者:村瀬一郎
  • 発行:冠峰先生顕彰研究会
  • 2001 (H13) 534p

伊藤冠峰の漢詩集「緑竹園詩集」全5巻(1782)の書き下し文と解説、年表などがある。緑竹園は冠峰の自宅のこと。

伊藤冠峰(1717~1787)は菰野の商家の出身。名古屋で儒学者に師事し、医者の妹婿になって笠松に移り医者をしていたが、故郷の鎌ヶ岳や御在所岳に登っている。「冠峰歌」(通し番号36)や「上御産所嶽」(21)が相当するが、山や登山の様子はほとんど書かれていない。「冠峰歌」は御在所岳山頂にある詩碑に引用されている。

なお、同著者の旧著「伊藤冠峰 竹園の漢詩人」(1993)の菰野に関する章にも幾つか漢詩があり、堀田方臼の「護花関随筆」の引用などで当時の湯の山温泉の様子などが書かれている。

菰野図書館にて閲覧した。(作成 2023-08-27)

  • 週刊・続日本百名山25
  • 御在所岳・能郷白山・武奈ヶ岳

  • 発行:朝日新聞社
  • 2002(H14) 33p A4変形版 書誌

週刊誌形式の全集ものがブームのなか、日本百名山50冊に続いて刊行された30冊のうちの一冊。

御在所岳の記事は、写真のみのものを含めて8ページ。写真の間に深田久弥などが引用されている。登山ガイドは、何故か登路に一ノ谷新道、下山路は裏道である。他に智積養水などの「寄り道情報」が2ページある。

「朝日ビジュアルシリーズ」とあるように、枚数は少ないが大判の写真が魅力的。また、能郷白山の上空から琵琶湖方面を見た鳥瞰図が目新しい。(作成 2002-08-24)

  • 週刊・花の百名山25
  • 伊吹山・藤原岳・葦毛湿原

  • 発行:朝日新聞社
  • 2004(H16) 33p A4変形版 書誌

これで終了と思っていた続日本百名山のあとに刊行された30冊のうちの一冊。

それぞれに田中澄江が引用され、山毎に数種類の花の写真が掲載されたカタログのような本。藤原岳はフクジュソウの山として紹介されている。(作成 2004-12-25)

  • みーな 琵琶湖から 90号
  • 特集 一目霊仙!

  • 発行:長浜みーな協会
  • 2006(H18) 72p A4

長浜市に所在の地域情報紙。季刊で、湖北地域の自然、寺社、特産品、習俗などを紹介している。

特集内容は、霊仙七ヵ別院である松尾寺の発掘調査、「霊仙祭り」と「お池」、木彫りの里・上丹生、及び霊仙三蔵の紹介、カナヤ・西出商店のインタビュー、並びに霊仙三蔵記念堂の建設経緯など地元編集ならではのもの。(長浜みーな編集室バックナンバー案内、作成 2012-12-22、改訂 2014-08-02)

  • 週刊・ふるさと百名山45
  • 御在所岳・霊仙山

  • 発行:集英社
  • 2011(H23) 34p A4変形版 書誌

「山と溪谷社が選んだ」百名山。アカヤシオの開花時期に合わせるように店頭に並んだ。しかし、そのアカヤシオが咲く御在所岳の表紙写真は青っぽくて異様な色だ。咲いている花も少ない。製作態度に対する不信感が噴出する面構えである。

コースガイドは、御在所岳が山頂周遊、中道・裏道、一ノ谷新道・国見尾根。霊仙山が谷山谷、南西尾根。御在所岳周辺の奇岩・怪石の不思議4ページ。湯の山温泉、浅井三姉妹と霊仙山、水と生きる醒井が各2ページなど。(作成 2012-07-28)

  • NAGI vol.93
  • 巨岩に会いに行く

  • 発行:月兎舎
  • 2023(R05) 104p A4 書誌

「三重を刺激する大人のローカル誌」。2023夏とある季刊雑誌。

特集「巨岩に会いに行く」が50ページ分ある。鈴鹿関係では御在所岳、入道ヶ岳(イワクラ尾根)、仙ヶ岳、羽黒山の巨岩(地蔵岩、オバレ石、ユルギ岩、キノコ岩、仏岩、仙の石など)が紹介されている。目新しいものはない。それ以外の三重県内の地域も定番が欠けているように思うが多数が紹介されている。(作成 2023-07-08)