鈴鹿:銚子岳・静ヶ岳
三岐鉄道・伊勢治田駅から治田峠、銚子岳、静ヶ岳、ホタガ谷を歩き、宇賀渓口のバス停へ下った。この山域はさすがに登山者に出会うことも少ない。ただし、宇賀渓は人だかりではあった。今回、始めてデジタルカメラを山歩きに持参した。
- 登山日
- 1998年11月22日日曜日
- ルート
- 伊勢治田駅-新町-治田峠-銚子岳-静ヶ岳-ホタガ谷-宇賀渓口バス停
治田峠


伊勢治田駅から青川沿いの林道終点にある登山口まで歩く。青川へ降り、堰堤を右から巻いて広河原に出る。靴を濡らして何度か流れを渡り、右岸の山道へ入る。やがて素堀のトンネルに出会った。短いが暗くてちょっと不気味。出口は銚子谷。左岸に渡って本流へ戻ると日丘稲荷(写真1)に着いた。鳥居の奥にある岩上には白木の小さな社が置かれているが壊れている。
広い草地を進むと伏流となった流れに降りる。右岸の踏み跡をたどると、前方の桧谷に何本もの倒木が現れた。今年の台風によるものか。左を見ると新しい踏み跡が斜面を登っていた。
本流を離れると、やがてジグザグに尾根を登り始める。掘り込まれた道には枯れ葉がつまっている。早く治田峠に着かないものかと思っていると、ようやく中尾地蔵(写真2)に着いた。登りに疲れて、そろそろ休憩したくなるところだ。昔の人もこの小さな祠の前で休んだに違いない。
しばらくすると落葉樹が多くなり、樹幹越しに風景が見え始めた。背丈ほどのササに入ると道は水平になるけれど、足下が北側に切れ落ちていて危ない。緩やかな登りに変わると治田峠に着いた。標識が多い。
銚子岳
治田峠から南へと逆光に光るササの中を緩く登る(第1ピーク)と、直ぐに大きく下降した。ササに乗った露が服を濡らす。

登りに変わり小ピーク(第2ピーク)へ出ると、青空の下に藤原岳や御池岳の展望が開けた。(写真3:御池岳と伊勢谷)展望が得られたのは、銚子岳まではここだけ。この付近でササは無くなり、冬枯れの木立の中を次のピーク(第3ピーク)へ着く。北面にわずかに雪が残っていた。そのまま苦しい登り続けると、またピーク(第4ピーク)へ出る。少し先に、銚子岳への分岐点があった。
銚子岳へは、まばらな木立の間に水平な道が続いている。真っ黒な土にヌタ場があり、少し登ると銚子岳山頂(1019m)に着いた。冬枯れの雑木に囲まれて、山名板がポツリとひとつあるばかり。
静ヶ岳
銚子岳分岐点から雑木の中を急下降する。ようやく前方の視界が開けると、伊勢側に銚子谷源流の大ガレが広がった。なおも下り、狭い鞍部に到着。

登りになると雰囲気が変わる。地形は二重山稜となり、緩やかな斜面には下草が芝のように広がっている。二重山稜の中央部は雑草が繁茂することもなく、黒っぽい地面が剥き出しになっているところもある。そして、池があった。(写真4)直径は10m位で浅い。この付近がセキオノコバなのだろう。
池を過ぎると静ヶ岳への分岐点になる。静ヶ岳への道は、池の真上を通過して少し戻るようにして登っていく。ただ、銚子岳と違ってヤブっぽい斜面をかなり登らなければならない。山頂(1088.6m)は南側が開け、竜ヶ岳から御在所岳、雨乞岳が見渡せた。付近には誰もいない。いつのまにか灰色の雲が広がり始めた。
帰路
静ヶ岳分岐点から浅いササの道を下降する。ヌタ場を見て下降を続け、鞍部へ着くと近江側から犬の声が聞こえる。すると伊勢側から続けて2匹が現れて近江側へ降りていく。猟犬だろうか、首輪に無線機のようなものを付けていた。
ササが密生し始めるが、それほど障害にはならない。最後にササを分けながら斜面を横断するところが少し悪いが、すぐに県境三叉路へ到着した。
雪雲が流れてきたのか、雪が降り始めて見る間に周辺が白くなった。竜ヶ岳はあきらめてホタガ谷の道へ向かう。ササの大草原を下るうちに雪は止んだ。谷へ降りるが紅葉は良くない。植林小屋を過ぎて尾根沿いのトラバースになると数ヶ所で斜面が崩壊している。これも台風の被害か。登山道が抜け落ちたところには丸木橋で補修がされている。
宇賀渓のバス停まで降りると随分と人がいる。この付近はにぎやかで土産物屋も店を開いていた。缶ビールを飲んで長い道のりを宇賀渓口のバス停へと向かった。
行程表
7:38 | 伊勢治田駅 |
8:55 | 林道終点、登山口 |
10:33 | 治田峠(休憩5分) |
11:34 | 銚子岳分岐点 |
11:41 | 銚子岳山頂(休憩10分) |
12:41 | 静ヶ岳分岐点 |
12:58 | 静ヶ岳山頂(休憩13分) |
13:57 | 県境三叉路(休憩6分) |
15:18 | 植林作業小屋 |
15:43 | 林道終点、登山口 |
16:00 | 宇賀渓バス停(休憩13分) |
16:52 | 宇賀渓口バス停 |