1. 鈴鹿山脈/登山日記
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  3. 2000年11月23日

鈴鹿:ハライド・国見岳

鳥居道山キャンプ場から鳥居道谷(鳥井戸谷)を腰越峠まで歩き、ハライド、国見岳へ登った。帰路は国見尾根を下り、岳不動から裏道へ出た。鳥居道谷には途中まで岳不動の参道(嶽参道)がある。しかし、一ノ坂で参道を右岸に分けると道はなくなり、腰越峠まで谷中を歩く。腰越峠から県境縦走路までは踏み跡があり、赤テープを頼りに歩けた。国見尾根、岳不動の道は一般登山道だ。

登山日
2000年11月23日木曜日
ルート
鳥居道谷-腰越峠-ハライド-国見岳-国見尾根-岳不動-裏道

鳥居道谷(下部)

写真1写真2 一ノ坂にて

鈴鹿スカイラインから、鳥居道山キャンプ場に入る。バンガローが建ち並ぶ舗装道を登ると地道に変わり、やがて堰堤の脇を通る。この道は堰堤の建設道路だったのだろうが、いまは草が茂り始めている。やがて、道は右下の谷へ降りて行くが、奥の2段の堰堤で行き止まり。少し戻ると左手に分岐する道があり、これへ入る。こちらは、下草が繁茂している。終点の堰堤の左端から山道が始まった。

山腹を水平に歩くと、すぐに小沢に出合って道が消える。そのままこの沢を水平に渡ると踏み跡が現れ、右手に見える本流の右岸の道となる。やがて、スギの植林が現れると道が怪しくなる。植林帯が始まった付近まで引き返すと、対岸に目印があったので渡る。明瞭な道が左岸にあり、やがてカマ跡と「岳不動、岳屋敷 嶽参道 割谷口、一ノ坂ヲ越エ嶽不動、国見岳ニ至ル」の標識に着いた。(写真1)

ここから、やがて右岸、左岸と渡り、枯れ葉に埋もれた小さな石碑(写真2)を見る。対岸へ丸木橋が架けられているが腐っている。ここが一ノ坂の入口。嶽参道は本流から左へ90度曲がり、右岸の石のゴロゴロする狭い谷を登っていく。

鳥居道谷(上部)

今日はここで嶽参道と別れて、そのまま本流を行く。岩の上を伝いながら遡ると両岸が迫って来る。流れが少し深くなるので、両岸の岩の上を慎重に選択して歩く。しばらくこの状態が続き、谷中に3m位の三角岩が現れると谷が広くなった。

穏やかになった谷では、たまに赤テープや古いペンキマークに出合うが、あてに出来にない。右岸沿いに遡ると右岸に広い川原があった。谷を離れて少し登ると、前方の樹間に腰越峠方向が開けて見えた。

写真3

本流に戻り、右岸沿いに谷中を歩く。左手に石積みが現れ、その上にはカマ跡。右岸に上がり、ヤブっぽいが歩けそうなところを適当に歩く。やがて、昔の道なのか道形に沿って歩くと自然と左岸に渡り、またカマ跡に出合った。

本流に戻って登る。勾配が増して谷中に大岩が現れると、知らぬ間に二俣の右俣へ入っていた。左俣も同程度の規模。陽があたる右俣を登る。伏流の谷は下生えは少ないが勾配はきつい。ようやく勾配が緩くなり、空き缶などが転がり出すと登山道に飛び出した。腰越峠のケルン(写真3)の北側、ハライドへの道だった。

ハライド

写真4 御在所岳

ハライド(908m)は腰越峠の東にある岩っぽい山。ケルンから明瞭な道があり、急勾配の踏み跡を登るとガレ場のような斜面に飛び出す。さらに、岩と低木の間を登り、なだらかな山頂に出た。

ハライド山頂からは、樹木に邪魔される東側を除けば、釈迦ヶ岳から御在所岳まで県境の山が良く見える。逆光のなかに御在所岳や国見岳が暗く立ち上がっていた。(写真4:御在所岳)

国見岳

ケルンから少し南へ歩くと、朝明渓谷への道を右下へ見送る。峠道は自然と左へ緩く下って行くが、直進方向の小尾根にはササの中に不明瞭だが踏み跡があり、やがて山腹を巻いていく。ここで、おばちゃん3人組とすれ違う。今日出会った最初の登山者だ。このあたりから、しばらくは急登に喘ぐ。背後の斜面をなにか獣が駆け下りて行った。続いて、おばちゃん2人組とすれ違う。結構、にぎやかではある。

ようやく尾根上の道に変わり、ササの中を緩やかに登り下りする。1081mがどこなのか解らないままに歩く。尾根の北側斜面は葉を落とした広葉樹林が広がっている。その中に白い花崗岩の露岩が目立つようになると、右へ道が分岐していた。これをたどると、すぐに大岩があり、北方向に展望が広がった。岩の上では一組の老夫婦がお休み中。銘板まで戻り、西へわずかで県境主稜線の縦走路(T字路)へ飛び出した。

左折して登り、ササから飛び出すと展望が広がる。前方の国見岳はまだ高い。左に花崗岩の露岩があり、黄色いペンキで「青井岳」とある。稜線の道をたどると左にガレがあり、国見尾根の天狗岩・ユルギ岩付近が良く見える。あとは、しばらくガマンの登りで国見岳山頂に達する。

国見尾根

写真6

山頂を辞して国見尾根を下る。登山者でにぎわう天狗岩・ユルギ岩を過ぎると一部に急下降があるものの、ほどなく尾根端部の下降点に到着。北の岳不動への道を下降する。観光協会の道標はあるが、一般登山道とは思えないようなガレた沢を降りる。これを降りると水流が現れて左折、谷を渡って左岸を下降すれば岳不動の祠(写真6)に到着する。

あとは沢沿いに下って、腰越峠の道に合流し、小さな五輪塔の横を通って裏道の藤内小屋へ到着。ベンチで休憩している登山者が多い。自動車を置いた鳥居道谷までは少し距離がある。

行程表

8:47鈴鹿スカイライン鳥居道山キャンプ場
9:33左岸のカマ跡、嶽参道の標識あり(休憩7分)
9:47一ノ坂への分岐。左岸に石碑、このまま本流を進む
11:29腰越峠(休憩4分)
11:47ハライド山頂
12:03腰越峠を出発
13:16県境縦走路のT字路
13:42国見岳山頂(昼食休憩8分)
14:42岳不動(休憩5分)
15:17藤内小屋
15:40鈴鹿スカイライン
16:02鳥居道山キャンプ場

追記 2012年9月17日

岳参道は支流(割谷)からの土石流で荒れた。国見尾根から岳不動への下降路も崩壊して不安定であり、通行止である。

(改訂/書式等 2012.09.17)