鈴鹿:入道ヶ岳
宮妻峡から入道ヶ岳へ登り、イワクラ尾根を西進して途中から奥ノ谷へ降りた。青空に枯れ葉が舞う様子を見ながら、ゆるゆると山道を歩く一日だった。
- 登山日
- 2000年11月26日日曜日
- ルート
- 宮妻峡-入道ヶ岳-イワクラ尾根-奥ノ谷-宮妻峡
新道
楓谷から宮妻峡への林道はほぼ全線が舗装・拡幅され、すれ違い困難なところは少なくなった。しかし、宮妻峡ヒュッテを過ぎると奥の広い駐車場まで短距離だがまだ狭い。

駐車場から西側の山の家へ降りて本流を渡る。この徒渉は水量が多いとやっかいかも知れない。上流を見やると紅葉は最盛期だ。
小石混じりの急斜面に取り付くと、石灰岩質なのか、岩に登山靴を乗せると滑りやすい。常緑樹が多い山腹道を大きくジグザグを切りながら登る。やがて土質の広い尾根になるが相変わらずの急登。(写真1)やがて勾配が緩くなると膝丈のササが現れる。樹木はシロモジが多く見られ、黄色い落ち葉が鮮やか。差し込む日差しが明るい。尾根が痩せてくると、前方に山頂部のササ原が望まれる。
そのササ原に入ると展望が開け、鎌ヶ岳から水沢岳までの稜線を見て登る。ササの葉の水滴がズボンを濡らす。右から林道経由の道が合流すれば北ノ頭までひと登りだ。
入道ヶ岳
鳥居のある山頂へは行かず、北ノ頭から奥ノ宮への細い踏み跡へ入った。奥ノ宮のピークから山頂を見やるとパラグライダーが飛び立って行く。そのうち、イワクラ尾根方面から団体がやってきたので入れ替わりに出発した。
イワクラ尾根

イワクラ尾根は入道ヶ岳と県境の鈴鹿主稜線を結んでおり、途中に2つの鞍部があってアップダウンが激しい。その中間に仏岩と重ね岩の2つのイワクラを乗せたピークがある。
入道ヶ岳からは北側が切れ落ちた道がしばらく続き、滑りやすいので慎重に下る。やがて、3mくらいの岩が現れて小さな鞍部になった。南側はゆったりした松ノ木谷の源流部(写真2)で紅葉が美しい。ここから少し下ったところが第1鞍部である。
鞍部から明るい道を登る。尾根上の道は所々で小規模に崩壊しており、あちこちと付け替えられている。勾配が緩やかになると重ね岩の前に飛び出した。北側の展望が広がり、鎌ヶ岳の左に仏岩の頂部が見えている。その仏岩からも北側の展望が広がり、雲母峰を背景にして三角の岩が座っている。この付近が中間ピークの頂部だろう。再び下って第2鞍部に降りる。
奥ノ谷

この鞍部は奥ノ谷への下降点であり、足下には朽ちかけた道標が残っている。右(北)の谷へ降りる。付近は花崗岩質に変わっており、白っぽい砂に落ち葉が重なっている。踏み跡が分かりにくいが、赤テープがあるのでこれ拾いながら降りる。
やがて水が現れ、右岸から小滝の前を左岸に渡る。この細い道はやがて小広い谷へ降りる。
すると、わずかの風に、青空から黄色い葉がいっせいに落ちてくる。陽の中にきらめきながら次から次へと落ちてくる様に立ち止まると、谷の中央にその木を見つけた。(写真3)根元から5つの幹が均等に伸び上がって頭上に枝を広げている。北向きの谷だがこの付近は日が射し込んで明るい。しばらく青空に散る黄葉を見ながらたたずんでいた。飽きることなく。
この木からすぐに右岸へ渡り、再度左岸に渡ると右下に堰堤を見て林道に飛び出した。
林道・水晶山
奥ノ谷から直ぐに水沢峠の登山口である。標識が増えて分かりやすくなっている。ゲートを過ぎると水晶山の標柱に出会った。急斜面を木の幹をつかみながら20mくらい登ると岩壁が現れ、奥行き5mくらいの採掘口が見える。周辺には、きらきらとした小さな雲母のかけらが散らばっている。足場が悪いので早々に退散した。標柱から往復20分足らずだった。出発をした駐車場までは、わずかの距離だ。
行程表
9:40 | 宮妻峡駐車場 |
11:16 | 北ノ頭 |
11:23 | 奥宮(休憩10分) |
12:07 | イワクラ尾根:第1鞍部 |
12:22 | イワクラ尾根:重ね岩(周辺散策16分) |
12:40 | イワクラ尾根:仏岩(休憩14分) |
13:01 | イワクラ尾根:第2鞍部、奥ノ谷へ |
13:30 | 小滝の前を左岸へ渡る |
14:00 | 林道(休憩8分) |
14:35 | 水晶山 |
15:04 | 宮妻峡駐車場 |