1. 鈴鹿山脈/登山日記
  2. 山行記録
  3. 2001年7月14日

鈴鹿:仙ヶ岳南尾根・滝谷不動

坂本から延びる林道を奥へ入り、矢原川の高巻き道を定穴、不動滝、法印のコバを経由して、仙ヶ岳南尾根の滝谷不動へ登った。帰路は通常の南尾根登山道である。矢原川のルートは林道終点付近から法印のコバまで一般登山道でない。

登山日
2001年7月14日土曜日
ルート
矢原川-法印のコバ-滝谷不動-営林署小屋

仙ヶ岳登山口バス停

安楽川沿いの車道を快調に走行していると、池山集落を通過して安楽越の道に入って行く。第2名神の工事用道路が出来てからは、池山終点のバスがさらに奥まで入るようになった。工事中の橋脚群を通り過ぎたところにある終点の「仙ヶ岳登山口」バス停は、昨年から新しく置かれたもののようだ。

ここには亀山市が設置した石水渓観光案内図があり、定穴、不動滝、法院小場も記載されている。しかし、「鶏仙尾根」との記載もあり、「法院小場」の漢字表記も信用する気になれない。自動車を停めて東海自然歩道を坂本へ向かった。

写真1 茶畑 「矢原川本谷」の標識

コンクリート舗装の自然歩道は矢原川を小さな橋で渡る。登り坂になり、右手に棚田が現れると坂本集落が近づいてきた。自然歩道は電線が東西方向に敷設された変形十字路で右折するが、矢原川へ入る林道へは左折である。建物の脇を通り抜けると樹下の道になり、やがて地道に変わった。現役の林道だが軽四輪でないと入れそうにない。

変形十字路から20分で右カーブがあり、小さな茶畑が現れた。ここに「矢原川本谷」(イセ愛山会)の小さな標識がある。(写真1)林道は少し先のスギ林の中で終点になっていた。

矢原川

標識から小尾根を真っ直ぐに下って本流へ降りるが道がない。付近の植林帯を探すが不調。仕方なく標識付近へ戻って再出発とした。

標識から良い踏み跡が小尾根を下降している。途中から右折して、茶畑の南西隅から本流へ降りていく。途中の赤いプラスチック杭から右下を覗くと、狭い谷に小さな堰堤が見える。斜面を下ってその上流側へ降りた。両岸とも道はないようだ。植林帯など利用して上流へ向かう。左岸を歩いていると、二俣を通り過ぎたところで薄い踏み跡を見つけた。林道の終点付近からここへ下降してくるのかも知れない。いずれにせよ植林作業に使われていた踏み跡だ。対岸へ渡り左俣に沿って歩くと再度、二俣が現れる。これも左俣へ入る。これが、不動滝、滝谷不動への支流(本流?)だ。

薄い踏み跡は5mの暗いナメ滝の左岸を通るが、土質の斜面が崩壊していて気を使う。いったん谷のなかへ降りて適当に歩くと右岸の植林帯にカマ跡があり、そこから踏み跡が谷を離れて行く。直ぐにこの植林帯も終わり、雑木の中を歩くと静かな滝が現れた。付近に「一ノ滝」(同)の標識がある。

ここから左手の巻き道へ入り、やがて本流を高巻いて緩やかに登るようになる。踏み跡は狭いが、道らしくなってきた。目印のテープ類も目立ち始める。対岸には野登山の鉄塔が望まれるが、高度計の数字はなかなか上がらない。

定穴・法印のコバ

写真2 定穴分岐写真3 法印のコバ

道が小さな峠状になると左に踏み跡が分岐していた。風が良く通る。文字の消えた標識板があり、テープには「定穴」と書かれている。(写真2:定穴分岐)ここから僅かで、その定穴へ着いた。奥行き2m程の穴のなかに石像が置かれていた。

峠状へ戻ると再び川沿いの道になり、カマ跡が多い。やがて右手に不動滝が現れた。あまり水量は無く、水音もしない。左手の高巻き道を固定ロープを使ってよじ登ると、小広い「法印のコバ」へ着いた。(写真3:法印のコバ)

ここには、赤いヨダレカケの石仏4体があり、標識には消えかけているが、「宝印古○」と書かれているようだ。樹下のコバだが、見上げると快晴だった空には雲が現れたようす。雷雨になると厄介だという思いが頭をかすめる。休憩も取らずに滝谷不動への登り道に取り付いた。

滝谷不動

写真4 滝谷不動

鎖やロープの取り付けられた道を10分程で仙ヶ岳・南尾根の滝谷不動へ着いた。(写真4:滝谷不動)不動尊像の頭上の岩には、さらに3体の石仏がある。ここは展望が良いけれど、期待に反してまったく風が無くて暑い。不動像の湯飲みに水を注いで出発した。

帰路は、北側の鞍部から道標に従って西の谷へ下降した。仙ヶ岳へ登るつもりだったが暑くてやっていられない。この登山道にはロープや標識が多いが、石が多くて歩きにくい。やがて営林署小屋に着き、石谷川沿いの林道を歩く。自動車へ戻ると、ラジオからは東海地方も梅雨明けとのニュースが流れてきた。

とにかく暑かった。汗が滝のように流れ落ちる。これからしばらく、夏の鈴鹿登山はとても暑い。結局、山中で人に出会うことのない一日だった。

行程表

7:18仙ヶ岳登山口バス停
8:08林道終点の茶畑
9:09道が解らず、茶畑へ戻って再出発
10:08一ノ滝
10:27峠状、定穴への分岐に到着
10:43定穴往復、不動滝へ出発
11:01不動滝(11:01-11:10)
11:16法印のコバ(宝印ノコバ)
11:32滝谷不動(11:32-11:42)
12:21営林署小屋
13:11仙ヶ岳登山口バス停

追記:2019.11.27

法印のコバ、定穴などの大きめの写真を「写真:仙ヶ岳・滝谷不動と周辺の石仏」に追加した。

(作成 2001.07.15、追記 2020.01.01)