1. 鈴鹿山脈/登山日記
  2. 山行記録
  3. 2002年3月30日

鈴鹿:焼尾山

鈴鹿北部・鞍掛峠の北に922mの標高点があり、登山地図(昭文社)には焼尾山と記載されている。ここから東に伸びる尾根には送電線が敷設されており、その巡視路を利用して山麓の中部電力・三重開閉所から山頂を往復した。

登山日
2002年3月30日土曜日
ルート
東尾根・北ルート-焼尾山-東尾根・南ルート

送電線の概要

手もとの1/25000地形図(CD-ROM版・平成9年4月)では、国道365号線の船原付近から送電線が西進し、途中で南北の2ルートに分離して鞍掛峠へと併走している。これが三重東近江線である。一方、地形図に記載されていないが、この送電線の北側に平行して、新しく三岐幹線が敷設されている。こちらは、上記の分離点付近から北の烏帽子岳方面へと方向を転じている。

登山ルートは、三重東近江線の巡視路を利用するが、送電線と同様に途中で南北の2ルートに分離する。ただし、北のルートは一部で良くない。なお、鉄塔番号は西へ行くほど大きくなり、南北に分離後は北の鉄塔にR、南のものにLの記号が付く。

往路

写真1

国道365号線は藤原町・篠立集落の南で緩くカーブしている。この付近の国道の東側にチェーン脱着場・篠立パーキングがある。南端の電話ボックス付近から舗装路が西へ下っており、右手の三国谷対岸に廃墟のような白石工業の工場が見えると、左手にある中部電力・三重開閉所の外周道路が南へ分岐している。

三重開閉所を中心にして外周道路を時計方向に廻り、開閉所西側の林道終点に着く。この道路は「地蔵ヶ平跡」の石碑付近から狭くなるが、終点まで舗装されている。(写真1)

林道終点で黄色の巡視路標識「三岐幹線No2」に従ってスギの植林帯へ入る。黒いプラスチック階段の巡視路を登り、苦もなく展望の良いNo2鉄塔に到着する。鉄塔には「平成10年6月建設」の銘板がある。ここから尾根上の巡視路を西へ向い、「三岐幹線No3」「三重東近江線No17-2」の標識がある分岐に到着。南へわずかでその鉄塔に着く。サルが1匹、鳴き声をあげながら雑木林に消えていった。

写真2

標識へ戻り、尾根の南側を緩やかに登ると「三重東近江線No18」の標識が左下、少し先で「三岐幹線No4」が右上を指しているのに出会う。No18は最上部が朱色に塗られた鉄塔で、ここから送電線は南北に分離して西へ併走している。No4鉄塔は小さなピーク上にあり、360度の展望が得られる。(写真2:犬返し谷)この鉄塔を最後に、三岐幹線は三重東近江線を離れ、北の烏帽子岳方面へと向かっていく。

標識に戻り、カマ跡を見ながら尾根の南面を水平にトラバースして行くが踏み跡は薄い。尾根上の道になると、「三重東近江線NoR19」の標識が右を指し、すぐに「三重東近江線NoR20」と「NoL19」の標識に出会う。ここが、巡視路の分岐点である。R20鉄塔への巡視路は、右下の細谷を横断し、北側の送電線(R系列・北ルート)に沿っている。一方、L19鉄塔への巡視路は、そのまま尾根を登り、南側の送電線(L系列・南ルート)に沿う。

北ルートへ入り、ヤブっぽい細谷を左岸へ渡って、滑りやすい粘土質の急斜面をジグザグに登る。時折、黒いプラスチック杭が残っているが、巡視路は跡形もなく崩壊している。ようやくR20鉄塔に到着してホッとする。もう一度、この道を登る気にはなれない。南側の尾根にはL20鉄塔が見え、あちらを登れば良かったと後悔する。銘板は「昭和47年4月建設」となっていた。

次のR21鉄塔は標高点786m付近だろうか。西へ降りたところに「三重東近江線NoR22」の標識が南向きに設置されているが踏み跡は消えた。南へ小谷が下降しているので右岸沿いに下降して、先ほど横断した細谷の源流部へ降りると標識に出会った。僅かに雪が残るこの付近は気持ちの良い雑木林だ。小さな鉄橋を渡って谷を西進すると尾根に上がって南ルートに合流した。南側は植林帯になっている。

ここは、北ルートと南ルートが出会う十字路である。L22鉄塔へ向かう南ルートは、ここから植林帯を下降して鞍掛峠へ行くようだ。標識に従ってR22鉄塔へ向かう北ルートを登る。後は明瞭な道が焼尾山の山頂まで続いていた。

焼尾山

写真3

焼尾山の山頂部は尾根上の通過点でしかなく、はっきりとした山頂でない。曇り空で風が強く、とても寒い。谷筋に雪が残る御池岳も山頂部は雲の中である。

西の県境稜線まで行き昼食とした。僅かだがショウジョウバカマやバイカオウレンの花が咲いていた。イワウチワの群落はツボミが膨らみ始めた。開花が楽しみだ。(写真3)

帰路

写真4写真5

南北ルートの十字路まで引き返し、帰路は南ルートを選択した。少し登ってL21鉄塔に到着。ここから明瞭な巡視路(写真4)を下降し、L20鉄塔に着く。このさきは北斜面が伐採された尾根を下降する。伐採地の下部で尾根から北へ降りるが、しばらくの間、踏み跡が薄くて分かり難い。鉄塔標識を見つけながら下降してL19鉄塔に降りれば、すぐに往路の南北ルートの分岐点に到着した。

「三岐幹線No4」の標識まで斜面をトラバースしていると、ようやく陽が差し始めた。ここで今年初めてのカタクリの花を見つける。今年はサクラの花も早かった。

「三岐幹線No2」からは南東へNo17-2鉄塔の巡視路があるが、これは行き止まりらしい。往路の道を北東へ降りる。夕日に照らされて三重開閉所の施設がくっきりと見える。(写真5)もう少し天候の回復が早かったらと思いながら林道に降り立った。

行程表

10:40林道終点
11:30三岐幹線No4鉄塔
11:55「三重東近江線NoR20」の標識、南北ルートの分岐点
12:28R20鉄塔(12:28-12:40)
12:48R21鉄塔
13:21南北ルートの十字路
13:42R22鉄塔
13:56焼尾山(13:56-14:32)
14:53南北ルートの十字路
15:33「三重東近江線NoR20」の標識、南北ルートの分岐点
16:22林道終点
(作成 2002.03.31)(改訂/書式等 2013.04.07)