鈴鹿:御所平・仙ヶ岳
三重県側の船石林道の終点から臼杵ヶ岳へ登り、ときに薄くなる踏み跡を御所平経由で仙ヶ岳まで歩いた。思い返してみると、約8時間の行程中に、一度も座っていないことに気付いた。ただ歩くばかりだったが、それでも山歩きは楽しいに違いない。
- 登山日
- 2002年10月27日日曜日
- ルート
- 石水渓-船石林道-臼杵ヶ岳-御所平-仙ヶ岳-白谷-石水渓
臼杵ヶ岳


工事中の第2名神の橋脚群を通り抜け、研修施設前の駐車スペースに自動車を置いた。石水渓のキャンプ場を通過し、東海自然歩道を左に分けて、直進する船石林道を岩坪川(白船谷)沿いに終点まで歩く。
終点の手前で左へ入る道(広場?)があるので、その終点から水流へ降りる。ちょうど二俣になっており、その中央に良い道が奥へ入っている。この道は、左の水流に降りて対岸へ渡り、また二俣になる。
臼杵ヶ岳が目標なので、この付近で谷を離れて左の植林帯に取り付く。道は無いがヤブも無い。急斜面を登れば、地形図にある尾根上の波線路へ登り着いた。明瞭な良い道だ。黄色テープがあり、船石林道へ降る道であることを教えてくれる。谷をはさんで、ウス岩・キネ岩が黒いシルエットを見せていた。(写真1)
この尾根道を登ると、ウス岩・キネ岩から県境へ至る道の途中に飛び出した。県境までわずかのところだ。このT字路には黄色テープが巻かれ、書き込みが丁寧に3方向を案内している。(ところが、今まさに登ってきた道を「仙ヶ岳」「御所平」と表示した標識など設置されていた。最近のものらしいが、このまま放置も出来ないので、仕方なく、標識は県境の分岐まで持って行き、枝に引っ掛けておいた。)
臼杵ヶ岳に立ち寄って、鈴鹿山脈の主稜線でもある県境を北上する。東側にガレが現れると、青空の向こうに、まだまだ遠い仙ヶ岳が左右対象の姿を見せる。(写真2)
御所平



植林や雑木の道を歩き、黒滝への分岐を示すテープマークが現れると、東側に傾いた小舟のように見える船岩に到着した。(写真3)ここからも展望が良い。
756mピークで御所平の全体を展望してから下降すると、小太郎谷源流部のササ原に下り着く。裸地の稜線に立てば、カール状の谷からササ原を波のように揺らして強風が吹きあがり、三重県側へと抜けていく。体ごと持って行かれそうだ。
ここから100m余りの高度差を一気に登って御所平の南端に着く。一帯にはササ原が広がり、滋賀県側にも展望が開ける。風が強い。風力発電装置が立ち並ぶ御所平を夢見る人がいるとのこと。そういう場所なのか。
ゆるゆると踏み跡を追えば、木立の中に「御所平」の標識を見つける。この付近が最高点のようだ。降りに変わるとネットフェンスが現れ、ススキが尾根を覆い始める。見やる仙ヶ岳も非対称の姿に変わった。振り返ればススキの穂が銀色に輝いていた。(写真5)
仙ヶ岳
樹林のなかを急下降して御所谷への下降点に降り、仙ヶ岳への登りに取り付く。尾根右側の植林帯が尽きれば、前方には紅葉におおわれた仙ヶ岳の西面が現れた。御所平を振り返って背丈のササへ入れば直ぐに山頂だ。
狭い山頂は人だかりなので通り過ぎ、展望の良い仙ノ石でおにぎりを1個ほおばる。第2名神は橋脚上に道路部分が姿を現し始めた。いまでこそ工事関係者の出入りが多いだろうが、完成すれば高い橋脚上の高速道路は周辺の集落とは全く無関係の存在になってしまいそうだ。
白谷の登山道を営林署小屋(廃屋)へ下降し、林道をダムまで歩く。ダムの下流側を石谷川へ降りて対岸の階段を上がれば、広い道があって石水渓のキャンプ場までわずかの距離だ。
行程表
8:07 | 駐車地 |
8:58 | 船石林道終点 |
9:52 | 臼杵ヶ岳(9:52-10:06) |
船岩(10:59-11:08) | |
11:36 | 葺谷下降点 |
13:10 | 御所谷下降点 |
13:54 | 仙ヶ岳・仙ノ石(13:54-14:12) |
15:40 | 営林署小屋 |
16:07 | ダム |
16:26 | 駐車地 |