鈴鹿:野登山
今日のルートは、野登寺の参道であった亀山市・鈴鹿市の境界尾根(中山道)。雪が止んだ1月2日の昼前から登ったが途中で退散している。境界尾根には参道の道形が残されてはいるが、取付部と最上部を除けば、倒木、枝、背丈を超えるササで大変に歩き難く、通れなくなった部分も多い。時折、石仏を見るが、いまは利用する人もなく、ヤブのなかに消えようとしている。なお、「中山道」の名称は「鈴鹿の山と谷」による。
- 登山日
- 2003年1月11日土曜日
- ルート
- 中山道-野登山-坂本道
中山道
先月、野登山に登ったとき、東峰の鉄塔周辺を歩いていると、南側に上野道の階段とともに良く歩かれた雰囲気の中山道の道形を見つけた。ただ、鈴鹿の登山道では至るところで見かける赤テープやヒモの目印もなく、最近は歩かれている様子がない。最新版の登山地図2種を見ると、一方は赤の破線、他方は赤の実線(冗談でしょうね)で記入されているが、ガイドブックには記載が見あたらず、登山記録を検索したが見つけられなかった。この参道の現在の状況を知りたくなり、出かけることにした。




亀山市の坂本集落から東海自然歩道を北上し、鈴鹿市へ入る。しばらくで源明川の小橋を渡って墓地(城ヶ峰メモリアル霊園パーク)へ出る。明るい雰囲気で、意外なことに伊勢湾が望まれた。中山道の入口は護岸工事が施された源明川右岸の植林帯である。
植林帯に入って川沿いに歩くと、10分で堰堤2つを通過する。左から斜面が迫ってくるが、川沿いに歩けば、その奥に広がる植林帯に入ることが出来る。再度、斜面が迫ってきたので、前回に見つけた目印の石仏を通り過ぎたことに気付いた。引き返して石仏(1)を探す。(写真1:石仏、1月2日撮影)高さ50cm程の石仏は、摩滅していて良くわからないが地蔵尊だろうか。首のところにひび割れがある。
この石仏の背後には谷が見えるが、登路は右の斜面にある。石仏を通り過ぎて、溝状の水路のような流れを跨ぐと、分かり難いが石仏から15m位のところから植林の斜面にジグザグの道がつけられている。これを登れば左からの市境界の尾根に乗る。尾根には参道の道形が残っているが、倒木を跨いだり、枝を潜ったりで体力を消耗するので、左右に現れる植林帯を利用して尾根沿いに登る。参道は、所々で背丈のササが茂って通過困難になっている。
左に植林帯を見て登っていると、再び石仏(2)を見つけた。(写真2)杖を斜めに持つ姿は行者のものか。交錯する植林作業道や獣道を見ながら参道を追っていると、今度は首のない石仏(3)に出会った。(写真3)蓮華座に乗る姿は観音菩薩か。周辺に頭部は見あたらなかった。
最後の石仏を通り過ぎて、雪が残る緩やかな鞍部へ降りる。前方の尾根にはササが茂って登れそうにない。右は谷が迫って水音が聞こえる。左には植林帯が広がっているが、参道がどこにあるのか分からない。前回は、前方の尾根の左手の谷沿いに歩き、植林帯が尽きたところのカマ跡から谷へ入って、左に分かれる谷を最後まで登りつめた。登り着いたところは、南から登ってくる尾根の標高670mほどの所だった。今回は、この谷のさらに左の尾根を直登してみる。途中で植林帯が終わり、これ以降は雑木とササの道だ。登り着いた尾根上からは、ほぼ真西に夢創庵の建物が見えた。
尾根を北に歩き、初めて現れた赤テープを見て、ササのなかを小さな鞍部に降りる。再び参道の道形が明瞭になるが、背丈のササにおおわれており、やがて見失ってしまう。尾根上に登って、最後の赤テープに別れを告げ、前回に引き返したところを通過する。しばらく歩くと、左にヤブのない道形(写真4)が現れたので、10cm前後の積雪の道を軽快に歩いて東峰の鉄塔に到着した。
山頂・坂本道



鉄塔の南側から上野道を東へ歩いて国見ひろばへ行く。北側からは一ノ谷の伐採地をはさんで展望が広がった。鎌ヶ岳の右に御在所岳のロープウエイ駅、左に御岳神社が見えて面白い。国見石(写真5)、雪に埋もれた石像(写真6)と三角点、鏡ヶ池を巡り、修理中の野登寺を訪れる。(写真7)この雪では修理作業に入れないだろう。人の気配はない。本堂右手の宝筐印塔から西峰の鉄塔を往復したが展望は良くなかった。
先行者の靴跡を追って坂本道へ入る。こちらは何の心配もない表参道の良い道だ。夢創庵の手前で車道へ出て、しばらく先で、雪が消えた山道へ戻る。付近に停められた軽四トラックが気になったが、少し降ると薄暗い木陰に猟銃を持った男が一人立っているのに気づいた。こんなところで鉄砲を撃たれてはたまらない。やがて左手から、はやしたてる人声と鈴の音が聞こえて来た。三カ所に石仏を見て足早に参道を降り、「鶏足山表参道コース」の標識が立つ東海自然歩道に帰った。
帰宅して三重県のサイトを覗いてみる。平成13年度から更新されていないが、「三重県の鳥獣保護区等」から位置図(ハンター・マップ)の亀山付近を見てみる。どうやら表参道の東側は禁猟区ではないようだ。やりたくはないが、ラジオでも鳴らしながら登った方が良いのかも知れない。鈴鹿登山には、それなりに良い季節なのだが。
行程表
9:10 | 中山道入口(東海自然歩道・車道) |
11:30 | 東峰(鉄塔) |
12:54 | 野登寺出発・坂本道へ |
13:50 | 東海自然歩道 |
追記 2012年7月28日
ハンターマップは三重県のサイトから消えてしまった。