鈴鹿:鎌ヶ岳
鎌ヶ岳を巡る谷道を歩いた。曇っていたので谷の色彩は冴えなかったが、涼しい山歩きを楽しめた。ルートは一般登山道だが、時期が中途半端なためか登山者の数は少なかった。
- 登山日
- 2003年9月6日土曜日
- ルート
- 長石谷-鎌ヶ岳-三ツ口谷
長石谷



冷夏に終わった夏休みだったが、皮肉なことに8月末から遅れた夏がやってきた。この時期は鈴鹿の山を歩く気になれないが、やはり1ヶ月の間、どこの山へも行けなかったので鈴鹿が恋しい。それではと、涼しそうな谷道を歩くことにした。
到着時刻が遅かったので、鈴鹿スカイラインの料金所跡は満車状態。付近に自動車を置き、旧料金所の西端から温泉街へ続く舗装路を降った。
一ノ谷の茶屋跡には、なにやら別荘が出来てしまった。これを通り過ぎ、民家の脇の標識から長石谷の登山道へ入る。(写真1)三滝川を狭い鉄橋で渡り、長石谷左岸の登山道を歩く。右上に植林帯を見ながら高巻き道を遡り、長石尾根へ登る道を右後方へ分ければ砂防ダム上流側の河原へと降りていく。
なおも左岸に高巻きの道が続くが、間もなく谷へ降りて道が無くなる。谷の中には小滝(写真2)などあるが歩きやすい。時々、両岸に道が現れるが、あとは気分次第でルートを選ぶ。つま先を濡らして、せせらぎの中を歩くのが楽しい。ヤマジノホトトギスやミカエリソウが咲き始めていた。
犬星の大滝を右に見送ると、涼しい風が谷を吹き下ろしてくる。気分は極楽なり。水音が消えて伏流になると、岩がゴロゴロする谷を階段のように登る。(写真3)墓石のような岩には、稚拙な文字で書かれた古い落書きが醜態をさらしている。以前は読めなかったが、おかげさまでこの手のボキャブラリーが豊富になったせいか「○○バス山岳部」と読めた。やがて、胸丈ほどのまばらなササが現れると岳峠へ登り着いた。
鎌ヶ岳
峠に立てば西風が吹き通る。汗をかいた体には冷たいほど。足下にホツツジを見て山頂へ登った。少し時間が遅いためか山頂の登山者は10人ほど。そして、滋賀県側の山々は雲の中。しばらく座って山頂の涼気を吸い込んだ。
三ツ口谷

山頂直下の鎖場を慎重に降りて武平峠の方へ向かう。あまり足場の良くない県境の登山道をゆるゆると歩いて花の写真を試みるが、いつものことで全部ピンぼけ。自動焦点では難しが、まだ一眼レフのデジカメには手が出せない。
ガレ場へ出れば、緩やかな斜面が三ツ口谷へと降っている。遠くに銅鑼の音を聞いた。御在所岳の山頂からのものか。以前、ここには三ツ口谷を示す小さな標識があったが見当たらない。そのかわりに赤いペンキマークがある。前方に御在所岳のロープウエイ鉄塔、右手に荒々しい崩壊地(写真4)を見ながら、ススキの斜面につけられた道を降る。ほどなく水音がするようになるが、伏流に変わり、再度水音を聞くと右岸側の長石尾根からの道を合わせた。
よく歩かれた高巻きの山道を降っていくと、テープなどあって大滝へ急下降する道が右下へ分岐しているが、難儀なのでそのまま山道を歩く。三ツ口谷の登山道はほとんどが高巻き道で長石谷のように谷中を歩く機会は少ない。
三滝川と合流する堰堤では、水遊びのグループがゴムボートを浮かべ、奇声を発しては堰堤から飛び降りている。改修工事後、周辺は公園のように整備されたが、はやくも最下部では土砂が流され、階段はハードルのように地面から飛び出していた。
行程表
10:04 | 長石谷登山口 |
11:07 | 犬星の大滝(11:07-11:18) |
12:36 | 岳峠 |
12:55 | 鎌ヶ岳(12:55-13:10) |
13:35 | ガレ、三ツ口谷へ |
14:48 | 堰堤・鈴鹿スカイライン |