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鈴鹿:竜ヶ岳

宇賀渓から金山尾根(ホタガ谷西尾根)を登って竜ヶ岳へ。帰路は石槫峠へ降り、小峠から砂山の縦走路を歩いた。金山尾根のルートは下部は良い道だが、上部ではササのなかに消えてしまい、最後に肩丈のササ原を通過してホタガ谷からの登山道に飛び出した。これといった危険箇所もなく、ササにおおわれた上部の広い尾根はゆったりとして良い感じだった。

登山日
2003年9月27日土曜日
ルート
宇賀渓バス停-金山尾根(ホタガ谷西尾根)-竜ヶ岳-石槫峠ー砂山-宇賀渓バス停

金山尾根まで

写真1

地形図には、宇賀渓の山コースから分かれて尾根を途中まで登り、西の蛇谷へ降って途切れる破線路が書き込まれている。この尾根が金山尾根であり、ホタガ谷からの登山道が通過する1042m標高点の「クラ」に達する。

金山尾根については、「鈴鹿の山と谷」に簡単な記載があり、尾根上部に金山というピークがあると書かれている。また、竜ヶ岳・砂山に詳しいサイト「すずかハイキング」にはその詳細があって、私の「いつか登りたいよ!リスト」に入っていた。今月に出版された西内正弘氏の2冊目「地図で歩く鈴鹿の山」ではホタガ谷西尾根(仮称)として紹介されていたので、これを機会に出かけた。

今日は上天気。あまりに浮かれたせいか、肝心の山行前半の写真を喪失。以下、いつも以上に寂しいページになってしまった。

宇賀渓バス停の少し手前に自動車を置いた。15台分ほどの駐車スペースは満車状態。バス停周辺の有料駐車場は便所もあり、80台位を収容できるが、まだ10台ほど。

土産物屋の間を通り、宇賀渓への林道を終点まで歩く。ここで、裏道登山道(ホタガ谷)と宇賀渓の道に分かれるので宇賀渓へ入る。すぐに橋(白竜吊橋)を2つ渡り、魚止滝に立ち寄ってから登山道を行けば、山コース・川コースの分岐に出る。山コースを行けば再び川コースとの分岐になる。ロープがある山コースの岩道を登ると、勾配がゆるくなって尾根を小さく西へ越えるところがある。ここが金山尾根への入口で、右上へ良い道が登っていた。

金山尾根

樹下の明瞭な道を登る。しばらくは赤テープもあるが少ない。マツが多い白砂の尾根に出ると、竜ヶ岳山頂部の展望が開けた。風が吹き通って涼しい。やがて、道は尾根を離れて左の蛇谷へと分かれていく。尾根上には薄い踏み跡が続く。狭くなった尾根を低木の間を潜るように登ると10分余りで様相が一変して、広い尾根へ出た。シカが逃げていく。右下の斜面はスギの植林帯だ。高木が立ち並ぶ尾根上では踏み跡は消えるが、どこでも自由に歩ける。

再び尾根が狭くなり、左の源流に沿うように緩く左折すると、岩がゴロゴロする広い斜面の急登に変わった。ここは高度840m位で、アケボノソウなど咲いていた。これを登り切ると、おだやかな広い尾根になる。このあたりの階段状のピークが金山なのかも知れない。いくつかヌタ場を見る。ときにはケモノの臭いがきつい。膝丈のササが濃くなり、ケモノ道を使って登るうちに、右にホタガ谷や遠足尾根のササ原が見え始めた。

写真2

ホタガ谷の登山道には、ササ原が始まるところに数人の登山者が立ち止まっている。ササ原を見上げているのだろうか。

樹林帯が尽きて、一気に展望が開ける。踏み跡のない肩丈ほどのササ原を泳いで北西へ登る。左に山頂、その向こうには雨量レーダーを乗せた御在所岳が見えて何だか楽しい。やがて右から話し声が聞こえたので行ってみると、ホタガ谷からの登山道へ飛び出した。クラの少し東だった。

竜ヶ岳・石槫峠

写真3写真4写真5

青空の下、緩やかに起伏する広大なササ原。前方の斜面には、逆光に光るササが風に波打つ。背後には静ヶ岳。登るに従って、御池岳、藤原岳がせり上がってくる。そして、登山道には山頂を目指す登山者たち。(写真2)Tシャツに秋の風は少し冷たいが、気分は最高、久しぶりに竜ヶ岳へ来て良かった。

山頂では切り開きが広げられていたが、荒れはしないか心配になる。(写真3)しばらく展望を楽しんでから、石槫峠へ向かった。

モウチ谷の大ガレを見下ろして水平の道を歩き、最後に山頂(写真4)を振り返って勾配を増す登山道を降る。重ね岩(写真5)を過ぎると、所々で雨水に削られた道になって相当に歩き難い。それでも、石槫峠から出発したものか、多くの登山者とすれ違った。

石槫峠直前の永源寺ダム石槫雨量局のネットフェンスに、人目に触れにくいが狩猟に関する貼り紙があった。

地域安全ニュース 2001.10.30発行
員弁地区生活安全協会
登山される方へのご注意
平成13年11月15日から狩猟が解禁され藤原・鈴鹿山系(竜ヶ岳~藤原岳~御池岳一帯)は狩猟区域になっています。
猟友会では充分注意していますが、登山者は次のことに注意してください。

1 登山コースをはずれないようにする。
2 もしはずれた場合は鈴をつけたり、ラジオをかけるか、声を出したり目立つ服装をするなどして人であることを相手に判るようにする。
3 猟区の危険なコースには単独では入り込まないようにしてください。
員弁地区生活安全協会・員弁警察署

砂山

写真6写真7写真8

石槫峠(写真6)から国道421号を伊勢側へ降る。石槫峠と同じく、通過車両の車幅(2m)制限用に設けられたコンクリート障害物に出合うと、その先の左手に宇賀渓への指導標がある。さらに、すぐ先で国道が小尾根を削って通過しているところが小峠だ。ただし峠らしくはない。ここで、ガードレールが始まるところから熊谷の道が降っている。鵜峠橋・白竜神社の標識が、古い山火事予防の看板の下で夏草に埋もれていた。

小峠から東へ続く尾根上には、砂山へ続く踏み跡がなかばササに埋もれて残っていた。しかし、樹下のピークに出るとそれも消える。北東へ降る小尾根に古いテープがあったので、これを降ると砂山の登山道に飛び出した。直ぐ下には、登山道整理番号86の標識があった。ゆるやかに降って登り直すと、露岩のあるピークに出る。竜ヶ岳南東面の展望は、砂山より良い。(写真7)

展望が広がる砂山で休止後、砂山を縦走する尾根道を歩き、途中で遊歩道に飛び出したので、そのまま標識を確かめながらバス停へと降った。歩いた範囲内では、この広い遊歩道は良く整備されており、崩壊箇所もなかった。

バス停周辺では数件の土産物屋は営業しており、駐車場にも料金徴収係のおじさんがいた。登山者は少ないが、地元の人なのか、自動車の出入りが意外と多いようだ。

帰宅後、購入して間もないGPSのトラックログをカシミール3Dにダウンロードして眺めてみる。なかなか使えるようだ。

行程表

8:55駐車地
9:20林道終点
9:38金山尾根・入口
10:11蛇谷へ道を分ける
11:30ホタガ谷の登山道に出る
11:59竜ヶ岳(11:59-12:22)
13:35石槫峠
13:52小峠
14:41砂山
15:48宇賀渓バス停
(作成 2003.09.29)(改訂/書式等 2013.05.19)