1. 鈴鹿山脈/登山日記
  2. 山行記録
  3. 2003年11月2日

鈴鹿:雨乞岳

近江側(永源寺町)の岩ヶ谷林道から千種越えの道を歩き、杉峠経由で雨乞岳へ登った。
鈴鹿を横断する旧街道は人の気配が薄く、少しバテ気味であったためか、紅葉のなかを夢見心地のうちに帰ってきた。

登山日
2003年11月2日日曜日
ルート
岩ヶ谷林道-杉峠-雨乞岳(往復)

千種街道

写真1写真2 桜地蔵写真3写真4写真5

鈴鹿の山登りを再開した1995年の夏だったと思う。平日、甲津畑から竣工して間もない鳴野橋まで入り、林道工事が続く対岸を見て自動車を停めた。ところが、夏草に覆われた側溝に脱輪し、悪戦苦闘の末に山仕事の人に助けられた。結局、登山どころではなかった。それ以来、この林道には立ち入っていない。

以降、鈴鹿の近江側へはほとんど出かけることがなかった。しかし、そろそろ「呪い」が解けても良さそうに思う。まずはリターン・マッチに出かけた。

甲津畑集落の直前で、集落の北側を回り込む林道へ入る。この舗装された広い林道が送電線の下を通過すると、右に岩ヶ谷林道の入口(写真1)がある。走行してきた林道は直ぐに鳴野橋(平成4年竣工)を対岸へ渡り、1キロほどで終点になっている。

岩ヶ谷林道の入口付近には、すでに自動車が7台置かれていた。時刻は間もなく10時、到着が遅れてしまった。標識には杉峠まで3時間とある。

軽四自動車の轍が残る岩ヶ谷林道を黙々と歩く。この狭い林道を30分余りで桜地蔵(写真2)の前を通過した。しばらくで小さな鉄橋を右岸へ渡るが、この付近が軽四自動車で入れる限界のようだ。しかし、歩くには何の問題もない良い道が植林帯のなかに続いている。

「塩津々古屋敷」の標識を過ぎると植林帯が終わり左岸へ渡る。「蓮如上人御旧跡」(写真3)、「大シデ」の標識を見て、驚くほど良い道を歩けば、斜めになった丸木橋を右岸へ渡って山道らしくなる。鉱山関係のものか、あちこちに石積みを見ては登っていく。雲は多いが青空ものぞいており、日差しを受けた紅葉がきれいだ。カマ跡も多い。

林道入口から杉峠まで標高差は600mほど。しかし、仕事で午前様が続いたせいかバテ始めた。後ろから来た若いカップルに追い越されて、ようやく杉峠(写真4)へ到着。峠のスギはまだ無事に残っている。

雨乞岳

写真6

雨乞岳35分の標識に背中を押されて急斜面に取り付く。すれ違う登山者が多くなる。展望が広がる稜線(写真5)を歩き、最後に背丈のササのなかを歩いて雨乞岳山頂に到着した。

2組の高年夫婦が互いに記念写真を取りあっているのを見ながら、狭い切り開きの隅に座っておにぎり1個。西側のササが雑木とともに刈り払われており、少し展望が効くようになっていた。あまりやり過ぎると、大峠の沢に影響が出ないか気にかかるところ。手を加える必要もなかろうに。

鈴鹿の主稜線は雲に隠れてしまった。近江側はどうやら雨雲のようす。気象衛星「ひまわり」が使えないためか、最近の天気予報はあてにならない。早々に下山することにした。

下山

写真7

杉峠へ降るが、やはりすれ違う登山者は多い。しかし、杉峠の西側は人影が薄い。皆、伊勢側の朝明や武平峠からの周回なのだろう。

小雨が降り出した。落ち葉が雨に濡れて、地面の色彩が鮮やかに変わる。大型ザックを背負った登山者とすれ違った。私もザック・カバーを取り出す。昔日の往来の有様を思い描きながら、紅葉の道をゆっくりと帰った。

行程表

9:47岩ヶ谷林道・入口
10:43塩津
12:00杉峠
12:48雨乞岳(12:48-13:00)
13:35杉峠
15:36岩ヶ谷林道・入口
(作成 2003.11.03)(改訂/書式等 2012.11.18)