鈴鹿:鳩ヶ峰
小岐須渓谷・山の家を起点にして、野登山の東方にある鳩ヶ峰(710m)へ北尾根から登った。見どころは石大神(しゃくだいじん)だが、採掘範囲を拡大した鉱山の中にポツンと取り残されて、哀れな姿をさらしている。
- 登山日
- 2004年3月27日土曜日
- ルート
- 小岐須渓谷・山の家-北尾根-鳩ヶ峰-マド-一ノ谷-山の家
記録
小岐須渓谷・山の家の付近から御幣川対岸の石大神を仰ぎ見る。(写真1、2)おそらくはご神体そのものであろう巨大な岩峰は、周辺を削り取られており、石灰鉱山の白い岩膚が目立つ。ようやく平成8年に三重県の天然記念物に指定されて保護されてはいるが手遅れだった。その尊厳も同様に削り取られてしまったかのようだ。




さらに、その背後の鳩ヶ峰も3つの鉱山にすそ野を削られて、相当にすさまじい姿を朝日のなかにさらしている。
御幣川を渡って一ノ谷の登山道へ入る。すぐに、許可年月日などが消えた「砂防指定地内作業等許可標識」に出会って、一ノ谷登山道は右折して行くが、今日はそのまま直進して鳩ヶ峰北尾根の斜面を登る。
間もなく左に立入禁止の標識が現れる。ひとむかし前には、この付近から石大神の下へ行った記憶があるのだが。
さらに登ると左に石大神へむかう道が現れた。まだ、歩くには支障がない。やがて、周辺がホコリぽくなると鉱山のベルトコンベアの前に飛び出した。その向こうに石大神の頂部が見え、その背後には山の家から見上げた鉱山が広がっていた。
土曜日で鉱山が稼働していないので、西端の道をジグザグに登って適当なところから北尾根へ戻った。(写真3,4)
鉱山の最上部は、地形図のとおり標高580mほどのピーク。白い石灰岩が階段状に削り取られている。展望は良いが、下方の石大神はもう見えない。
ここからは緩やかになった尾根を登る。場所によっては曖昧になるものの、道と言って良さそうな踏み跡が続いていた。
鳩ヶ峰北側の700m余りのピークに登り着けば、冬枯れの樹林に陽が差して良い感じ。アセビの花が咲き始めているが、足下にあるのはトリカブトの葉とネコノメソウばかりて期待はずれだった。
鳩ヶ峰から西の鞍部である「マド」へ降り、一ノ谷の登山道を下降した。まだ、時間があるので雲母峰へ向かうことにした。
行程表
9:09 | 小岐須渓谷・山の家 |
10:48 | 鳩ヶ峰 |
11:01 | マド |
12:16 | 山の家 |
備考
三重県のサイトによれば、県の文化財指定は次のとおり。
指定種別 天然記念物
指定登録日 1996(H8)年3月7日
所在地 鈴鹿市小社町字脇の山986-2番地
所有者 椿大神社