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  3. 2007年2月18日

鈴鹿:今須山・関谷雨壺神社

鈴鹿北端の東側は岐阜県の領域。旧上石津町・多良と関ヶ原町・今須の境界線には、今須山、ボンテン(犬ノ尾)、勢州峠と標高600mほどの山が並ぶ。南のコエドから勢州峠まで、暖冬で雪のない尾根上の林道をひたすら歩いて周回した。

登山日
2007年2月18日日曜日
ルート
岩須-コエド-今須山-関谷雨壺神社-勢州峠-勝地峠

コエド

上石津郷土資料館に到着したのは11時頃。林道歩きなので、多少は遅くなっても構わない。資料館の入館料は100円だったはず。郷土資料の小冊子などを有料で入手できる。建物南側の駐車場というか、広い空き地に自動車を置いて出発。岩須集落へ向った。

写真1写真2

背後の山が風除けの役目を果たすのか、岩須集落に入ると風が穏やかになった。舗装路を道なりに歩いて高所を目指せば、墓地から地道の岩須林道に変わる。

この林道を歩けば、直ぐに右へ緩やかに曲がるので行き過ぎたことに気づく。戻りながら対岸を探すと小さな谷が合流しており、コエドへの道と知れた。左に谷を見下ろしながら、歩き良い植林作業道をルンルン気分で行く。しかし、突然、斜面崩壊で道が消える。そういうものだ。

植林帯を巻くが、崩壊地の向こうには、それほど良い道も見あたらぬ。そのうち、谷底にカマ跡があり、紫色のヒモが見えたので降りる。対岸の尾根をそのまま登れば良かったのだろうが、等高線沿いの踏み跡に誘い込まれてタイムロス。

その尾根上には道型が残っており、西山集落からの良い道を併せてコエドに登り着いた。周辺に雪は無い。幾里谷対岸のソノドは雲の中だが、そちらには僅かに雪が見える。2月なのに、この有様は異常気象に違いない。

今須山

写真3写真4写真5

コエドから林道を北へ歩く。地形図に記載のない道があちこちで分岐するが、どれも現役の道らしい雰囲気がする。646mピークの北側に斜面崩壊があった。路肩が崩れて、ガードレールが切れている。狩猟期間には多くの自動車が往来するのだろう。轍が残されていた。

今須山(611m)の南側で、山稜が林道の高さまで降りているので山道へ入った。西側のコイト谷から乗り越す地点だ。東西の植林帯の間に残されたヤブっぽい尾根を登るが、踏み跡は途切れがち。シカの糞がたくさん散らばっていた。

山頂は平凡、展望もなし。山名板をぶら下げる物好きもいない。今須側の植林にはシカの食害対策なのだろう、根元付近にシートが巻かれた樹が並んでいる。

「鈴鹿の山と谷」には、今須山の他に「狼尾」が地名として上げられている。そんな雰囲気は残っていないが、旧上石津町・一之瀬の川東自治会がウェブサイトを設けており、「狼の恩がえし」などの昔話を掲載している。 人里に近い勝地峠付近の話らしいので、山奥のこちらはオオカミの巣窟だったのかも知れない。

山頂から町境界の尾根を歩いて林道へ降りた。尾根から林道に降りるとき、高度差があると困るのだが、ここは何とかなる。多良の盆地を見下ろして、林道を東へ歩く。

関谷雨壺神社

林道の左斜面に人が歩いた跡があり、テープの目印も見えた。関谷雨壺神社への入り口らしいが木杭が残るのみ。案内板は落ちてしまったようだ。尾根上を行けば、まばらなテープマークが北側斜面を緩く降りて行くが、何故か踏み跡は不明瞭だ。目指す神社は、関谷左俣へ東向きに飛び出す尾根の北面直下、標高620mあたりにあった。源流部には違いないが、谷筋からは離れている。

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柵に囲われた中に大樹があり、その背後に雨壺の穴が上下に2つ並んでいる。ここより下には、一升瓶が転がる小広い台地があり、なかば崩壊した小祠が残されていた。今朝、この付近は小雨が降っていたはず。雨壺を覗くと少しは水があるようだ。落ち葉が入っていないので、誰か掃除をする人がいるのだろう。なお、付近に池は見あたらなかった。

勢州峠

ボンテン山頂部の鉄塔からは、強風のため笛を吹くような高い音が聞こえる。天候が回復して青空が拡がったが、今夜は旧正月で月がない。ボンテンの三角点は諦めて、林道を勢州峠へ向かう。

写真10写真11

途中、鉄柱が建てられていたので見に行った。保安林の許可標識があり、「風力発電用風況観測塔の設置」と中部電力関連会社の名称が記載されている。新エネルギーの導入義務があるので、将来はこの付近に風車が並ぶのかも知れない。

勢州峠から今須側へ下る林道の入り口は、繁茂して一見それと解らないほどだ。その林道北側の路肩、一段高いところにササに埋もれるように勢州峠の三角点があった。

今日は、これにてお仕舞い。明かりが灯り始めた一之瀬を見ながら林道を下る。勝地峠では真っ暗闇。久しぶりにヘッドランプを使い、国道沿いのガソリンスタンドを目指した。

コエド、勢州峠ともに麓からの林道がある。数ヶ所にゲートがあるので部外者には無理だろうが、その気になれば、今日歩いたルートは自動車で一周できる。ただ、地形図に記載のない林道は分岐が多くて、迷子になりそうだ。

行程表

11:02上石津郷土資料館
12:03岩須林道入り口
13:14コエド
15:18今須山
15:50関谷雨壺神社 (15:50 - 16:04)
17:18勢州峠
18:12勝地峠
18:42上石津郷土資料館
(作成 2008.12.26、改訂/書式等 2012.07.01)