鈴鹿:入道ヶ岳
骨折三周年記念、という訳でもないが、その現場の二本松尾根から登る。磐座・イシゴウを探索するが明快な結果は出ない。
- 登山日
- 2007年11月16日金曜日
- ルート
- 二本松尾根-入道ヶ岳-井戸谷
二本松尾根
椿大神社の駐車場から林道に入り、広河原に自動車を置いて出発した。不気味なほど静かなスギの植林帯を登って二本松尾根に乗れば、ようやく鳥の声が聞こえ、黄変したシロモジの尾根道に薄日が差す。

通報ポイント6標識の手前から再び勾配が増し、新調された「入道ヶ岳イヌツゲ及びアセビ群落」の解説板を過ぎれば、登山道の右側が明るくなる。そこは、もう大ハゲの崖っぷちである。今日は、ここから崖に沿って「マド」まで下ることになる。危険なので崖から離れて慎重に ...
磐座・イシゴウの探索
椿大神社が発行している「神代『いわくら』について」には、イシグラに続いてイシゴウの様子が記載されている。内容は次のとおり。
「今一つはその南西の山の脊筋の上方にあたり、高度は前述イシグラの処より少し上方の地点に於いて『イシゴウ』と俗称する処であります。まづ『マド』と呼ぶ僅少の平坦部で、且つ前回及び左右を見遙かす場所があつて、それより俄に自然巌で取り鎧はれた部分が聳立して居ることになり、こゝに連絡して上方に又一段歩餘りとも測らるゝ間一面に割石やうのものを、同じく積み累ね敷き並べ亙されてあります。手法などは一目人工なることは瞭然で・・・」

大ハゲ南側の尾根(というか崖上)は何度か登ったことがある。700m付近に「境界」と彫られた花崗岩の石標があり、周辺は小さな平坦地で見通しがきく。大ハゲを挟んで、向かい側のイシグラより少し高度が上であり、ここが「マド」のように思われる。


この石標から斜面に向かって左上、30mほど離れて斜面の段差のような露岩がある。左右はせいぜい10m、高さは1.5~2mほど。この付近で「イシゴウ」に相当しそうな岩はこれしか見当たらない。ただし、この上には「割石やうのもの」はなく、落ち葉に埋もれたとも思えない。祭祀された痕跡もなく、ただ、薄暗い樹下にあるだけ。
石郷、石合、言葉の意味もつかみかねる。さて、どうしたものだろう。この岩は以前から承知しているが、これ以外にイシゴウの候補が見当たらない。他の記述からも、この位置が適当のように思われるのだが結論を出せないでいる。
井戸谷
山頂へは上がったものの曇り空で寒いだけ。早々に井戸谷へ下山した。ちぎれ雲が小雨を運んでくる。3年ほど前の大雨や雪崩で少し荒れた。一部で倒れた雑木が目立つ。

避難小屋から二段ノ滝付近では登山道が整備されていた。今年7月、この井戸谷で遭難事故(死亡)があったらしい。現場はこの付近だろうか。
三重県山岳連盟の掲示板(ゲストブック)には、「井戸谷コース通報標識No3-4間の一般ルートから外れた死角のようになった谷間で発見」との書き込み。伊勢新聞には、山菜採りに訪れた58歳の女性であり、「頭部挫傷や頸椎(けいつい)損傷が死因とみられ、同署は○○さんが滑落したとみて調べている。・・登山道から約30mのがけ下で、あおむけに倒れている・・」とある。


石神(富士社)の祠が新しくなっていた。祠は木製ではなく、石のような材料が使われている。背後の磐座は、相変わらず植林が邪魔で良く見えない。椿大神社の掲示板では、奥宮大祭とともに、12日に何か行事があったらしい。
行程表
11:48 | 広河原 |
12:40 | 二本松尾根、通報ポイント6標識 |
14:09 | 入道ヶ岳・山頂(14:09 - 14:13) |
15:29 | 広河原 |